KFC-NEWS  2007.7.17  No.79


■■■ KFC2007年度総会報告 ■■■ 
 さる6月9日、デイサービスセンターハナの会にて、KFC2007年度総会を開催いたしました。総会は、正会員の出席18名(内委任状出席8名)、賛助会員のオブザーバー出席11名とたくさんの会員が集い活気のあるものになりました。

  総会に先立ち開催した合同学習会には、以前KFCでもハナの会のインターンとして活躍してくれていた李裕美さんが、自らのオランダ移民研究留学の成果を「オランダのエスニック・マイノリティたち」というタイトルで大変簡潔にわかりやすく教授してくれました。合同学習会に参加した人たちからも、興味深い話に多くの質問、意見が出ましたが移民受け入れの先駆者として知恵を絞ってきたオランダでも種々雑多な移民の受け入れに大変苦慮していることがわかり大変勉強になりました。

学習会終了後、鄭秀珠さんの司会で総会の開始が告げられ、私金宣吉が議長に選任され議案書に沿って議事を進行させてもらいました。

第1号議案の「2006年度事業報告および決算報告」についてですが、2006年度は団体発足10周年ということで団体の多くの力量を10周年事業に割いたこと、また活動を振り返るなかでKFCが、「地域」、「当事者性」、「共生」の事柄を大切に活動してきたことなどが報告されました。決算報告については、決算収支の報告とともに監 事からの指摘を受けた決算書の形式について協力税理士の確認を受けるよう指摘された件について、他の公益法人同様の書式なので問題ないとの返答を得たことから2006年度は従前書式を使って報告するとともに来年度以降は、兵庫県が標準書式として例示している書式への見直しが報告されました。

次に第2号議案の「役員改選に関する事項」では、従前の理事、監事のほかに新理事として神戸大学で文学を教えている樋口大祐さんが選任され、新たな役員体制として理事7名監事2名の役員体制が確認されました。新理事として就任した樋口大祐さんは、就任のあいさつの中で、自らの台湾留学中に体験した外国人として生きていることの「違和感」、台湾から来た自らの配偶者と二人の間に生まれた子どもの家族としての「当事者性」を考え、KFCに貢献したいと力強く語ってくれました。

 最後に第3号議案として、「2007年度事業計画および収支予算」について提案が出され原案どおり承認されました。2007年度事業計画としては、あらたに外国人多住地域における「地域開発(community Development)」という概念を今後の活動検討に取り入れていくこと、そのためにも 2007年度はKFCの基幹事業である「日本語プロジェクト」、「デイサービスセンターハナの会」、「外国人の子どもの学習支援事業」に更なる力量を割き、安定した法人事業展開を実施していくことが提起されました。
 予算は、不本意ではありますがスタッフの待遇改善、過重な拡大路線をとることの疲弊といった要素も考え、NPO法人としては異例の赤字予算を組み次年度以降の礎づくりにまい進することが参加者一同で確認されました。

 KFCには現在、国際結婚家庭の0歳児から94歳のハルモニまで幅広いエスニックマイノリティが何らかの事業に参加してくれています。「揺りかごから墓場まで」とはいいませんが、その手前ぐらいまでは事業が広がっています。KFCの事業は、多くのボランティアに支えられているのですが、事業を実施するための場所も人も物(お金)も全然足りていないのが実情です。 空きビルだらけの街で、就職活動で嫌な思いをさせられている在日ベトナムの大学生を横目に見ながら、足りない収入を数えていると、「やっぱり今の世の中はまちがっているんじゃないの!」と思います。

 KFCの法人名が、「特定非営利活動法人」(実は私はこの名前きらいです)なので、なにか「霞でも食べている」かと思ってしまう方もいるようですが、当たり前のことですがここにも仕事として働いている人たちがいます。
 仕事のために人がいるような時代ですが、人のために仕事をしているところに光があたるようKFCとして力を尽くし、2007年度の総会には、多くの若い人を迎え黒字予算を立てたいと思います。( 金宣吉)


◆韓国語講座探訪
 ある時、一人の日本語支援者が「日本語学習者の苦労が分かるには私達が全く知らない言語を勉強してみたらいいかも」とおっしゃいました。その言葉が多くの支援者の頭に残りました。
 その頃、韓国勤務中に生のハングルに触れ勉強された操田さんが韓国語講座を開くことになりました。週一回、一時間半。韓国の延世大学の教科書を使用。現在入門コースは三人で始めて二ヶ月が経ち、初級コースは今は二人になりましたが3年近く続いています。少人数なので各自の都合で日時を変更できたことが続いた原因の一つと聞きました。いずれのコースも宿題はありますが、主婦や仕事現役の人は中々できず、授業中だけ韓国語にとっぷり漬かるのが現状だそうです。
 授業を参観。中々覚えられない年齢にさしかかっている生徒に先生は決してイライラされません。ふりがなをふってはいけないのが語学学習の鉄則なのに、発音の復習の為にかなをふりたいという生徒に折れて、発音に近いふりがなを考えてくださる優しい先生です。生徒が挫折してやめるのをおそれていると心境をポツリ。先生も生徒も限られた時間にたくさんの内容をと真剣です。生徒は脱線に苦い表情を見せることもあったが、日本語にない発音をマスターしたい、一見、模様のように見える文字(ハングル)を理解したいという動機のある生徒は少しづつ目的に近づいているようでした。
 入門、初級クラスを参観して、このコースの続くことを強く願っています。(ちなみに途中入会者があれば操田先生なら適当なフォローをして受け入れてもらえると思いますので、その気のある方はトライをおすすめします!) (気賀倭文子)


◆韓国旅行へ行ってきました!
 スタッフからみんなで一度韓国へ行きたい!という声が上がり、この度やっと実現しました。日程は6月23日〜6月25日で、参加者はスタッフ、理事、KFC韓国語初級勉強チームの総勢13名でした。

■1日目
   「釜山は気温23℃曇りとの報告を受けております」という機内アナウンスと共にボーイング767は黄色い花咲く金海国際空港に着陸しました。わずか一時間たらずでの外国です。ハナの会の前に11人が集合したのが朝の6時、春日野道で李団長と合流したのが6時30分、7時48分関空に到着、野崎氏との合流で全員集合。チェックインをし搭乗を済ませて離陸するとあっという間のことでした。世一旅行社の宋さんが笑顔でバスへ案内してくれました。
11時17分慶州に向けて出発。山の裾野をゆるやかに走るバスからの眺めはいつしか遠い日の遠足を思い起こさせました。深い緑色に包まれた小高い山並、手前に広がる苗代、力強く育った濃い緑のイネ、ビニールハウス、散乱するワラ、鄙びた田舎の風景に違和感はまるでない。「洛東江は韓国一の川です、二番はソウルの漢江です」という李団長の大きな声に改めて釜山の風景に魅入りました。突然、山の麓にぼんやりと白い建物が次から次へと現れてくる、靄かと見間違うような高層アパート群でした。「蜃気楼マンション」誰かのつぶやきが聞こえてきました。
  山あいを小一時間ばかり走ったであろうか気がつくと大きなそしてチョッと目立った山門を前にバスは停止してドアを開けました。慶州に着いたのです。団長のお連れ合いの従兄弟のチョウ・ソン氏が颯爽と乗り込んできて、早速おいしいカルクッス(うどん)を食べさせる店へ案内していただいきました。そこは店というより田舎の屋敷そのままの部屋でした。家訓十か条が掲げられ重厚な家具と家族一人一人の記念の写真が微笑んでいる。そんな中で韓国家庭の味を堪能させていただきました。チャルモゴッソヨー(ごちそうさまでした)。
20分ほどのバス移動で国立慶州博物館へ、門をくぐると前方に「エミレの鐘」が吊るされていました。エミレとはお母さんのこと。親子連れ、小学生、たくさんの子どもたちがはしゃいでいました。近代的な建物に生まれ変わった考古館、展示されていた弥勒菩薩像が奈良中宮寺のアルカイックスマイルを持つ像と似ている気がしておもしろかったです。出口には桜並木も見られ、古の奈良を歩いたようでした。「石窟庵は仏国寺の上にあります」というチョウさん案内の後、バスは山道を30分は登り続けたであろうか、バスを降りると今度は長い参道。登りつめると見上げた山肌に小さな庵を見ました。甘露水(WATER )の看板がありお清めをしてのお参りです。釈迦如来と周りに四天王や菩薩のレリーフ、もちろん撮影は禁止。庵を出た高台からは文武大王の海中陵が見えるそうな、その時天からの雫がポタリと背中に、天気が怪しくなってきました。バス移動で仏国寺へ。まさに写真で見た通りの階段、仏国へ上がる安養門に一同大感激です。右側の小路から阿弥陀如来の鎮座する極楽殿、多宝塔、釈迦塔、回廊に囲まれた大雄殿へと進むうちにまとまりはバラけてしまいました。予定の出口へ到着した時には団長、操田氏、チョウ氏と私の4人だけ、待つこと5分、10分誰も出てこない、 雨は降る、迷子はどっちだ!多勢に無勢、どうもこちらの分が悪い、チョウ氏が雨の中へ飛び出して行きました。やがて門の受付に電話があって3人は降り口へと向かいました。バスが来た、そしてまた雨が降り出した。渋滞は何れの国でもストレスのもと、2時間かかって待望のホテル・クラウンへ到着。荷解きの後は気を取り直して楽しみの夕食へ出かけました。理事長発声のもとで乾杯をした後は韓国の代表的な料理のひとつポッサム(茹で豚)に舌づつみ、異国情緒を満喫しての宴でもって第一日の終わりをしめました。    

■2日目
 2日目は、夕食までは市場グループ、博物館・市場グループに分かれて行動することになり、私は博物館・市場グループに参加しました。 ホテルから地下鉄に乗り、釜山タワー、龍頭山公園を見ながら、まずは釜山近代博物館へ。この博物館は、日帝の支配期には東洋拓殖株式会社釜山支店で、解放後には米国海外公報の釜山文化院だった建物です。神戸に船員として8年間住んでいた男性のガイド付きで、日帝時代の釜山の街並みの写真や東洋拓殖株式会社の書簡など興味深い資料を見せていただきました。またここには福岡大学なども頻繁に調査研究のために訪れているとのことでした。  
  その後、国際市場を通り抜け、お土産に慶州パン(あん入りまんじゅう)を買い、チャガルチ市場で海苔や乾物などの買い物と昼食を楽しみました。この市場は魚市場として有名で、中で食事もできます。自称ミスチャガルチがいるお店でセンナクチ(生タコ)やウミウシ、ひらめなどのお刺身とビールと焼酎を頂きました。その後、一旦ホテルに荷物を置きに帰り、市場へ行く人、ホテルのサウナと垢すりを楽しむ人などに別れましたが、残念だったのは日曜日だったために国際市場以外の市場はほとんどのお店が閉まっていたことです。 夕食はみんな揃って鄭秀珠さんお奨めのロッテホテル近くのレストランへ。とてもやわらかく甘めの焼肉やチゲ、お釜で炊いた豆ご飯(トルソッパブ)を食べ、その後にだし汁をいれておこげをそぎ落として食べる(ヌルンジ)など盛りだくさんでした。 その後は、チムジルパン(垢すりやサウナのあるお風呂)へ行く人、ホテルに帰る人などにまた別れ、私たちは昨日見かけた屋台のバーへ行くことにしました。しかし行ってみるとその日はそのバーなく、しぶしぶビルの中のバーに行き、一杯だけ飲みました。でもやはりどこかの屋台に行きたい!!ということで屋台に向かい、結局、前日にS氏が「明日来てね。約束よ」と指切りしていた店のアジュンマ(おばさん)につかまって、いとこのアジュンマも一緒に飲むことになりました。「ワンスーッ」(一気)という掛け声のものとアジュンマたちはガンガン飲み、食べ、盛り上がりました。値段は少し高めでしたが、アジュンマたちとのコミュニケーションはその価値あり?!でした。その後、ホテルに一旦戻りましたが、ノレパン(カラオケ)に行こう!とまた出かけ、韓国の夜を満喫したのでした。


■3日目
  あっという間の旅行はあと1日を残すのみとなりました。
  プサン最後の朝食は、昨日の朝たずねて行ったけれども日曜日のため閉店で入ることのできなかった韓国おかゆ専門食堂「ポンジュク」へ、全員揃って歩いて行って今日こそはの挑戦。無事開いていました。お店の名前「ポンジュ ク」は、「本当のおかゆ」という意味らしい。メニューを見るといろいろなおかゆがありましたが、ほとんど全員が「チョンボク・チュク」(あわび入りのおかゆ)を完食しました。炊き方は日本とは少々異なり、米粒が判別できなくなるほどにまで炊き込んでありました。舌触りが独特で、なんとも柔らかい。一人当たり1万ウォンは決して安くはなかったですが、満足の一膳でした。 この朝食に限らず、プサンのおいしい店をよく研究された李圭燮さんお奨めの店は、この三日間、どこもお味が素晴らしい店でした。改めて団長の李圭燮さんに感謝いたしたいと思います。
  食後ホテルへ戻って荷造りとチェックアウトを済ませ、ロビーに全員集合。約束の時間通りに旅行社のガイドさんがお出ましになり、いろいろな注意事項を流暢な日本語でしてくれました。旅行社が発行して出発時に手渡してくれた「eチケットをお持ちですか?」と確認され、大慌てで探しましたがその書類が行方不明の人がいました。 ほとんど全員が保有していましたし、それに加えて韓国語ができるガイドさんが居るのだから、空港窓口で説明すれば何とかなるだろうと腹をくくり、バスに乗って一路金海空港へ向かいました。 空港の近くのみやげ物店へ立ち寄ったのは、旅行社のアレンジでした。バック・マージンを期待する旅行社のためでもあるのでしょうが、我々にとっても残余のウォンを処分できるよい機会でした。
  空港窓口は黒山の人だかりです。あと一年ほどすれば新しい建物ができて混雑が解消するとのことですが、今は臨時的な建物で手狭なのです。ガイドさんの先導で列の後ろに並びましたが、窓口の数が足りないのか、列がなかなか進みません。四・五十分待ったでしょうか、我々の中から不安の声があがり、特別の配慮を窓口に求めるべきではないかとガイドさんに要求しようとしていたところ、ガイドさんがなんと「この列はJAL便ではなく、KAL便の列です」と悲鳴を上げ、すみませんの連発です。やむなく全員ぞろぞろとJAL便の列に並び替えると、程なく、かつ「eチケット」問題も持ち上がらずに、全員チケットを獲得できました。ぎりぎりかつかつの気づきでセーフでした。 結局、午後1時前、定刻どおりに関空到着。
 皆さん、お互いに楽しい旅行をありがとうございました。
(佐藤孝行、志岐良子、操田誠)


■■■日本語プロジェクト■■■
◆新人ボランティア紹介〜KFCで支援を始めて
日本語プロジェクト まだ数回しか参加していませんしが、早くなれて、ちょっとでも学習者の手助けになるよう頑張ります。よろしくお願いします。 (常見敬策)

4月から中学3年生の学習を助けています。断片的な知識がキーワードとかとくっついてストンと納得することが増えてきて、けっこう楽しいものです。気が散っている状態のとき、うまく誘導して集中度を高めるのが、本人にとっても私にとっても課題でしょう。(中山幸夫)

 私はKFCで週1回日本語ボランティアとして、外国人に日本語を教える活動をしています。  現在は、日本の会社にインターンシップで来ているドイツ人の青年を教えていますが、人にものを教える大変さをつくづく感じています。  ですが、KFCで日本語を勉強している人たちにとって、少しでも役に立てるように、これからも頑張っていきたいと思います。(西口明美)

 KFCで支援を始めて約3ヶ月が経ちました。日常使っている日本語ですが、教える立場になると改めてその複雑さや難しさを実感しています。幸いな事に現在担当している生徒さんが初級者なので、私も一緒に学ばせてもらっています。新たな驚きと発見の日々を楽しんでいるところです。(福村友紀子)

 4月から日本語プロジェクトのグループレッスンのお手伝いをしています。発音のむずかしさなど、ことばの奥深さを実感しています。定住外国人の皆さん、一緒にがんばって日本語上手になりましょう。そして日本人の友達をいっぱい作って下さいね。(西野由美子)

 初めまして。昨年秋に神戸に住むまでは、横浜市で1年半日本語ボランティアをしていました。新しい地でも続けてよかったと思わせてくれてくれたのは、生徒さんとの出会いや皆さんが上達の為に一生懸命学ぶ姿です。ともに楽しく学習していきたいです。 (松島美佐子)

 5月から、小学生を対象とした学習支援を始めました。子どもたちにどのように対応したらいいのか不安な気持ちでのスタートです。今は学校の宿題を見ています。子どもたちの明るさと学習意欲を支えに、続けていこうと思っています。よろしくお願いします。(安田茂弘)

 4月に体験させて頂いてから2ヶ月、毎週木曜日を楽しみにしています。私は大西先生のもと、アシスタントとして行かせて頂きていますが13名の学習者と共に自分自身が勉強させてもらってると感謝しています。これからも色んな事に関わっていけたらと思っています。 (和田三津子)


◆7月研修会「外国人定住事情」
 7月14日、台風4号が近畿地方に接近する一日前の研修会は、毎日新聞の中村一成記者を講師にお迎えしました。
  中村さんは1969年生まれ。1995年に毎日新聞社に記者として入社。香川、京都を経て、現在は大阪に勤務。贖われない過去や国籍を「理由」とした排除といった在日朝鮮人を巡る不条理や、新たに定住する外国人が直面している問題、いわゆる「越境者」たちの生き難さなど、「国民」にあらざる者たちを取り巻くこの社会のゆがみについて、雑誌や新聞などへ執筆されてきました。近年はパレスチナ難民たちと出会おうと、中東地域への訪問を重ねておられます。在日1世への聴き取りも、現在の大きな課題として取り組んでおられます。
 ご先祖は韓国慶尚南道で、在日ハーフ3世としてお生まれになったとの自己紹介から講話は始まりました。 中村記者は、ある殺人事件の容疑者のタイ人女性とかかわりを持ち、日本語がほとんどできない同容疑者と接見をする機会を得、捜査や裁判の状況をつぶさに知るにしたがって、この事案の根本問題は「タイ人女性の人身売買問題」および「司法タイ語通訳要員不足」であるといいます。 当局は捜査段階のタイ語通訳と公判におけるタイ語通訳を同一人物に担当させたばかりか、その通訳者はタイ語能力が低いために裁判の円滑な進捗を妨げる結果になったともいいます。その根底にあるのは、日本の司法が日本語を母語としない者に極めて冷淡であるという指摘です。
  「外国人定住事情」で見逃せないもう一つの問題は、ニューカマーの子どもたちの教育問題です。ニューカマーの子どもは外国人なので、日本で教育を受ける義務があり ません。ニューカマーの親が子どもを日本の学校へ入れようとしても、日本国内のある地域では「準備ができていないからしばらくお待ちください」と、体よく断られたということもありました。その結果、子どもは出身国の教育も受けず日本での教育も受けず、読み書きが満足にできない大人になってしまいます。 ニューカマーの子どもの教育問題は、地域によっては熱心に取り組んでいるのですが、日本国の行政としてはお寒い現状なのです。 講話の後のフリートークで聴講者たちは、ニューカマーの子どもたちの教育問題を放置しておくと、最近ヨーロッパ某国で発生した「移民による暴動事件」と同じような事件が日本で発生するのも遠くない、という素朴な感想を漏らしました。(操田誠)

村一成さんの書籍紹介
「声を刻む ―在日無年金訴訟をめぐる人々」
  インパクト出版会 ¥2,100(税込)
 国籍を理由に、年金制度からも排除される在日一世のハルモニたち。人生の晩年を迎えて今、国を相手に訴訟に立ち上がった彼女たちが、それぞれのライフストーリーを語る。植民地支配下の朝鮮での幼年時代から戦後日本社会の60年を彼女たちはどう生きてきたのか。彼女たちによって生きられた現実、それは、この国の近現代史の紛れもない一部である。彼女たちの語りに耳を澄まし、その生の細部に目を凝らすとき、他者に対してこの国とこの社会が一貫して振るい続けてきた暴力のありようが浮かび上がる。いったいいつまで、この国は、排外の歴史を続けるのか。


■■■ 外国人の子ども学習支援■■■

進路個別相談実施
 昨年に引き続き垂水中学校の韓裕治先生にお越しいただき、中学3年生の進路個別相談を実施しました。
 ほとんどの子どもたちは高校への進学を希望していますが、中には高校の進学をあきらめかけている子どももいます。家庭環境が不安定であることが一番の原因のように感じますが、日本語未修得による学習の遅れ、学年を落としていることから私立の高校の受験資格がないなど、強く進学を勧めていますが、本人がなかなか高校進学を考えられないようです。  男子の多くは高校卒業後は就職するつもりなので、手に職をつけれらるようにと工業高校を希望しています。中には、高校卒業後は美術系の大学に行きたいと考えていたり、医者などになりたいと考えている子どももいてとても楽しみです。
 子どもたちからは、推薦で高校を受けるために必要になる面接や作文への不安の声も聞かれましたが、先生から丁寧に説明していただき、その不安も解消されたようです。今後も高校入試の状況を具体的にご存知である先生にお越しいただいて、子どもたちが不安に思っていること、疑問に思っていることに答えられるようにしていきたいと思います。

KFCに通う中学生の将来したい職業
スチュワーデス、ペットショップ、パティシエ、美容師、ベトナムと関わる仕事、福祉関係、消防隊員、スポーツ選手、スポーツ関係の仕事、通訳、イラストレーター、ピアニスト、看護師、医者、自動車製造に関する仕事、先生など

◆座談会に参加して
 兵庫県国際交流協会主催の子どもの学習支援についての座談会に出席しました。出席者は、こうべ子どもにこにこ会、城東寺子屋、柏原日本語教室「こんにちは」のコーディネーターの方たちでした。  抱えている悩みはどこの団体もほぼ同じで、支援者の確保の問題、活動資金の問題などがありました。その中で、学力向上があまり見えないのでJSLカリキュラム(日本語を母語としない子どもに対し、日本語で学習活動に参加するための力をつけさせること)を導入するといったお話もあり、かなり準備が必要になるJSLをKFCでも取り入れていくべきか、また取り入れることができるのか、検討をしたいと考えています。  9月15日(土)には、こうべ子どもにこにこ会と一緒に「JSLカリキュラム研修会」を開催予定です。子どもの支援者の方にはご参加いただき、JSLカリキュラム導入についてぜひご意見いただきたいと思いますので宜しくお願いいたします。(志岐良子)

◆夏休み子ども勉強会& 高校入試対策講座
 今年も夏休みの宿題をこなすために、夏休みの勉強会を実施します。また中3を対象とした高校入試予想問題に取り組む「高校入試対策講座」も実施します。お知り合いの近隣に住む宿題を見て欲しい、または高校入試予想問題をしてみたいという子どもたちがいらっしゃいましたら、ぜひご紹介ください。(日時は最終ページの今後の予定をご参照ください)


◆KFCハナの会

◆キョンウとチンニョ
 6月に入るとハナの会では7月の七夕の準備を始めます。韓国でも七夕にはキョンウとチンニョが天の川を渡って出会う日であり、日本と同じように笹の枝に人々が願いを書いてつるすという伝説があるそうです。先日は、チマチョゴリを着たお姫様とひこ星様が天の川に囲まれて、だき合う姿の塗り絵をしました。絵を塗る前はいろんな話がハルモニたちの間で飛び交っていましたが、いざクレパスを持たれるといっせいにシーンとなり、集中されます。それぞれの思いをキョンウとチンニョのチマチョゴリに託し、カラフルな絵模様に出来上がっていきました。壁に貼った絵を見上げるハルモニたちの満足げな笑顔がとても素敵でした。
 他の手芸やクラフト、識字、レクリエーションの時もそうなのですが、「目が疲れるわ、手が痛いわ、何でもさせられるんやなあ〜」と言いながら、ほとんどの方が最後まで仕上げられます。職員も気を使いながら、これちょっと難しすぎるかなと思えるものでも、なんのそのしっかり出来上がっているのです。むしろ針使いや小物つくりのポイントを教わるのは私たちのほうです。ハルモニたちの時代は、今は簡単に手に入るものでも手仕事で作り出し、家庭を支えてこられたのだと思います。私の母も色々なことをしていたのを思い出します。子どもの頃は物の少ない中でも節目の祝い行事もしてくれていました。これからは、ハルモニたちのふるさと韓国・朝鮮の歌や踊り、また伝統の技やお話をしてもらい、いっそう元気な生活をしていただきたいと願っています。
 次にはミニ七夕のカレンダーを作り、それぞれ家に持ち帰っていただきました。そして、今月は本物の笹にハルモニたちの願いを短冊につるします。ほとんどの方が「健康でありますように」との願いです。ご高齢になられると身体の諸機能の低下に伴い、日常生活の衰えをご自分で感じていらしゃるのだと思います。お元気そうに見えても自宅に帰られると特に一人暮らしの方は健康状態への不安が大きいことでしょう。そこにまたご家族との関係が複雑になると心まで病んでしまわれることもあります。諸事情を抱えて利用される方に少しでも現状を維持していただくためにハナの会では老化防止へのリハビリ体操を活発に行っています。手足の体力アップ体操、店頭や失禁予防運動、呼吸器官の働きを促したり、口腔機能を保持し回復させるための健口体操、脳の活性化運動、さらに歌や踊り、ゲームなどです。
 何でも楽しむことが好きなハルモニはこれらを遊びに変えて楽しく参加してくださいます。いつも負けそうになる私ですが、ここでまたハルモニたちに励まされます。今後は個別にも対応していけるよう努めたいと思っています。是非ともハルモニたちの七夕をハナの会へ見に来てください。(大西八重子)



秘伝のレシピにチャレンジ!〜ケイパリ(ゴマの葉のキムチ)
 デイサービスハナの会でボランティアをしている朱宗姫さんより秘伝のレシピを教えてもらいます。朱さんはKFCで伊藤由美子さんと日本語の勉強もしています。今回、伊藤さんの協力を得てレシピを日本語でまとめました。夏の食欲のない時におすすめの一品だそうです。  

<材料>   ケイパリ(ごまの葉)500g 赤とうがらし3コ 玉ねぎ1/2コ   にんにく 1玉 しょうが20g  
<調味料> だし汁(昆布)2カップ こい口しょうゆ 1/2カップ   さとう 大さじ3杯  水あめ 大さじ2杯  
<作り方>   
 @ケイパリを水洗いし、水気をよく切り、葉の芯を切り1枚ずつそろえておく。   
 A赤とうがらし・にんにく・しょうが・玉ねぎはみじん切りにしておく。   
 Bボールにだし汁、こい口しょうゆ、さとう、水あめ、赤とうがらし、にんにく、 しょうがを入れよく混ぜる。その中にケイパリをつける。   
 Cケイパリ1〜2枚ずつにBをこすりつけるようにぬり、別のボールに並べていく。   
 D全部のケイパリにBをぬったら上から残りのつけ汁をかけ重しをして、冷蔵庫に入れ、3日置く。   
 Eケイパリを取り出し、つけ汁をなべに移し沸かす。   
 F完全に冷めたら又ケイパリをボールに入れ上からつけ汁をかけ重しをして冷蔵庫に入れ2日置くと食べられる。               
 
 おいしい食べ方   ・豚肉に塩こしょうをして焼き、ケイパリに包んで食べる。    ・ケイパリを1枚ずつ広げてあつあつごはんに載せて食べる。


ボランティア募集  
日本語プロジェクト
 7月から漢字クラスがスタート!支援者募集中!
 日曜日10:30〜12:00に漢字クラスがスタートしました。
 対象は漢字を勉強したい人であれば、大人でも子どもでもかまいません。
 子どもたちは月・火・木に実施している学習支援時間の中では、宿題などもあり漢字を習得する時間を十分に持つことができません。そこでなるべく早く習得してもらいたいとの思いか ら、漢字クラスをスタートすることにしました。
 月1回でもかまいませんので継続的に関わってくださる支援者の方を募集しています。ぜひご協力ください。  

外国人の子どもの学習支援
 月(17〜20:30)・火(19〜20:30)・木(16〜20:30)のうち1時間半〜2時間子どもたちの勉強を サポートしてくださる方を募集しています。現在は、 ベトナム、中国、ペルー、タイにルーツを持つ小・中学生の子どもたち28名が週1〜2回勉強に来ていま  す。  KFCハナの会(デイサービスセンター)  

夏祭りボランティア募集
 8月8日(水)〜10日(金)に開催する夏祭りで写真撮影、在日コリアン高齢者の話し相手など、お手伝いくださるボランティアの方を募集しています。
 また通常の活動でも下記の内容でボランティアを募集しておりますので、お気軽にお問い合わせください。TEL/FAX 078-612-2408  
 ボランティアの内容
 ・ 調理補助(月〜木 10時〜13時半頃)
 ・ 話し相手、レクリエーションの補助(月〜金 9時半〜16時のうち数時間)
 ・ 識字教室補助(金 10時すぎ〜11時すぎ)
 ・ お掃除のお手伝い(月〜金16時〜17時半)  など


■■■ 今後の予定■■■

事務所のお盆休み
 8月13日(月)〜8月15日(水)

日本語研修会・連絡会
 9月8日(土)13:30〜16:00  「みんなの日本語 抜粋して教える!」      
    KFCボランティア有志  於 デイサービスセンターハナの会

ハナの会&オリニソダン交流会  
 7月31日(火)  於 デイサービスセンターハナの会

ハナの会夏祭り
 8月9日(水)〜8月11日(金)         
 於 デイサービスセンターハナの会

■映画会  
 7月24日(火)14:00〜 於 神戸映画資料館

子ども野外交流会
 8月3日(金)10:00〜 於 布引ハーブ園

夏休み子ども勉強会
 7月31日(火)、8月7日(火)、8月21日(火)、 8月28日(火)13:30〜18:00

高校入試対策講座
 7月31日(火)、8月7日(火)、8月21日(火)、 8月28日(火)15:30〜18:00

地域国際化を考える研修会2007  
 8月20日(月)13:00〜16:30  「日本現代史が残した課題」  

 8月22日(水)13:00〜16:30  「地域での取り組み」  

 8月24日(金)13:00〜17:20  「外国人住民の抱える問題@」  

 8月27日(月)10:15〜16:30  「外国人住民の抱える問題A〜教育編」  
 
 8月29日(水)13:00〜17:30  「フィールドワーク(旧神戸移住センター) &意見交換会」