■■■外国人多住地域における地域開発(Community
Development)とは?■■■
KFC会員から総会の事業計画にある「地域開発(Community Development)」という言葉の意味がわからないとの指摘があり、ニュース担当者から理事長が責任を持って答えなさいと言われましたので書かせていただきます。
「地域開発」という言葉は、よく途上国における従前の経済成長重視型の画一的な「開発」と比較して経済・社会・環境などを考慮した地域の個別性を重視した「開発」として使われることが多いのですが、KFCの事業計画で触れている「地域開発(Community Development)」は、先進国と呼ばれる国における「外国人(エスニックマイノリティ)」多住地域における地域活性化の手法と捉えてもらえればと思います。
「地域開発」という言葉について私が触発されたのは、主として欧米の例からですが、特にアメリカにおける事例は、KFCのような団体にとっては示唆に富む事例が多いです。
多人種多民族国家であるアメリカ合衆国では、かなり前から都市部におけるマイノリティ(人種的少数者や民族的少数者)多住地域の貧困や街の荒廃、教育環境の悪化などの問題が顕在化してきました。(もっと以前からマイノリティ多住地域における先の問題はあったのですが、人種差別や民族差別があたり前の時代には人権意識が高揚していなかったこともあって人々の少数者への関心も薄く、無視されていたのが実情です。)
しかし、公民権運動による少数者の人権擁護意識の広がりと、その後の各地域における現実的な地域政策立案のなかで、「地域開発」という手法が少数者、多数者の垣根を越え、マイノリティ多住地域において効果のある手法であることが注目されるようになります。
例えば従前、少数者の住宅政策といえば公営住宅による住宅供給に重点がおかれていましたが、ニューヨークの公営住宅では、黒人など少数者が多数入居するようになると白人入居者が郊外に移動し、失業者が多い公営住宅では家賃滞納、公共料金の滞納により水道、ガス、電気の供給停止が起こり、不法入居状態の入居者が厳しい寒さを凌ぐために住宅の内装を破壊し焚き火にするなど、とんでもない問題が起きました。ここまでひどくはなくともヨーロッパでも少数者、移民の問題は深刻です。
現在、アメリカの多くの都市では、少数者や移民の住宅供給については、連邦や州の援助を受けたNPOが、スラム化した街の建物を住宅にし少数者の知恵や工夫を活かした賃貸住宅供給を実施したりしています。また少数者が起業支援をする時には金融機関との橋渡しをNPOが実施したりもします。
便宜上、NPOと書きましたが、アメリカではこのような住宅建設、管理などを行う団体はCDC(Community
Development Council)と呼ばれ、福祉や教育サービスを地域で供給するNPOとは別のカテゴリーで捉えられたりもします。
いままで日本の中では、外国人支援といえば外国人を受身の存在と捉え、多言語での情報提供や福祉政策の対象にすることが多かったですが、日本よりはるかに多い数の外国人(移住者)を長い期間受け入れてきた欧米の事例を見ていると、少数者を受身に置いた施策には限界も見られます。
KFCは、どこよりも早く外国人のためのスモールビジネス起業支援などに取り組んできました。それは地域で自分の持てる力を活かして働く場が作れてこそ、共生社会への扉が開かれると考えているからです。
KFCが、いきなり今年度から外国人のために住宅建設、管理を実施するというのは無理ですが、KFCの理念である少数者の自立、平等な社会の実現のために外国人の持っている力(文化や母国とのネットワーク、家族やコミュニティの結束など)を活かした事業を考え作っていこうということで、今年度の事業計画に「地域開発(Community Development)」という表現を使いました。
幸いにも現在地元の商工会議所などでは、アジア的な街の魅力を活かした活性化策などが進められています。KFCの持っているノウハウを活かした地域開発事業も絵に描いた餅ではなく案外早くすすめることができるかもしれません。(
金宣吉)
KFCの中で使われている言葉について、”差別”的かなと悩むことがあると議論になり、
何人かの理事にコラムを書いてもらうことになりました。
◆コラム「差別用語を聞いたとき」
世の中にはたくさんの差別用語があります。このような用語の存在が社会に故なき差別意識を醸成させたり、温存させる効果をもたらすもので、このような差別用語をなくしていく必要があることは異論のないところだと思われます。
ただ、差別用語といわれるものの中には、差別用語とは思わずに子ども時代には当たり前のように使われ、その由来を遡れば差別に結びつくものだとして突如として禁止されたりするものもあります。そうすると長年にわたりあたり前のように使っていた習慣からついその差別用語を口に出してしまうこともあります。その場合にその言葉を口にしたことが周りから差別主義者だと非難されたりすることが起こる場合もあり、そうすると悪意がないのに周りから白い目で見られて萎縮してしまうこともあります。こうなると差別用語がそれを口にしたものの人格を決めつける効果をもたらしてしまい、その人物の本来の人格がゆがめられて評価されることが起きてしまいます。これは正常なこととは思われません。
私はその言葉を口にしたこと自体を問題として取り上げるのではなく、その人がどういう状況でそれを口にしたのか、それが明らかに差別意識の表れから出たものであるとすれば、その事を批判しなければならないと思いますが、長年の習慣から無意識に口にしたのであれば、批判をするのではなく、注意を喚起する程度にとどめるかあるいは無視する寛大さも必要だと思います。重要なのはむしろ話の中身であり、言葉そのものに過敏になることは、正常な人間関係を阻害してしまうおそれがあります。その人が何処まで本音を語り、本音で差別をなくそうと取り組んでいるのか、その人となりを見極めることの方が大事だと思います。(理事 吉井正明)
◆共生・地域文化大賞受賞!
9月11日に、浄土宗が共生する地域社会に貢献するNPOやボランティア団体を対象に創設した「共生(ともいき)・地域文化大賞」で最優秀の共生・地域文化大賞を受賞しました。
これもKFCを支援してくださっているみなさんのおかげです。本当にありがとうございました。
◆地域国際化を考える研修会2007
今年も「地域国際化を考える研修会」を8月20〜29日のうち5日間にわけて実施しました。今年度は兵庫県教育委員会も共催となり、教職員の方の参加も増え、関係者を含めると延べ300名を超える参加者となりました。
最終日には、来年ブラジル移民100周年でもうすぐ改修工事が始まる旧移住センターでのフィールドワークを実施し、マスコミ報道のあり方についてなど参加者と活発な意見交換が行われました。参加者が最も多かった8月24日の講演について、ニュース係の方に簡単に報告していただきます。
8月24日、最高気温を更新していく灼熱の日の午後でしたが、会場のひょうご国際プラザは一杯の人。演題の「外国人住民の抱える問題」に対しての関心の高さを示していました。講師は、すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク(RINK)の事務局長の早崎直美氏で、日本在住の外国人の生の声を聞ける立場におられる方です。
内容を少し紹介しますと、最大の問題点は言葉の壁です。次に、研修・技術実習の名目で来日した人が単純労働を担わされているという現状。不満を言うと、その中でも学びはあるという答えが返ってきます。また、研修生・実習生は3年以上滞在できないので、賃金が安いことです。一方、在留期間が過ぎている人でも承知でさらに安い賃金で雇うこともあります。雇われる方からすれば日本では安くても、自国へ持っていけば使いでがあるので、少しでも円をたくさん得ようとして、三交代のしんどい仕事もいといません。両親が働いている間の子どもたちの問題も出てきます。それに勤め先が倒産した場合、住居、学校をかわらなければならないしわ寄せが子どもたちに来るのです。悪徳派遣会社にひどい目に合う人の数も減りません。一方、日本で巡りあった適した仕事を続けようとすれば、日本人と結婚という道しかなく、これも簡単にはいかないものです。実例に接していられる講師の話は迫力がありました。
2人目の講演者は金迅野氏でした。ご自身の来し方のご苦労をほんわかと語られ、そのあと日本国籍を持たない子どもたちの民族差別が引き金となっているかもしれないいじめの数例を上げられ、私達にはじーんときました。
私達日本語支援者は学習者が背後に、今日聞いた問題のいくつかを抱えているのではないかと認識しておく必要を感じたのでした。そのためにも今日の講演はとても有意義だと思いました。(ニュース係 気賀倭文子)
地域国際化を考える研修会2007 参加者の感想(アンケートより)
・以前にある講義でこれからの日本はアジアの中で「覇道より王道となれ」と聞いて感銘を受けたことがあります。人権を大切にアジアの諸国と対話していけばいいというような内容でした。今日は日本の指針を示していただきました。ありがとうございました。(中村先生、浅野先生の講演に対して)
・大垣市の井上秀夫さんの話は具体的でなおかつ地域国際化を考える大きなヒント、アドバイスを頂けました。
・今回の研修会は外国人労働者が抱える問題、こころの問題、在留資格のことと全て実体験や事例を踏まえた話でとても勉強になりました。
・企業のスタンスがわかり大変励まされました。在住外国人の方々に門戸を広げてください。(三井物産の柴崎氏の講演に対して)
・藤戸さんやミンさんの今日に至るまでのお話がとても印象に残りました。特にミンさんのお話は大勢の方に聞いていただきたいです。
・在伯日系社会のなすべきこと(責任)という質問に対して、小嶋先生から良い示唆を頂けました。
■■■ 外国人の子ども学習支援■■■
◆夏休み勉強会&高校入試対策講座
夏休みには通常のKFC勉強時間に加えて、もう少し日本語などのサポートが必要な子どもに絞って、火曜日にも勉強会をしました。夏休みの算数や国語の宿題を中心に、作文や絵日記、工作もしました。子どもの話によると、ベトナムでは3ヶ月も夏休みがあり、しかも宿題が全くないそうですので、初めて日本での夏休みを経験する子どもにとっては、夏休みといってもゆっくり休めないのだろうなと感じました。
中学生のクラスには新たにペルー人の学習者も増え、わきあいあいとした雰囲気で勉強することができました。夏休みのワークを1冊仕上げるだけでも大変なのに、読書感想文、自由作文、新聞・詩・俳句や短歌作りなど日本に来てまだ数ヶ月、数年の子どもたちには難しい宿題が多かったです。
高校入試対策講座では、中学3年生の4人が高校入試予想問題や総まとめのテストに取り組みました。授業形式での学習となりましたが、みな一生懸命、取り組んでいました。参加した子どもたちからはまたこういった講座をして欲しいとの希望がありましたので、冬休みの開催も検討したいと思っています。(志岐良子)
◆学習支援だけでなく相談相手として
KFCで学習支援にたずさわること10ヶ月になろうとしています。10ヶ月という月日は長いようで短いものでした。当初はなにもわからず、なにをしたらいいのかも全くわかりませんでした。学習支援だから勉強だけ見ていればいいのだと思っていましたが、関わっていくうちに勉強だけではなく、相談相手になることもありました。また勉強を教えるというよりも、子どもたちの宿題や勉強する内容を通して自分がもう一度学習すると言ったほうがいいかもしれません。学習方法や子どもたちがより勉強に興味をもつ方法などは学習支援者の方々から日々学んでいます。
KFCに来ている子どもたちの中で来日して間もない子どもたちを中心に学習支援を行っており、その子どもたちを見ていると、昔の自分を思い出します。一番頼りになる家族は皆働くことで必死になってしまい、誰も、何も助けてくれない、全て自分一人でこなさないといけませんでした。だから彼らの不安や大変さが誰よりもわかります。
日本に住んでいる子どもたちにとってわかって当たり前のことが彼(女)らにはわからないし、不安もたくさんあります。日本語はもちろん、学校の勉強や宿題にもついていけないという状態です。教科の勉強も日本語の勉強もしなければならない、人よりも3倍4倍以上がんばらないといけません。日本語に集中しすぎてベトナム語を忘れかけている子どももいます。日本語だけではなく、母国語も学習しないといけません。逃げ出したいという気持ちもよくわかります。昔私も現実逃避したいと思ったことがありました。これを越えれば、楽しくなるし、自分の意見や将来、物に対する見方も変わります。彼(女)らの懸命に頑張っている姿をみて、わたしも彼らになんらかのかたちで役に立てたらいいなと思っています。
これから高等学校や大学に進む彼(女)らに、今よりも広い世界を感じてほしいです。そして自分のアイデンティティを大切にし、胸を張って私はベトナム人といえる人間に成長してほしいと願っています。(グエン
ビン ミン)
■映画会をしました!
7月24日(火)子ども5人とスタッフ2人で、宮崎駿初監督作品の映画を観に行きました。子どもたちの参加は少し少なかったですが、貸切だったのもあり、わぁわぁ言いながら楽しんで観ていました。
■こんどこそ!と思っていた遠足は夏休み最大の台風の日と重なり、大雨&大風で中止となりました。まだスタッフも来る前から集合して楽しみにしていてくれた子どももいたのにとても残念でした。晴れの日の野外交流会はいつ実施できることやら・・・。
■■■日本語プロジェクト■■■
◆9月研修会
「みんなの日本語 抜粋して教える」 私たちは、基本的に日本語学習の初級テキストとして「みんなの日本語初級T・U」を使用しています。このテキストの利点として、進度に応じた様々な関連図書が出版されており活用しやすいことがまずあげられるでしょう。KFC日本語ボランティア養成講座もこのテキストに沿って進められます。
一方、KFC日本語学習の場から次のような点が課題として出てくるようになりました。
@時間的なこと
「みんなの日本語初級T」の学習時間は、最低100時間から150時間を想定されています。1課あたり平均4時間として25課全部終えるのに最低100時間が必要となります。そうしますとKFCでは週一回の学習者が多く、これでは、一冊を終えるのに2年近くかかることになります。これでは、学習者が学習意欲を持ち続け、達成感を得るのになかなか至らないではないかという声です。
A学習者の現状
KFCで学ぶ学習者はゼロ初級、初級の方がほとんどです。働く上でまた日常生活をしていく上で即必要な日本語を学びたいという人たちです。
使用しているテキスト「みんなの日本語初級T・U」は主に会社の研修生や留学生、日本語学校の学生などを対象にして編集されたテキストであり、KFCの学習者が必要とする語彙、状況設定などに開きがあるのではないかという声です。
以上の意見をもとに、今回KFCで学ぶゼロ初級、初級の学習者に焦点を当て、学習内容を必要なものだけに精選した会話テキスト作成にとりかかることになりました。学習時間は1課を1時間程度(復習を含めて1.5時間くらい)で導入・練習することを想定しています。内容の精選により学習の進み方もかなり速いものになります。
これらの課題解決に向け、これまでの日本語研修でも関連講座を設定し研修してきました。学んだ事を基にまずはボランティア有志で試案を数課作り、9月の日本語研修でより多くのボランティアの方々に検討していただくことになりました。修正を加えながら役に立つより良いテキストにしていきたいものです。また今後の検討会に一人でも多くのご参加をお願い致します。
(宇野祐子)
<見直しに当たり使用したテキストや資料>
・みんなの日本語T・U ・THANK'S 初級会話テキスト
・日本語45時間
・文化初級日本語
・みんなの日本語初級T 各課の要点
神戸市外国語大学「日本語学習を助ける会」
神戸中国帰国者日本語教育ボランティア協会
長陽子 根津京子作成
◆日曜日の支援について
2007年7月より日曜日の日本語支援の体制を見直しました。ご報告とご協力のお願いです。
今までは震災後の流れのまま、ボランティアの方と学習者を組み合わせて後はペアに任せてきましたが、学習希望者が多く、組み合わせる支援者が見つかるまで何ヶ月か待ってもらうということにもなっていました。
日曜日に学習を希望する方は、仕事の関係上日曜日にしか時間がない方で、他の日というわけにもいきません。
学習意欲も申込み時がまず第一のピークですから、待たせるのはその気をそぐことにもなりかねません。
そんなわけで、矢根さんを担当者として必ず来てもらうようにし、ボランティアの方には毎週ではなくとも、支援可能な日を事前に言ってもらって、学習者がいれば来てもらうようにすることにしました。
始めて2ヶ月が経ちましたが、まだまだ試行錯誤です。ボランティアの方が来ているのに学習者は来ないという日もありました。同時に始めた漢字クラスも、学習者の日本語レベルに漢字学習の例文が難しすぎるということもあったり、漢字だけの学習にうまく対応できずにいます。
それでも日曜日に学習の場があるというニーズに応えるため、少しでも学習しやすいよい環境を目指しています。
皆様のご理解とご協力をお願いします。 (奥
優伽子)
◆メーリングリスト・ネットワーク拡大について
現在KFCメーリングリスト・ネットワークは46名の登録者により構成されています。活動内容はKFC行事予定の周知及び日本語学習支援に関する講座又は資料紹介などを行っています。
メーリングリストの発信は登録者であればどなたでも出来ますので、第109
号で発信方法の解説をさせて頂いたところ、急に発信者が増え、情報交換が活発になってきました。
7月23日に開かれた「KFC-News」発行打合会で「学習支援」をしておられる皆様も同じ「日本語学習」の要素があることからネットワークに加入していただき、情報伝達の輪を広げてはというご意見があり、その方向に向けて取り組みをすることになりました。KFCへメールアドレスを公開されている方にネットワークから「加入勧奨メール」が送られると思いますので、趣旨をご理解の上、ご賛同頂けるようよろしくお願い申し上げます。
(メーリングリスト担当 大道良輝)
◆韓国語を始めてみませんか?
KFC日本語プロジェクトでは、韓国語を新たに勉強してみようかと思っている方々を対象に生徒を募集します。講師は韓国現地生活4年間の経験を持つ操田さんです。その他の募集要項は次のとおりです。
記
対象:KFC会員で韓国語をまったく知らな い、もしくはほんの少ししか知らない方
協力金:1,500円/月
場所:KFC事務所内
日時:週1回、1.5時間。 とりあえず水曜日13時半から15時までの予定ですが、相談に応じます。
◆KFCハナの会
◆オリニソダンとの交流会〜オリニ(子ども)と保護者の方からの感想
7月31日に新長田にあるハナの会へ行ってきました。ハナの会の人たちは私たちをあたたかく歓迎してくれました。私たちはハナの会の人たちにドラマ「チャングムの誓い」の歌―「オナラ」を歌ったり、いっしょに踊ったりしました。手をつないで踊っているときにみんな恥ずかしそうにしながらもハルモニ(おばあちゃん)たちと楽しく踊っていました。
質問コーナーでは、「いままでに何回恋をしたんですか?」と変な質問をする友だちがいておもしろかったです。どのハルモニも「昔は相手の顔も知らんと親の言うがまま結婚したんや」と言ったので、私はびっくりしました。
おやつに甘いスイカ、ぶどう、チョコレートを出していただきました。ハナの会の人たちと楽しく食べるスイカは格別おいしかったです。とても楽しかったので私は来年も行きたいなと思いました。来年はもっと楽しいハナの会にしたいなと思いました。(蓮池小学校6年 李栞)
小学生の娘とともにハナの会のハルモニたちとの交流会に参加しました。子ども11名(夏休みで子どもたちの参加がちょっと少なく残念でした)、保護者4名に、いま神戸の公立学校内民族教育の研究にオリニソダンに来ている神戸大学の留学生、金香花さんと権奇淑さんのお二人を加え、総勢17名。蓮池小学校から徒歩約10分、JR新長田駅近くのきれいなビルの中に在日コリアン高齢者のためのディサービスセンター「ハナの会」がありました。
ハルモニたちにとってはひ孫のようなもの、大歓迎で迎えて
くれましたが、やはり存在そのものが民族を感じさせる1世。
しかも80代、90代の方も多くおられ、ハルモニたちのパワー
に子どもたちのほうが圧倒され、スキンシップに小さい子など
最初は泣き出すしまつ。なかにはこっそり隅っこに隠れる子も
いたり…。
でも、たどたどしいウリマルで自己紹介をし、ウリ
ノレを歌ううちに子どもたちの緊張もだんだんほぐれていき、
最後には芸達者な?ハルモニたちに見事にのせられ手をつなぎ輪になってチャンゴのチャンダン(リズム)に合わせ、いっしょに「アリラン」を歌い、楽しそうに踊っていました。カラオケ大会になるんじゃないかと思うほどハルモニたちは次から次に歌いだし、お二人の留学生も懐かしの「カップトリワカップスニ」を歌ってくれました。
100,1000のウリマルを覚えるのもとても大事ですが、民族そのものを実感させてくれ、存在それ自体が歴史を語ってくれる1世の人たちはまさに宝のような生きた教材(表現はおかしいかもしれませんが)であり、いまソダンに来ているほとんどが4世のオリニたちにとってかけがえのない出会いであったと、あらためてひしひしと感じました。
子どもたちにとっても私にとっても初めての良い経験になり、子どもたちがハルモニたちに元気をあげている(いや、もらっているかな)のだと思いました。コマッスムニダ!(保護者C)
◆ハルモニ!また会いにきます!
去る7月16日、私たち在日コリアン青年連合(KEY)兵庫のメンバーはハナの会に訪問させていただきました。これまでにも何度かハナの会を訪問する機会はあったのですが、今回は特別な思いも一緒に携えて訪問しました。
今年度KEYでは、「いま伝えたい在日コリアン」と題し、在日1世のハルモニ・ハラボジたちに出会い、その声を聞き、その思いを広く伝えていくという活動を行なってきました。この活動は、今だからこそ聞ける言葉、今しか聞けない言葉をしっかりと記憶し、1世たちの生きてきた道を、自分たちの歴史として捉えていきたいという思いから始まったのですが、私たちにとっての1世とは、自分たちの実のハルモニであり、また同時にハナの会のハルモニたちでした。数回の訪問を重ねて、ハルモニたちとの出会いの温かさを知っているメンバーの多くから、またハナの会に行きたい!という声が挙がり、今回の訪問が実現しました。
しかし、これまでの訪問では、私たちがハルモニたちに話をしてもらうばかりの「受け身」の訪問が多いのも事実でした。顔見知りになったハルモニもいる。名前を知ってるハルモニもいる。私たちはいつもハルモニたちから温かい思いをもらっているが、私たちがハルモニにできることはなんだろうか・・・。
メンバーで考えた結果、今回の訪問は単なる訪問ではなく、「ハルモニに喜んでもらう」ことを第一の目標に掲げた訪問にしよう!ということになりました。一世の声を聞くということは、もっとハルモニたちと仲良くなりたい、もっとハルモニの笑顔をみたい、という思いこそが出発点になるのではないか・・・と考えて。
そこで出た案が、ノレ(歌)と手品の披露でした。ノレについては、ハルモニたちも大好きで、歌いだしたら止まらないことは知っています。問題は手品でした。「ハルモニたち、興味持ってくれるかな・・・?」「おもしろくない!って言われたらどうしよう・・・」準備をするメンバーはそれこそ真剣でした。ああでもないこうでもないと試行錯誤し、普段のハナの会のハルモニの様子をリサーチしたり、できるだけ多くの手品を用意したりしました。
当日はそんな不安も吹き飛ぶほどの盛り上がりようで、手品師が「パワーを与えてください!」とお願いすれば、ハルモニたちはいっせいに手を挙げてパワーを送ってくれましたし、5000円札を切る手品では「もったいない!」と真剣に叫ぶハルモニもいました。一つ一つの手品に驚き、笑い、拍手をくれたハルモニたち。また私たちはハルモニから大きな力をいただいたような気がします。
最後に、私たちが歌った歌の歌詞から、あるハルモニがこんな話をしてくださいました。「苦労しても苦労しても、それを乗り越えて乗り越えていったら必ず笑える日が来る。だから若いうちは頑張りなさい」と。
ハルモニ!また会いに来ます!(金知子)
◆ハナの会夏祭り探訪
8月8日から10日の3日間、夏祭りを開きました。その様子をKFCニュース係操田がレポートします。
デイサービスを受ける利用者の顔ぶれは曜日ごとに異なり、1回(一日)で全利用者が夏祭りに参加することが無理なので、水・木・金の3日間に分けてのイベントとなりました。
8月8日の利用者は女性11人。ハナの会スタッフや給食ボランティアの方々を入れると多すぎず少なすぎず、施設内はにぎやかです。壁にははすの花を背景に横笛を吹く少女の塗り絵やひまわりや朝顔を刺繍風にあしらった立派な壁飾り、天井には色紙で作った鎖とカラフルなちょうちんなどの飾り物でいっぱい。施設の真ん中の黄色い大きい玉はお月様をあらわしているそうで、ウサギの人形がお月様からぶら下がっていました。
夏休み中ということで学校給食の担当の方々が給食ボランティアとして食膳を準備してくださいました。今回の昼食は各自が好みのトッピングを選ぶことができるピビンパです。金宣吉KFC理事長の挨拶のあとサイダー類で全員乾杯してから、各自ピビンパのトッピングを選びましたが、その種類の多さと本場そこのけの豪華な食材とおいしい味付けがとてもよかったです。給食ボランティアの方々、ご馳走様でした。
食後一服したあと、夏祭りのメーンイベント、ハナの会スタッフによる韓国民謡メドレーの発表です。出演者5人全員が民族衣装に着替えての熱演です。歌詞を書いたメモをちらちら見ながらとはいうものの、大きな"振り"を交えての舞台姿が立派で、ここまで作り上げるのに一苦労であったろうと想像させます。汗びっしょりで歌い終わったスタッフの方たちも満足げな表情でした。利用者の中にも久しぶりに民族衣装に着替えた人が何人かいらっしゃいました。また、マイクを手に取り得意の韓国民謡を披露してくれた人もいて大変にぎやかでした。
8月9日は都合によりリポーターは参加できませんでしたが、後日談によれば子どもたちの和太鼓やチャンゴ演奏もあり、8日よりも利用者が多く一層にぎやかだったとか。
8月10日は夏祭り最後の日。昼食の直後、ハナの会若手スタッフ鄭秀珠さんの婚約者が突然出現してみんなを驚かせてくれました。お二人仲良くそろって利用者に挨拶して回り、祝福を貰っていました。8日同様、ハナの会スタッフによる韓国民謡メドレーのうち、初めて聞いていいなあと思った歌は「カンガンスーレ」と「チャレックンチャレッソ」。よく歌い込まれていて、ご努力に敬意を表します。
スタッフによる発表に続いて、民族衣装に着替えた利用者を中心におなじみの韓国民謡メドレーで歌えや踊れやの楽しくにぎやかなひと時を過ごしたのでした。(操田誠)
■■■ 今後の予定■■■
■日本語研修会・連絡会
10月6日(土)13:30〜16:00 「多文化共生・人権ワークショップ」
野崎志帆(甲南女子大学多文化共生学科)
於 新長田勤労市民センター
10月27日(土)13:30〜16:00 「初めて教室へ来た人とのコミュニケーション」
藤川多津子(東灘日本語教室ボランティア)
於 新長田勤労市民センター
■あきまつり
10月28日(日)10:00〜 於 デイサービスセンターハナの会
■子ども野外交流会
11月3日(土)