KFC-NEWS  2006.9.17  No.74


■■■リレーエッセイC「私の外国人問題」■■■

 元働いていた会社が国際電話の会社だった関係で色々の国の外国人に接していました。しかし、プライベートな交際はなかったので、外国人の悩みについて考えることがありませんでした。
 ベトナム戦争中、アメリカのベトナム侵略反対、ベトナム人民支援の大きな運動があり、毎日ベトナムで落とされる爆弾が自分の街に落とされたように感じ、街頭で宣伝したり、カンパを集めてへ医薬品を送りました。戦争が終わり、難民が出てきたが、その人たちとは関係を持たず、本国とばかり交流していたため、地元神戸にどれくらいいるかも知りませんでした。
 ところが阪神大震災が起こり、ベトナム人が困っていると聞き、何かお役に立てることがあるのではと南駒栄公園に行ったところ、日本語が不自由なベトナム人が沢山テントで暮らしていました。そこでは言葉が十分伝わらないために色々なトラブルがありました。それでベトナム語が出来る日本人が必要と考え、日本ベトナム友好協会の本部へ通訳の派遣を要請しました。大学が春休みに入っていたことも幸いして続々と駆けつけてくれました。1月から4月までに延べ約100名の方々が来てくれ、私の自宅に泊まりこみ通訳をしてくれました。 最初のうちは広報の震災情報を翻訳して配ったりしていましたが、段々親しくなり、ベトナム人の生活が分かるようになり、色々な相談事を受けるようになります。役所への届け、家主との交渉、住宅の借り入れ、就職の斡旋、近所とのつきあいなどなど、毎日毎日やることはいっぱいでした。そして、仕事をしているわけにはいかなくなり、3月末に会社を退職し、今の仕事に専念することになりベトナム旅行、ベトナム語講座の開講などを進めています。
 この間の活動を通じて思うことは、外国人が日本で暮らすことがまだまだ大変であり、外国人と付き合って思うことは、外国人も日本人と同じであり、腹を割って付き合えば、それぞれの国民性はあるものの日本人となんら変わらず、外国人を毛嫌いする人は、日ごろの付き合いがないからだと思います。日本人が外国人の中に入り込み、外国人も日本人の中に一歩踏み入れれば多文化共生はもっともっと進むと思います。そういう機会をもっともっと作りたいと思います。


■■■「地域国際化を考える研修2006」のご報告 ■■■

今年は8月18日〜8月30日のうちの5日間、開催しました。暑い日が続く中、学校教育関係者や福祉事務所のケースワーカー、日 本語教育に関わる人たちなど合計210名を越える参加者を得ました。18日と28日の内容の一部を簡単にご報告させていただきます。

 初日の8月18日は作家の井出孫六氏の「日本の現代史が残した課題」という演題で始まりました。1930年代後半、農村不況を救うために満蒙開拓計画を推進するうえで、農村からの移民を進めました。彼らは、現地で兵役移民となってしまい、男子は兵役にとられ、敗戦後、婦女が生きていくために子等を残していく羽目になり、それが残留孤児を生むことになったのだという事実をレジメの資料、地図をもとに話されました。
 次に、その残留孤児の一人となられた澤政道氏のお話。自身の過去を、未だ日本語が十分でないということで通訳を通して話されました。生活苦のため中国人に養子に出され、いつしか実父母の居所は分からなくなりました。鬼の日本人の子といじめられ、成績は良いのに進学はかなわず、就職先ではエリートの道は閉ざされていました。子どもにまで危害を加えられることがあったので、残留孤児帰国運動があるのを知り、日本へ戻ったものの、言葉の壁、中国人とみられ賃金での差別、軽蔑視の日々。自分の国籍は日本、中国のどちらにあるのかと悩まれたそうです。話された内容が生々しい経験だっただけに、わたしたちも強く胸をうたれました。
 最後は、韓国籍の「薫弁護士が在日コリアンの歴史について話されました。戦前、日本軍が労働力を補うために、コリアンを強制連行した話から始まりました。そして、彼らに神社崇拝、日本名に改名、朝鮮語の禁止、外国人同化政策を行なったとのこと。最近は戸籍、外国人登録、公権力行使の面で改善の方向に動いていますが、「薫先生は韓国籍であることの影響が少ない弁護士職に進まれたと付け加えられました。
 三人の方々のお話に引き込まれ,まだまだお聴きしたい雰囲気でした。この雰囲気の中で、今までおぼろげに知っていたことを、はっきり教えて頂けたことに満足感をもった夏の午後の4時間でした。 (気賀倭文子)

●参加者のご感想から
・これまで満蒙開拓団の歴史について詳しく学ぶ機会がなかったので、歴史的背景について知ることができてよかったと思う。
・ソ連参戦前後の軍部の証言は貴重だった。
・中国残留孤児が置かれている状況がよくわかりました。
・在日コリアンの問題点(現在未解決の課題)、日本がグローバリズムに徹する覚悟を強く問われていることを指摘されていてよかった。
・私は市役所で外登をしているが全く同じことを日々感じている。ただ行政側にもそういう意識を持っているものもいることを知って欲しい。


8月28日の講演より 「岐阜県可児市での取り組み 〜不就学ゼロをめざして」
 講演者小島祥美さんは、1996年〜2003年まで神戸で外国人支援ボランティア活動に参加され、KFCとのご関係も深い方です。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学後、2003年4月から岐阜県可児市で厚生労働省の事業「多民族文化社会における母子の健康に関する研究」に携わり、2005年4月からは可児市教育委員会・外国人児童生徒コーディネーターを担当されています。
講演は、聴講者に日本の国際化に関するクイズ問題を解かせることから始まりました。多文化社会を考えさせる巧みな導入です。日本全国で国際結婚の比率は18組に1組の割合だそうです。一方、日本においては日本国籍を持たない子どもには就学義務がない、言い換えるとそれら日本居住の子どもたちの教育実態は公的に把握すらされていない現状にあります。 岐阜県可児市は名古屋市のベッドタウンで、ブラジル人を始めとするニューカマーの外国人比率が高く(18%)、その子弟の教育は大きな問題です。小島さんはそこに着眼し、外国人の子どもたちの教育環境を改善したい一心から、可児市市長および当局を動かすことに成功し、2003年から2年間で3回にわたる現地全戸調査活動に自らも入っていきました。活動を始めるに当っては市政の課題として位置づけを行い、調査対象や手法を明文化し、お役所の人事異動があっても活動が継続できるよう配慮しました。その調査結果はきちんと報告書にまとめられています。 可児市教育委員会の事務組織に関する規則の改正も手がけ、外国籍児童生徒の教育に関する項目が条文に盛り込まれました。 可児市では2005年4月からは「外国人児童生徒学習保障事業」が開始され、不就学ゼロに向かっての諸活動を展開しつつあり、4月以降不就学になった子どもは1人も出ていません。
情報公開の基本方針に沿って、同事業の2005年度実践報告書(可児市教育委員会発行)が聴講者全員に配布されたことも特筆されることです。
国としての対策が立ち遅れている中で、お若い児島さんの可児市での先進的な取り組みは、確かな成果を挙げつつあります。(操田誠)

●参加者のご感想から
・行政、地域社会の無理解に対して正しいことの主張、声を上げることの必要性を感じた。
・今でもまだそんなことがあるのと驚きながらも前向きにとりくんでいらっしゃる4名の方々の発表に頭が下がりました。特に可児市の取り組み、言い換えれば小島さんの「今やらなければ」という思いから行動へそして子どもたちの段階をおっての積み上げがとてもうらやましいです。神戸でももっと委員会が行政に関わっていかなければいけませんね。子どもたちが犠牲になってしまいます。すばらしい講師の方たちと出会えてよかったです。有意義な研修会、ありがとうございました。


■■■日本語プロジェクト■■■
支援者紹介
 私がKFCと関わりを持つようになったのは1997年のことだったと思います。当時YWCAの日本語教師養成学科に通っており、「地域の日本語教育」についてのレポートを書くにあたってクラスの友達と鷹取教会の中にあった事務所に金宣吉さんを訪ねました。私達はまず突然やって来たことを叱責されました。今思うと冷や汗がでますが、アポをとってないことなど知らず若い人たちの後ろから無責任にもついて行ったのです。怒られるのも当然です。アポも取らず、KFCのような団体がどういうものか知りたいという人たちが時々やって来るというのです。やって来る方は自分達だけだと思っているかもしれないが、仕事を前ぶれもなく中断されたうえ後々何の利益もないという話だったような気がします。今となってはなんとも苦い思い出となってしまったがこの金さんを訪ねたことがボランティアをするきっかけになったことは否めません。
 震災後KFCに日本語教室ができ学習支援が続く中、学習者の増加でマンツ−マンでは対応できなくなっていました。私がKFCの会員になったのはこのころです。そして新しくクラス授業が始まりました。その講師を1999年4月から1年半勤めて今に至っています。当時のクラスはベトナム人が大半で韓国、中国の人たちがそれに続き、1989年入管法の改正に伴いブラジル、ペルーの人たちが順次増えて、2年前ぐらいからロシアから分裂したウクライナやルーマニアの人たちも勉強にきています。今は乳幼児を持つお母さんのクラスを支援しています。
 新長田のこの日本語教室で多くの外国人と出会い、異文化に直接触れ、感動を共有できるのは大きな魅力でありなによりの喜びです。いながらにして世界の政治経済の変化に気付かされます。スキルアップの勉強も大切ですが、常に相手を仲間として受け入れる気持ちを忘れないでいたいです。
 この1年犬の介護と孫の守が加わったことで私の生活はずいぶん窮屈なものになりました。息子が中1の時友達から貰い受けたジョン(万次郎)は17年4か月のシェルティー。白内障緑内障に耳も遠く足も不自由。オムツをしていますが意識はしっかりしています。小心ですが飼い主の気持ちをよく察する賢い犬です。散歩中二度も大きな犬に噛まれ重傷を負いましたが一度も人も犬も噛むことなく一生を終えそうです。孫の大輔は間もなく1歳。ジョンのしっぽをつかみたくてしかたがない。ジョンと大輔が並んで寝ているのを見ているとなんとも妙な気分になります。共通点はオムツをしていることですがジョンと大輔の未来はちがいます。大輔の夢は果てしなく大きい。がジョンはかつて若かったころ、地を這うようにして走ったあの雄姿を老いた頭で夢みるだけです。これから成長していく子どもと間もなく生を終えようとしているジョンは我が家の世代交代の近いことを暗示しているように思える昨今です。 (高橋博子)


◆日本語ボランティア・ ステップアップ講座を終えて
  入門講座における受講者の反応は、「日本語ってそんな言葉だったのか、へえ、ほおー」。日本語を初めて教える人の素朴な感想でした。そこから一歩進んで、この講座はすでに教え始めている人が対象です。自分の教え方がこれでいいのかと何かもやもやしたものを抱えている人、何かもっといい教え方のヒントが得られるのではないかと期待してきた人、様々です。
 講座では『みんなの日本語U』をベースに、授業のやり方について基本の確認をしました。学習者のニーズの違いをテキストにどのように反映させるのか。話す力を伸ばすためにはどのような態度が必要か。学習者が理解し、練習し、自分の言いたいことを言えるまでのステップは、等等。
 これらの元にあるのは、どのように考えどのように対処すればいいのか「考え判断する力をつける」ということです。
 授業中にも模擬授業の際にも、実際に皆さんが持っている疑問、質問が当然湧き出てきて活発な議論が交わされました。感じた問題を共有して話し合ううちに新しいアイディアも浮かび、自分のやり方でよかったのだと安心でき、じゃあ、自分の失敗談も話してしまおう、とどんどん話題が深まっていきました。いわば入門講座のアフターケアのような状況を呈しました。
 「日本人だから日本語ぐらい教えられる」いいえ、違います。「プロでなきゃきちんと教えられない」これも違います。考えるスキルを手に入れた方ならどなたでも学習者に喜ばれる授業ができる、ということを実感できた講座でした。 (斎藤明子)


◆日本語ボランティア・ ステップアップ講座を受講して

 「みんなの日本語U」を使った日本語ボランティアステップアップ講座が、新緑の季節5月27日土曜日に始まり、8回の講座を終え7月15日に閉講しました。 数年前に「みんなの日本語T」を同講座で受講したこともあって、久しぶりの斉藤先生の授業を楽しみにしていました。 毎回の2時間半は、明快なテンポのいい授業であっという間に過ぎました。 授業は課に沿って進められ、日本語文法の使い方、そして皆の模擬実習を通して、反省点・問題点を考えながら、学習者に分かり易い効果的な学習をする為の教え方のポイントも学びました。日本語の難しさを実感しながら、支援する者として、日頃から見聞きする日本語に敏感になり、言葉の感覚を身に付ける事も大切だと改めて思いました。 何より大事なことは学習者の立場に立って、学習者の日本語を学ぶ目的・生活・ニーズに合った支援です。 ボランティアとして日本語支援の中で、どの様に学習を進めたらいいのか悩み迷うこ とも多いですが、学習者に役立つ支援を心掛けるべく、講座で得たことを少しでも実践していければと思っています。  (山村久美子)


■■■ 外国人の子ども学習支援■■■
夏休み子ども日本語教室
 KFCで子どもたちの学習支援活動を始めて、2度目の夏休みがやってきました。今年の夏休みは、春休みに引き続き、日本語支援が必要な子どもたちを集めて日本語教室を行いました。
 参加したのは小中学生計8人でした。春休みの日本語教室は、普段KFCへ来ている子どもたちだけを対象に行ったのですが、今回は他の団体へも声を掛け、新しい子どもたちも通うようになりました。教室は1週間に3日で、普段木曜日に行っている学習支援活動も合わせると、子どもたちがKFCへ通うのは1週間に4日というハードスケジュールでしたが、半数は休むことなく全ての日に出席をしていました。
 勉強の内容は、事前に日本語力を見極めた上で、支援者とスタッフで計画を立てましたが、何と言っても夏休み!その宿題を完成させることを一番の目標に掲げ、宿題が終わった後は個々の弱点を無くすための目標を立てて学習しました。子どもたちのほとんどが国語や算数のプリントの宿題があったのですが、どれも子どもたちには理解が難しく、レベルがバラバラだったために、支援者1人に対して子どもが1〜3人という小グループで勉強を進めていきました。 初めてKFCに来た子どもがいたり、来日して数週間という子どももいたりして、最初は何かとお互いに恥ずかしがっていましたが、すばらしい適応力で1ヶ月も経たないうちに仲良くなりました。中には勉強が始まる30分近く前にKFCへ来て、「みんな遅いなぁ〜」と仲間に会うのを楽しみにしてやってくる子どももいました。勉強の合い間には休憩時間をもうけて、みんなでお菓子を食べたりジュースを飲んだりしていたのですが、食べ終わらないうちに狭い事務所の中を走り回ったりして、先生たちがハラハラすることもどんどん多くなっていきました。また、さすがに毎日勉強勉強で疲れてしまい、日によっては全く集中できず、勉強らしい勉強もしないまま時間だけが経ってしまった日もありました。しかし、何とか子どもたちを励まし、時には一緒に遊び、目標の宿題完成を達成することができました。漢字や算数の文章題など、わからないからやりたくない勉強を毎日毎日して、嫌だという子どももいました。しかし、最後までサボらずに通い続けた子どもたちは、本当に頑張ったと思います。
1ヶ月ちょっとという短い期間だったので、この日本語教室が子どもたちにどれほどの成果をもたらしたのか、今はまだわかりません。しかし、2学期の授業が始まり、子どもたちの中の「わかった!」という気持ちが少しでも増えていれば、一緒に頑張った甲斐があったなぁと嬉しく思います。また、新しい友達に出会えたこと、難しい勉強を頑張って続けたことが、子どもたちのなかで1つの夏の思い出として少しでも心に残ってくれれば嬉しいです。 (濱野徳子)

学習支援に関わって
 昨年9月からKFCで当時6年生でベトナム人男子の学習支援を開始、現在中学1年生で丁度丸1年になります。 定年退職後ライフワークとして世界各国留学生、社会人、研修生等を対象に日本語学習支援で充実した日々でした。遠い昔、青春時代、家庭教師で培った経験を生かして主に国語、算数の宿題、ドリル、復習等、音読を重視した学習が中心でした。  中学生になると途端に一段と難しくなり特に国語は難解な漢字(音訓)の読み書きに加え古典、漢文、文法等、多岐に亙るため読解力を伸ばす論理的思考力や表現力を向上させる事が今後の最重点課題です。  向学心向上の一助として学習者が興味を抱く事柄(例:童話集、文庫本、バスケット、陸上等)で振り仮名付きの図書を貸与します。
 最初の頃は(1)大幅遅刻(2)無断欠席(3)やや積極性に欠ける等が目立ちましたが最近は遅刻も殆どなく学習日には必ず漢字(熟語)や事柄の意味に質問等やる気が顕著となりました。特に難しい教科の問題が解けた時に褒めると大変喜び又、今度も正解を得ようと意欲が湧くらしいです。今迄不得意な科目も成績が上がれば面白くなり一生懸命努力するから得意科目となります。
 夏休みは宿題に追われ全般的学習支援となりましたが、2学期からは不得意科目の国語を重点的に支援し得意科目に転じたいと思います。(相馬政雄)

◆送別会&交流会
 残念ながら夏休みに引っ越してしまう子どもがいたのもあって、8月10日に交流会を開催しました。
 少し勉強をした後、みんなでデイサービスセンターハナの会に行き、輪投げなどをして遊びました。 その後、支援者の方の手作りチーズケーキなどのおかしやジュースを頂きました。
 普段の学習支援の時間だけでは子どもたち同士が話をしたりする時間もあまりとれないので、たまにはこういう時間を設けて、勉強の時とは違う顔を見ることができればいいなと思いました。


■■■ハナの会■■■
ハナの会を訪問して
去る8月5日、韓国から来た青年20名と在日コリアン青年13名でハナの会を訪問させていただきました。 今回の訪問は、在日コリアン青年連合(KEY)兵庫地方協議会と韓国青年連合会(KYC)の天安支部、清州支部との姉妹提携事業のプログラム「在日コリアンを知るフィールドワーク」の一環として実現したことです。韓国の青年たちに、在日コリアン1世のハルモニ、ハラボジたちの「歴史」を知ってほしい、そして、今を生きる力強さを見てほしいとの思いがこの企画を生みました。
 暑い日ざしが照りつける中、デイサービスセンターを訪れた私たちを暖かく迎えてくださったKFCのみなさん、そして、暑さにも負けず、マイペースで素敵なハルモニ、ハラボジたち!! たくさんのご馳走が並べられ、いざ食べようという瞬間を迎えたとき、「わたしらは食べてきたから、若い人らがたくさん食べなさい」と、ハルモニ特有の「食べなさい」攻撃が始まりました。あらゆるところから「たくさん食べなさい」という声が聞こえます。食事をしながらハングルと日本語が入り混じり、多様な人たちが世代を超えて交流するというここでしか味わうことができない経験はとても貴重で、歴史を肌で感じた時間でもありました。 だんだんみんなの声も大きくなって、ちょっと収拾がつかなくなってきた!そんなとき、韓国の青年からの提案で、ハルモニ、ハラボジたちの自己紹介がはじまりました。ハルモニ、ハラボジたちが「母語」である「朝鮮語」を使い、それを違和感なく受け入れられる空間が、ハルモニ、ハラボジたちにとってどれほど心休まるところであるのかということを考えさせられます。幼いころに単身で海を渡ってきたハルモニ、兵士として戦地へ赴いたハラボジ。「苦労したよ」と微笑みながら私たちに語る「歴史」をどう引き受けていくのかを突きつけられました。
 韓国から来た青年たちは、その多くが日本に来ることも初めてで、慣れない暑さに体力を奪われながらもハナの会訪問で多くのことを得たようです。なぜハルモニ、ハラボジたちが日本に来たのかというその歴史的な経緯を知るのはもちろん、「今」を生きる力強さを体感した一日になりました。ハナの会で出会ったのは、本で読むような「日本で差別されながら辛い日々を過ごすかわいそうな在日コリアン」ではなく、誰かがノレを歌うとマイクを横取りして歌いだ したり、自己紹介中にケンカを始めてしまったり、誰かが歌っていてもそ知らぬふりをしていたり・・・そんな「いつもの」 ハルモニ、ハラボジだったからです。 また来いよ!!何度も何度もそういって 一人ひとりの手を握っていたハルモニとの約束を、私たちはいろんな形で守っていきたいと思います。(金知子)


日産ラーニング第9期奨学生
  はじめまして。今年6月から日産自動車NPOラーニング奨学金制度第9期生としてKFCでお世話になっている関西大学法学部法律学科3回生の市川万耶と申します。
  なぜ、私がこの日産自動車の制度に応募し、ここKFCでインターンシップ活動をさせていただこうと思ったかというと、いま大学で法律の勉強はもちろん、教職の免許取得にむけての講義も受講しており、将来、学校の教師になる道をも考慮しているため、来年行う教育実習前に良い経験になるであろうと考えたためです。また、実際、教師になった際に、普通に教員になったひとが知ることのできない、しかし、とても大切なことを勉強させてもらえ、身をもって知ることができると思ったからです。また、昔から子どもが大好きなことや、外国の文化にふれたり、外国語に興味をもっていたことにより、この制度の募集要項を見た瞬間に、私にぴったりだと思ったからです。 実際この2,3ヶ月お世話になり、とてもたくさんのことを子どもたちをはじめKFCに携わるみなさんから勉強させていただき、とても充実したインターンシップ活動を経験させていただき感謝の気持ちでいっぱいです。まだまだわからないことだらけではありますが、私なりに試行錯誤を続け、来年2月までお世話になります。よろしくお願いいたします。(市川万耶)

「イスラム文化を知ろう 〜子どもの教育を中心に」
8月5日(土)10:00から新枝ジーナさんに上記のテーマでお話いただきました。新枝さんはエジプトより17年前に来日し、現在2人のお子さんがいらっしゃいます。また子ども多文化共生サポーターや今年始まった学校でのアラビア語の母語教室の講師を務めておられます。

「エジプトの教育制度は、小学校6年、中学校3年、高校3年、大学4年(医師、エンジニアなどは5〜7年)とほぼ日本と同じです。基本的には大学までは教育費はかかりませんが、全員が大学に入れる訳ではありません。最近ではあまり勉強ができない子どもたちも大学に入学できるように、授業料を払えば入学できる大学もあります。 エジプトは6〜7割がイスラム教徒で、小学校では週1〜2回イスラム教、キリスト教などに分かれて宗教の勉強があります。イスラム教ではコーランの勉強もします。 子ども多文化共生サポーターとして感じたことは、担当している子どもの学校には月数回しか行けず、サポーターのいる数日以外は自分で頑張っているのにたまに来てえらそうにされる、と子どもたちは最初は感じたようで、信頼を得るまでに時間がかかりました。また、イスラム教では断食があるため体育に参加するのが難しかったり、青白い顔をして保健室にいる子どもがいたり、お祈りのため遅刻してきたり、肌を見せることが許されていないためプールに入りたいのに入れない子どもなどを見ていると、保護者の理解ももう少し必要ではないかと思っています。           イスラム教というと、戦争というあまりよくないイメージもあり気になることもありますが、自分の子どもは他人を傷つけないで 育って欲しいです。」

 ジーナさんのお話を伺って、宗教はすごく難しい問題ですが、子どもたちに関わる人たちが子どもたちのことをよく考えて、折り合えるところを探していくことがとても大事ではないかと感じました。


■■■ 今後の予定■■■

日本語研修会・連絡会
 10月14日(土)13:30〜16:00
 「補助教材を作ろう@-補助教材とは」      
    於 デイサービスセンターハナの会  
 11月11日(土)13:30〜16:00
 「在日ブラジル人事情」  松原マリナ(関西ブラジル人コミュニティ代表)
    於 デイサービスセンターハナの会

日本語秋まつり
 10月29日(日)12:00〜 於 デイサービスセンターハナの会