KFC-NEWS  2007.5.17  No.78


■■■新長田にエジプト料理店オープン!■■■ 

2007年3月25日、新長田にできた映画資 料館に併設した形で、エジプト料理店がオープンしました。オーナーシェフはKFCの起業支援セミナーを受講された経験もあり、ホテル勤務、イベントなどでのお菓子販売 の経験もあるエジプト人の方です。

何度かおいしい料理を食べさせていただ いたこともあり、彼女の味なら大丈夫!!と思っていましたが、お店を開くのは初めてで、お店を開くことを決めてからオープンまで20日ほどしかなかったこともあって、不安いっぱいでした。

オープンまでには、お店の賃貸契約、保健所の申請・検査、必要なものをリストアップして調理器具・食器類・調味料などの買出 し、お酒やコーヒーなどの業者とのやりとり、ぼんやりと考えていたメニューをきっ ちりメニューとして価格も設定するなど本当に忙しい日が続きました。サポートして いて、日本語の会話が堪能な方でも読み書きがかなりできなければ手続きやメニュー作りなど難しいことが多いと感じました。

そして、試食会を経て、いざオープン! が、まだまだ従業員を雇う余裕がないとのことで、初日は従業員を雇っていなかったのに、オープン祝いで知り合いの方がたくさん食事に来てくださり、急遽私がウエートレスに。段取りも悪く、お待たせする時間も長かったため、スムーズにお出しできる よう検討をしました。

チーズやハム、クラッカーも手作りのも のを作り、丁寧な料理作りを進める彼女はまさに職人!しかし、経営に関すること、 原価計算や閉店後の会計を閉めることには無頓着!国民性の違いなのか、単に個性なのか。ヤキモキしながら、あっという間に1週間。

オープンしてから2週間後には、レストランや社員食堂などを経営されている企業の方に来ていただき、店構え、メニュー、広 報などについてたくさんのアドバイスをいただき、本当に参考になりました。

オーナーシェフで料理について考え、作 りながら、経営についても考えていくのは本当に大変なこと。多くの外国人の場合、 開業までにほとんどの資金を使い、ランニング資金が不足しがちです。料理の腕と オーナーの人柄が第一条件かと思いますが、経営のノウハウや基本を少しでも頭に入れ ておくといいのではと思いました。

6月には映画資料館でエジプト映画を上映します。人数に応じたパーティやベリーダンス付きのディナーなどご用意できますので、エジプト料理やエジプトについて感心がある方、単においしい料理を召し上がりたい方、ぜひ一度ご利用ください。(志岐良子)


カフェダイニングジーナ

〒653-0036 神戸市長田区腕塚町5丁目5番1-201アスタくにづか1番館北棟2階神戸映画資料館内
TEL/FAX 078-754-8039 http://www.kobe-eiga.net/cafe.htm
営業時間11:00〜21:00(水曜定休日


■■■日本語プロジェクト■■■
◆5月研修会

「初級終了後のレッスンの進め方」

 5月の研修会は実用日本語教育推進協会 の高畑笙子先生をお迎えして「初級終了後のレッスンの進め方」について講義をしていただきました。以下のような内容でした。

・中級の学習に入るには、まず初級チェックをして習熟度を確認する。
・初級の基礎が正確に入っていないと先に進んでも効果が上がらないので復習から始めた方がよい。
・学習者のニーズを知る。学習時間をどれくらい取れるか、宿題をする時間があるか、などを参考にして何を中心に(読解、会話、正しい日本語を話したい等)学習するか目標を定める。・教材の紹介(読み物、会話教材、総復習教材など)
・辞書を積極的に引く習慣をつけるようにする。
・その日に学んだ事がはっきり解るように、これを身につけて帰って欲しいという目的意識をもって授業する。

 これらは学習支援をしていくためには留意していなければいけないことで、講義を受け再度気付かされることがありました。(谷先晴代)

日本語学習支援日記〜KFCメーリングリストより

 みなさん、こんにちは。保育クラスを担当 してます高橋博子です。

 現在水曜日の10時から12時までアスタク エスタ5階の教室を貸切の状態で賑やかに活動しています。保育クラスはその名のと おり乳幼児を連れてやって来る人たちのクラスです。現在は学習者の大人8人に子ど も(1歳半〜4歳)4人です。このうち5人をクラス体制で他の3人をマンツーマンで やっています。

 子どもの年齢からいっても当然ながら機嫌の良いときばかりでなくお母さんが勉強できない日もありますが、子ども達も部屋 の雰囲気にだんだん慣れてきて、おおむね良い状況で進んでいると思います。

 学習者や支援者のその日の出欠状態で子 どもたちは学習支援者がお守りしたり、スタッフの方に手伝ってもらうこともあります。子どもたちは当初心配していたほどのこともなく教室に慣れ、機嫌がいいとブ ロックや積み木で遊べるようになりましたので、母親と同じ気持ちでしばらくの辛抱 だなあと思ったりもしています。

 子どもの面倒をみたり世話をする、「子守 り」なつかしい言葉ですね。

 保育クラスは2005年11月3人の学習者で始まりました。

 そのひとりはまだ母乳を飲んでいる赤 ちゃんを連れての参加でした。3人は数ヶ月前に日本にきた人、10年以上住んでい る人、子どものいる人いない人、英語のわかる人わからない人、母語など違いは多くあ りましたが共通していることは伴侶が日本人で、この日本で生活していることです。彼女たちの希望は日本語を充分に話せるようになることに加えて書くことを勉強したい ということでした。彼女たちのこと、そして今のクラスのことを次に書いてみようと思 います。

2006年度日本語ボランティア養成講座が終了しました!

 金曜日の夜の時間帯に行いましたが、53 名受講の修了証授与者40名で新規にKFCにボランティアの登録をしていただいた方は 10名でした。

 日本語の教え方について6回(斉藤明子講 師)、子どもに対する日本語指導2回(藤戸直美講師、村山勇講師)、多文化社会とボラ ンティアとNPOについて(日比野純一講師)、日本語学習支援の課題と実践(青木直 子講師)と盛り沢山の内容の講座でした。

 ご協力いただきました講師、ボランティ アの方々、どうもありがとうございました。


係に参加してくださる方を募集!!

 日本語プロジェクトの事業は様々な係の方が企画・運営してくださっています。ご協力いただける方は事務所までお問い合わせください。

ボランティア養成講座係
 1〜2回/年、主に初めて日本語支援され る方のための初級講座を開催しています。企画・運営を一緒にしてくださる方の参加 をお待ちしています。(高橋博子、北井照代)
研修会係
 学習支援者のための研修会を毎月第2土 曜日に開いています。企画・運営について、前期、後期単位で話し合い、研修プログラム を編成しています。私たちの活動に役立つ研修にするために一人でも多くの参加をお 待ちしています。(宇野祐子、奥優伽子)
メーリングリスト係
 KFC行事や日本語学習支援講座、講演会などの周知のため、メーリングリストを3回/月程度発行しています。一緒に情報収集 などお手伝いいただける方、ご参加ください。(大道良輝)
ニュース係
 研修会や行事の記事をKFCニュースに載 せるための原稿を作っています。編集会議を奇数月の月末 13:00〜2時間ほど実施しています。興味のある方、参加をされませんか。次回活動日は5月22日(火)13:00〜です。(気賀倭文子、操田誠、谷先晴代)
行事係
 秋祭り、クリスマスなどの行事を行って います。秋祭りは学習者の方の国のお料理を教えてもらって、一緒に食事やゲームを します。興味のある方、いろんなアイデアをお持ちの方はぜひご参加ください。次回活動日は7/14(土)に秋祭りの打ち合 わせをします。秋祭りは10/28(日)に実施予定です。(海谷京子、北尾久江、北井照代)


◆KFCの書棚から
「日本語文型辞典」

 KFC書棚には本当にたくさんの本があります。日本語支援のための本も少なくありません。皆さんはどのように活用されていますか。

日本語ボランティアの一員である筆者が一冊の 辞典を紹介させてもらいます。くろしお出版社の「日本語文型辞典」です。

日本語の辞典といえば国語辞典や類義語辞典が 思い浮かびますが、文型辞典はこれらとは性格が異なります。たとえば、「せっかく」という語が、 「せっかく・・・からには」「せっかく・・・けれども」などの形で使われたとき、それぞれどういう意 味を表すのかを国語辞典や類語辞典をひもといても十分な記述は見つかりません。そんなときに「日 本語文型辞典」が役に立ちます。この辞典は三千項目の表現が収録されていて、中級レベル以上の日 本語学習者に問題となる文型をほとんど網羅しているといえましょう。

サイズはA5版で、厚さ約3.5aです。持ち運び には適していませんが、KFC書棚に置いてありますから利用しない手はありませんよ。(操田誠)


■■■ 外国人の子ども学習支援■■■

◆学習支援に関わって

 2005年4月、私は事業を休止していた兵庫 県労働福祉協議会(県の委託事業)「ひょうご勤労者ボランティアシステム/略称Vネッ ト」の事業再開作業に関わっていました。個人、団体を問わず、一人でも多くのボラン ティア活動への参画と協働を目指す、地域社会作りのため、「何か他人のためにできる ことならやってみたいという活動希望者」と「ちょっと手伝ってほしいという利用希 望者」の開拓と両者のマッチングを進めていました。

 6月KFCを初めて訪問、学習支援ボランティアを必要としているグループとして登録させていただきました。

 自分自身も何かお手伝いできることがあ ればと思っていましたので、7月に姫路の学習支援現場視察などに参加し、8月(夏休 み)から小学生を紹介され、週1回午前10:00〜12:00まで一緒に過ごし始めました。長 い間小学校の教科書から遠ざかっていましたので全てが新鮮でした。その頃を思い出 し新しい出会いに感謝し、未だにみんなの名前もなかなか覚えられないでいるのですが、この1年半に感じたことを述べてみます。

1.最初の印象(男子小学2年生)
 1)えっ?日本人と違うの?
 2)日本語の話上手いなぁ
 3)筆順全然違うけど上手くよく書けるなぁ
 4)おとなしく素直で結構頭いいなぁ

2.6ヶ月たって小学高学年・中学生にも接 して現在まで
 1)皆それぞれに個性があり、各人の性格もよくみないと上手くいかない・・
 2)外国人子弟であることを忘れてしまうほど日常会話のできる人もいる
 3)学校での行動が時々見える(悪さも日本人と同じようにやっているな)
 4)親に言われてKFCに来ている子どもだけではなく積極に参加している人もいる
 5)我を通し反抗し、悪ぶってみせる子どももいる
 6)遅刻や休みの連絡が言葉の問題もあるのか待ちぼうけにあうことがある
 7)KFCは日常生活と違う雰囲気の場として交流を楽しんでいる面がある

 私は、日本の字とアルファベットしか書 くことも読むこともできません。彼らは母語と違う言葉を読んで、書いて、意味を理 解して問題を解かねばなりません。彼らがハンディを負っていることをつい忘れ、自分の子どもに対すると同じように本気になっている自分をおかしく思うことが時々 あります。(現在手伝っている「なかよし学級」でも、生徒と目線の違うことを忘れる 自分の言動をいつも反省しています)ここは塾ではないし、何も学校の勉強の補習が義務づけられているわけでもない。お互い嫌な気持ちを持つことはない訳で、焦ったり、無理強いすることはないと考えています。

 しかし、ここに来ている以上日本語を上 手く話せ、読み、書き、理解できることを期待し、かつ学校でおちこぼれにならないことを最低の目標にしていると思うため、少しは忍の字で真剣に対応することも必要 と思っています。中学生は目的を持って通っているので少しは具体的ですが、時には何を考えているのかわからない人もあり、 来なくなる人もその理由がわからない人もあり少し寂しい気持ちになります。

 KFCで感心させられることに小学低学年の 母親が送り迎えに来所した時、少し不安顔に見えるときがありますが「お願いします」 そして「ありがとうございました」肩にやさしく手をかけ、「さぁ帰ろう」、温かい心 が伝わり、異国の地でこの子を守れるのは私なのだという強い親子の絆を感じます。 子どもは今の生活環境が自分に与えられた環境であり不自由さはあってもそれが当た り前と思っているようで、さほど苦痛でもないように感じます。KFCへの期待と信頼感 が垣間見えます。

 最初出会った小学2年生の平仮名の「ふ」 という字は「まる虫」を4匹書いたように見えました。ああこれは字を書くというより 絵か記号を書く感覚かと思いました。筆順も日本語は左から右、上から下に大体引かれるもので、字の形も筆順を少し意識できればバランスの取れた字が書けるのですが、 (これも日本の常識であって右から左が常識の国も少なくありません)なかなか一度つ いた癖・習慣は直せないもので、習字の時間が少なくなった今日、我々日本人でさえ コンピューターの普及とともに、正しい筆順で形よく書けない人が少なくありません。 (習慣づくかどうかは分かりませんが、KFCにいるのですから・・・日本人より早く書け たりして?)

 低学年と言わず「日本語・ことば」の説明 にはいろんな図鑑などを見ながら説明し、少々脱線して少しでも日本の日常生活に繋 がりがあることをたくさん知ってもらい、日本の生活全体をいろいろ知る機会を多く してあげたいと思っています。


初の高校生誕生!
 4月に、学習支援事業を本格的に初めてから最初の高校生が2人でました。
 1人は残念ながら希望校には入れませんで したが、それぞれ公立高校と私立高校への進学が決まりました。
 そのうち一人のベトナム人の高校生は英語クラブに入り、勉強も頑張っているそうです。理科が難しいので、またKFCで勉強し たいという希望を持っていますが、高校生のフォローまではまだまだ難しいのが現状です。
 2人とも勉強もし、たくさんの友達も作って、3年間頑張って卒業してくれるよう願っています。


◆あの世のヨンガン(だんなさま)

今年に入ってから梅田で劇団四季のマンマミーヤのチケットをひょんなことから入手し見に行きましたが、会場に行くまでのバブル時期のような情景にただただびっくりするだけでした。地下鉄西梅田のヒルトンホテルの周辺は随分様変わりしていて、なんだか「リッチに見える人?」でいっぱいでした。同じ関西だよね?と思いながら、新長田に戻ってくると、変わらず工事ばかりしていて大丸にも普段着で行く人も多く(笑)、人もまばらでホッとしました。
 先日、この新長田で芝居を見ました。約60年前の4.24阪神教育闘争をモチーフにしたものでした。何が良かったって、この芝居の構成が在日コリアンの高校生がタイムスリップして60年前に迷い込み、彼女のおばあちゃんが若かった時を一緒に過ごすという点です。済州島から大阪行きの「日の丸」号に乗り込むシーンがありましたが、それを見ながら私は「あ、Yさん。あ、Hさん」と、ついついハナの会の利用者であるハルモニの若い頃に重ねてみました。勝手な私の想像でしたが、あんなふうに故郷を離れて、あんなふうに新しい土地に行く少しの希望と故郷の家族との別れを悲しんだのだな、と思いました。
 そんなハルモニたちだが、当時の朝鮮で結婚してきて日本に渡って来た人もいれば、日本にいる新郎(になる人)を写真一枚で追っかけた人もいるという。実際会ってみると「写真より不細工で、背が低くてがっかりだった(笑!)」とか、けど、「結婚するしかないからしてもうた。子どもも6人おるわ。ガハハ〜!」とか今では考えられないことばかり。おまけに90歳を過ぎたHさんは、「だんながおれへんから夜が寂しいわ〜。眠られへんねん」「(あの世の)あの人のとこ、はよ行きたいわ。迎えにこーへんかな?」といえば違うハルモニが「あんたのヨンガン(だんなさん)は、若い頃にいってもうたけど、しわくちゃのあんたが行ったら誰か分からへんのちゃうか?」と返され、他の人が「もう、他にコレ(小指をたてて)がおったりして!」などと言ってみんなで大爆笑!なんて愉快なんだろう。
 あるハルモニが話していました。だんなの葬式が終わったあと、財布には数十円しか残ってなくてクラクラした」と。だんなが死んでも子どもを育て食べていくのに必死で悲しんでいるヒマなんて無かったという。そして、私に「あんたにそんなこと、できるか?」と問いかける。私は、即答で「ムリムリ!」「じゃあ、私の言うことを聞きなさい!」と言う。こんな率直なやりとりも大好きだし、なんだか辛いことなのに勇気をもらって嬉しかったりします。こんな日常を過ごしています。(鄭秀珠) 


■■■ 今後の予定■■■

KFC2007年度総会&KFC合同学習会

 6月9日(土)
  13:00〜14:00 「オランダの移民事情」李裕美
  14:00〜15:00 総会
       於 デイサービスセンターハナの会

日本語研修会・連絡会

 6月9日(土)総会(上記参照)

 7月14日(土)13:30〜16:00
 「外国人定住事情」 中村一成(毎日新聞記者)
  於 デイサービスセンターハナの会

KFC事務所お休みのお知らせ

6月23日〜6月25日は研修旅行のため、事務所、 デイサービスセンターともお休みをいただきます。
ご迷惑をおかけしますが、宜しくお願いいたします。