■■■リレーエッセイB 「私の外国人問題」■■■
幼い頃自分の住んでいる路地の世界は、皆「チョーセンジン」であり、その狭い世界の中ではこの社会のなかの多数者が日本人であることに全く気づきませんでした。
少し大きくなると子どもでも自分たち(在日)と日本人の間に壁があることを感じます。子どもの目でもわかったことは、在日社会の抱える貧しさでした。
「チョーセンジン」の路地を一歩出ると豊かになってきた日本人の子どもたちと自分たちの違いが見えました。
学校では、なぜ日本人と「チョーセンジン」に差があるのか。自分たちがなぜ日本に生まれ住んでいるのかは教えてくれませんでした。
そんな中で多くの在日の子どもは、自分の出自を恥じ隠すようにして生きていました。
その「貧しさ」は、物の貧しさよりも厳しく感じられました。
大人になるにつれ、「外国人」であることによる「生きづらさ」を感じるようになります。
そんな生きづらい世の中を変えようとする人たちの力が弱いこともわかりました。日本社会に蔓延する「無知」、「無関心」、「諦め」にどっぷり浸かって、「自分を守る」ことを「自立」と勘違いして大きくなっていきました。
学校を出て就職する年に、日本の国籍がないという理由で神戸市の採用試験さえ受けられないという経験をしました。次の世代にはそんな思いをさせたくないなと「ご飯が食べられる」ようになってから子どもたちがいる施設のボランティアをはじめたのが、今の活動の原点になります。
不思議なものですが、その頃一番不真面目なボランティアと言われていた自分が、今まで「外国人問題」に取り組んでいます。
一昔前、「外国人問題」に取り組んでいた市民運動に関わる人たちの多くは、「進歩的」と呼ばれる人たちでした。 「進歩的」と呼ばれる日本人たちからよく、「私(俺)って日本人にみられないの・・・」とか「ほんと日本(人)は駄目なんだよね・・・」というたぐいの言葉を聞きました。
それからいままで何度も「進歩的」な人たちから同じような話を聞かされてきました。
そんな人の多くは、世界で最も便利な日本国のパスポートを持ち日本国家の保護を受けて海外に行くことが大好きな外国好きの人でした。
またそんな人たちと付き合うことが大好きな「リベラル」な在日の多くが、本当は普通の在日が嫌いだということもわかりました。
不真面目でチャランポランな自分でも当事者として考え、行動していかなければならないのではないかと考えました。
生活から縁遠いと考えていた「人権」とは「共生」とは何かを考えていく中で、アメリカの黒人たちが進めてきた公民権運動からいろんなことを学んだように思います。
足を踏まれているものが、まず「足を踏まれている」自覚をもつこと、そして「踏んでいる足をどけなさい」と言う勇気を持ちつづけることの大切さです。
「外国人問題」に取り組む人が少なかった昔から比べると、「多文化共生」という言葉が認知され「外国人問題」に取り組む人が増えている今は隔世の感があります。「共生」を自然に求め活動する人が増えていることはとてもよいことだと思います。
しかし、そんな時代だからこそ天邪鬼な自分は、「多文化共生」と語られる言葉の意味について気をつけて考えるようにしています。
多くの「外国人」が日本に住むようになって「外国人問題」に注意が向けられるようになりましたが、お互いの関係性を深く考えることはどちらかといえば避けられます。
かつて「外国人の子ども」だった自分は、外国人の子どもたちが違いを考え、他者といい関係が作れるよう「自立」してほしいと思います。
私にとって「外国人問題」とは、「日本人」と「外国人」、人と人との関係性の問題です。
驕らず諦めず「外国人問題」に取り組んでいければと思います。
(金宣吉)
■■■2006年度 総会報告■■■
去る6月10日(土)13:00より総会が行われました。出席者は、正会員数27名のうち18名(うち委任状出席11名)、賛助会員6名で、定款を満たし成立しました。
まず、理事長より2005年度の事業報告と収支報告が行われた後、監査報告が行われました。次に、役員改選、2006年度事業計画、収支計画についての説明があり、全ての議案が承認されました。
総会終了後は懇親会が行われ、普段、顔をあわす機会の少ない会員の方とスタッフの交流の場が持てました。会員からはKFCへの期待もお伺いすることができました。
今年度は介護保険制度改正に伴い、より財政状況が厳しくなりますが、利用者の方たちのニーズにできる限り応えられるようスタッフ一同スキルアップに努めたいと思います。
またニーズの増加に伴い、今年も様々な分野で多くの支援者の方にご協力を頂かなくてはなりません。今年度も何卒ご支援・ご協力の程、宜しくお願い申し上げます。
■■■「地域国際化を考える研修2006」開催のご案内 ■■■
今年で6回目を迎える「地域国際化を考える研修会」を8月18日から8月30日のうち5日間、兵庫県国際交流協会、兵庫県と共催で実施します。(詳細は別添チラシをご参照下さい)
今年の総論は「日本現代史が残した課題」というテーマで、中国帰国者の聞き取り調査を実施し、送り出しの経緯から帰国までをまとめられた「終わりなき旅」という本で大仏次郎賞を受賞された井出孫六さんにお越し頂きます。
最近では、ドミニカ共和国へ移民として行かれた方々が訴訟を起こされて、国の移民奨励のずさんさが浮き彫りになっています。中国帰国者も全国各地で訴訟を起こされていますが、送り出しの実態はどうだったのか。それが、一体どういう結果を招いたのか。中国帰国者当事者の方からもお話を伺います。
その後は「在日コリアンの歴史と変遷」、「ベトナム(難民)の受け入れ〜アジア福祉教育財団の歩み」、「日系南米人の形成〜南米移住の歴史と日系南米人受け入れ政策について」、「在留資格〜法律家から見た問題」、「外国人住民の抱える問題@〜各コミュニティからの現状報告」「外国人住民の抱える問題A〜教育編」、「兵庫県内のGO(行政)とNGOの取り組み」等をテーマに多彩な講師陣が続きますので、ぜひご参加下さい。
■■■大きな声で歌ってスッキリ?!■■■
5月から福祉学級という講座の一環として朝鮮民謡教室が始まりました。デイサービスハナの会で、ハルモニ(おばあちゃん)たちが歌う歌を一緒に歌いたいというスタッフの思いからこの教室を開催することになりました。
民謡を好んで歌うのは80代から90代のハルモニたちです。あるハルモニはミシンを踏みながらいつも歌を歌っていたと教えてくれました。
先生は在日コリアン2世で、ご自身もハルモニやオモニ(お母さん)と歌を歌って大きくなったとおっしゃっていました。
先生と生徒5〜7人ほどのアットホームな授業?で、チャンゴでチャンダン(リズムのようなもの)をとりながらの先生のお手本の後、少しずつ区切って練習します。生徒みんなで歌うのはもちろんですが、1〜2人で歌ったりもします。始めは戸惑いもしましたが、二度目のクラスからは堂々と大声が出るようになりました。大人になってから、大声で歌うなんてあまりなかったことですが、歌ってみると、「しお〜なだ!」(=スッキリ!)と言った気分です。
みなさんがよくご存知の「アリラン」にもたくさんの種類があります。何度も大きな声でそのアリランを歌うと音程や人の目など気にならなくなって「歌うこと」を楽しむことができます。最初は「ハルモニと一緒に歌えたら」と思って始めたものも、今では「自分もスカッとしたい」という気持ちもあってこの時間を楽しみにしています。
関心のある方、お問い合わせください!
■■■コミュニケーション・ サポーター養成研修開催報告■■■
昨年度より要望書を提出してきた「コミュニケーション・サポーター派遣制度」を神戸市介護保険課と連携して実施する運びとなりました。
この制度は、介護保険利用開始時や介護保険認定更新時などに言葉や文字、文化の違いなどから制度が理解できず困っている在日コリアン高齢者のためにサポーターを派遣する制度です。
制度実施の一環として、7月8日(土)10:20〜12:00にデイサービスセンターハナの会のスペースを使ってサポーター養成研修を実施しました。
登録してもらうサポーターに介護保険制度に関する知識を習得してもらい、申請者の介護保険制度の理解と介護サービスの適切な利用の促進が図られるようにと、神戸市の介護保険課のスタッフに出向いてもらい、説明を受ける形式で開催しました。
参加者(コミュニケーション・サポーター登録希望者)は21名でした。
■■■「神戸の外国人の足跡を訪ねて〜コリアン編」
長田のまちをフィールドワーク■■■
7月1日(土)10時にデイサービスセンターに集合し、12時まで長田のまちをフィールドワークしました。
参加者はスタッフ、ボランティアなど14名。講師に尹達世さんをお招きして、まず長田のまちと在日コリアンについて20分程度、お話頂いてから出発しました。
あいにくの雨でしたが、フィールドワーク場所が歩いて行くには遠かったため、車2台に分乗しての移動となりました。
コースは、ケミカルシューズ産業会館→朝鮮市場跡地→西神戸朝鮮初級学校→大韓キリスト教神戸教会→神戸電鉄朝鮮人労働者モニュメント→天道教神戸教会→ケミカルシューズ発祥の碑建設予定地→朝鮮総連西神戸支部→民団西神戸支部でした。
1926年に開始された神戸電鉄工事には多いときで朝鮮人1800名が従事し、無理な突貫工事のため事故が相次ぎ、13名が死亡、全員が朝鮮人でした。その亡くなられた方のお名前が刻まれたモニュメントのある会下山に行きました。看板はあるものの周りは雑草で覆われ、ひっそりと建っていました。
次に天道教神戸教会に行きました。天道教は韓国固有の宗教で、韓国ではソウルの本部をはじめ、9カ所の修道院と131の教区を持っています。信者は約百万人で、日本では神戸が海外で唯一の教区で信者は約20名ほどだそうです。信者の中にはデイサービスセンターハナの会を利用するハルモニ達もいます。
車中でも昔の状況について色々とお話を伺ったり、女性が多かった車の方は、ここのパンがおいしい、ここはまんじゅうがおいしい、と食べ物の話でも盛り上がりました。
今回、長田を見て回ったことで、ハルモニ達の生活の一部を垣間見ることができたように思います。
※次回は8月5日(土)10:00〜12:00 「イスラム文化を知ろう!〜子どもの教育を中心に」で、エジプトの教育制度やご自身の子育て、子ども多文化共生サポーターの経験を新枝ジーナさんよりお話いただきます。
※この講座はスタッフ・ボランティア・会員の方を対象とした講座です。
■■■日本語プロジェクト■■■
◆ザンさんとの日本語の勉強
平成17年1月29日にコーディネーターから連絡が来て、2月9日に初めて、グェン・フィ・ザンさんにお会いしました。
その頃、まだKFCはPIAZZAビルの2階にあり、ザンさんのお連れ合いのニュンさんが、隣でベトナム語を教えている間に、横のスタッフの席をお借りして、日本語支援をすることになりました。実際の支援未体験の私は、かなり緊張したのを覚えています。
毎週水曜19〜20時半。土日は友達と会うこともせずに、準備をしていました。しかし、実際支援をしてみると、相手は人間ですから、こちらの思い通りにいくことばかりではありません。そのかわり、ザンさんに助けてもらうこともしばしばありました。それで、『日本語支援て、力を抜いて、“お互い様”でいいんだ』と思えるようになり、準備も程々に、その場その場でザンさんと一緒に勉強していくという形になりました。
5月から漢字の勉強を始めました。最初は、漢字が苦手だったザンさんも10月から大学の研究室に通うのと、2月には大学院入試があるのとで、どんどん漢字を覚えていきました。しばらくすると、私よりも漢字を書くのが上手になり、「ザンさん上手になりましたね」と言うと、「私はWRITE(書く)ではなくて、DRAW(描く)です」と言って笑っていました。
12月頃から、ザンさんの大学院入試の過去問のお手伝いをするようになりました。しかし、大学院の問題は、専門的過ぎて、かなり大変でした。
試験前の平成18年1月20日で一端日本語支援はお休みに。2月8日ザンさんは入試。結果の連絡がなかなか来ず、やはりダメか…と思っていたところに、合格の知らせ!!
3月13日からまた日本語支援を再開しました。4月から大学院に通うので、会話の勉強も始めましたが、6月11日頃ザンさんのところに赤ちゃんが生まれ、今、日本語の勉強はお休み中です。ザンさん、いい夫、いいお父さんになって、また会える日を楽しみにしています。
(古山良美)
◆交流会「日本文化を知ろう〜柏餅を食べて、新聞紙でかぶとを作ろう」
5月14日(日)の午後1時からデイサービスセンターハナの会で、「日本文化を知ろう〜柏餅を食べて、新聞紙でかぶとを作ろう」というキャッチ・フレーズで交流会を行いました。
恒例のお花見、秋祭り、クリスマス会とは違って飛び入りの計画でしたので、学習者への宣伝不足もあり、出席者は学習者より支援者が上回り、総勢11人でした。
行事係の友人で茶道をやっていられる方が協力を申し出て下さいました。その先生はご自宅から、数個の茶器、茶筅、茶匙、茶瓶などをお持ち下さいました。その上、先生は会場で和服に着替えられ、お茶席らしい雰囲気が流れたのでした。お茶菓子は五月の節句につきものの柏餅を用意しました。緑のお茶の粉を茶匙で茶器に、それに湯を注ぎ、先生が武の茶筅で前後に巧みにかき混ぜられると、緑の粉はきれいに溶けて、表面に小さい泡が立ちます。それをベトナム、ブラジルからの学習者が感動したように眺めていました。
出席者は床に座り、柏餅はお皿に盛られ、回ってきます。お皿に添えられた竹箸で懐紙という紙の上に各自とり、頂きました。次にお茶が運ばれてきました。先生に教えられた通りに、両手で茶器を持ち、右へ三回まわし、そのあと口へ。飲み終わりましたら左へ三回まわすのです。こわそうにトライしてみる学習者。「お茶を頂戴いたします」というお茶席でのせりふも恥ずかしそうに口にしました。
その後、袱紗が紹介されました。腰に挟むところから始まり、袱紗さばきも一人一人手をとって教えていただきました。学習者にとっては始めての経験のようでした。
また、新聞紙のかぶとは折り方を教えながら子どもの頃の思い出にふける支援者達。学習者も折り方をすぐ覚えて被ってはうれしそうな表情。いくつか作って持ち帰りました。
今日の支援者達の感想には昔やった茶道を思い出したということがありました。このひとときが引き金となって、日本の文化に改めて目を向けて、学習者に日本行事、文化をもっと紹介しようという気持ちになって頂ければこの計画に副産物もあったのではないでしょうか。 (気賀倭文子)
◆5月研修会のご報告 「中国帰国者への日本語学習支援の
体験から」
13日に神戸中国帰国者日本語ボランティア協会教務主任の長陽子氏をお迎えして首題についてお話を伺いました。
1987年当時神戸市や明石市に住んでいた中国帰国者の日本語を覚えたいという要望に応えるために同協会が設立されました。
現在西区学園西町と明石小コミセンに教室があります。
学習者は戦前中国に渡り、戦後様々な事情で長い間帰国できなかった人とその家族。最近では日本人と結婚した人とその子ども。留学生とその配偶者。神戸外大の語学教師とその家族などが学んでいます。教室は月・水・金の午後開かれ、参加回数は自由です。学習形態は1対1または小グループで行われています。
テキストは「みんなの日本語T・U」を使用し、独自に次のような補助教材などを作成されたそうです。
「やってみよう!日本語ボランティア」※ 「ひらがな・カタカナ」※
「動詞・形容詞の活用表やリストのカード」
「各課の要点」※ 「各課のファイル」 「おもしろネタ集・こんなに話せるよ」※
※印はKFCに寄贈して頂いたので、ご覧下さい。
今回のお話から日本語支援をするグループの共通の課題を知ることができました。また、よりよい支援をするためにKFCの活動の参考にしたいこともありました。
(清水政子)
◆7月研修会のご報告 「日本語文法(受け身・使役・敬語)」
梅雨独特の曇り空の8日(土)午後「日本語ボランティアステップアップ講座」に参加する形で研修会を行いました。
「先生は学生に本を読ませました。」→使役、「恋人からの手紙を母に読まれました。」→受身、「社長はその雑誌を読まれました。」→敬語、の分類はわかるものの、さてどうやって学習者に学んでもらえばいいか?
講座を受けてやはり一筋縄ではいかない複雑な意味の分類と形があることを勉強しました。うわぁ!大変!でも学習者にとっては使い切れない文法学習をするよりは日常生活で役立つ表現を取り上げて教え過ぎないという先生からのメッセージに少し安心しました。
とはいえ私達を悩ませるこれらの文法。こんな質問をされたらどう答えますか?
問い@ どんな時に敬語を使いますか。 (講座では3つ挙げてもらいました)
問いA 「休ませていただけませんか。」 (使役動詞て形+いただけませんか)
はよく使われる大切な表現です。
では「帰らさせていただけませんか。」は
文法的に正しいでしょうか。
問いB 「重要書類をコピーされました。(受身)」
「重要書類をコピーしてもらいました。 (動詞のて形+もらう)」の2つの文。
同じ行為をしていますが何が違うんでし
ょうか。 (答え省略) (奥優伽子)
■■■
外国人の子ども学習支援■■■
◆高校入試ガイダンス開催
7月6日(木)19:00よりKFCの学習支援に通う中学生と保護者などを対象に垂水中学校の韓裕治先生にお越し頂いて、「高校入試ガイダンス」を実施しました。
参加者は、ベトナム人の中学生8名、保護者2名と支援者・通訳・スタッフなど14名の計24名でした。
韓先生からは、
・公立高校と私立高校の概略(受験日、入 学費用および授業料、専願と併願など)
・公立高校の入試(一般、推薦、特色選抜、
複数志願選抜、定時制についてなど)
・奨学金 などのお話がありました。
一般入試の配点は、当日の試験の点数が5割、通知表の点数が5割になります。通知表の点数は5教科が4倍、それ以外の科目は7.5倍され、5教科以外の科目もとても大切です。5教科は3以上に、5教科以外の科目はワークをきっちり提出する、大きな声で歌う、授業態度を真面目にする、などで少しでも上げることが大事だということでした。
2年以上学年を落としている中学生については、ほとんどの私立高校の受験資格がないため、公立高校を受験するしかありません。しかし公立高校に入学できるのは、長田周辺だと学校の50%ぐらいだとのことで、外国人の入試特別枠がない兵庫県では、渡日して数年の中学生にはとても壁が高くなっています。韓先生は私立高校に年齢制限を撤廃するよう働きかけをされていますが、まだ時間がかかりそうだとのことでした。
外国人の子どもなのだからとりあえず私立か、高校に行けなくてもしょうがないと学校の先生はあきらめがちだそうです。早めにそれぞれの学校の先生に「公立高校に入りたい」というような自分の意志を伝えておくことが重要だそうです。
子どもたちだけでなく、保護者や支援者の方にも大変参考になるお話でした。子どもたちはいつもの勉強の時以上に先生のお話を熱心に聞いていました。
KFCに通う中学生の中にも学年を2年落としている子どもがいます。今後、その子ども達が高校進学できる道が拓けるよう協力していかなければと思いました。
また、事前に子どもたちに将来のことを聞いたところ、「中学校の先生になりたい」「マンガが好きだから漫画家」など色々な夢を聞くことができました。子どもたちが夢を実現できるよう、高校に進学もでき、そしてそこから先の夢も叶えられるような社会に変えていかなければならないと感じました。 (志岐良子)
■■■ハナの会■■■
◆ボランティアとして過ごすハナの会での一日
ハナの会で週1回のボランティアを始めて3ヶ月になります。私はまず、日本語はすでに堪能なのですが向学心の旺盛なKさんと日本語の勉強をします。日本語能力検定試験の問題集を使い、回答を採点し、間違えた箇所について解説します。例えば、「変える」と「替える」や、「優しい」と「易しい」との違いについて説明します。また、Kさんが日々書き綴った日記を読ませてもらい、そこに書かれてある相撲のこと、ご家族のことや朝鮮半島の政治情勢等々についておしゃべりをしたり、思い出話を聞かせてもらったりしています。その後、利用者の方たち全員が行う体操とレクリエーションに参加します。思い思いに身体を動かしながら、ときに辛らつな冗談が飛び交ったり、利用者の方々同士のちょっとした思いやりが垣間見られたりと、笑いが絶えない時間です。そして12時近くになると、昼食を並べ、全員でいただきます。ナムル、スープ、チヂミ等々毎回バリエーションに富んだ、ピリッと唐辛子のきいた手の込んだ食事です。食事が終わると、おしゃべりをしながら後片付けをし、利用者の方たちとコーヒーを頂きます。午後はカラオケや作品づくりをして過ごされるそうです。残念ながら、午後から仕事のある私は午後の活動には参加せずに、ハナの会を後にします。
日本で生まれ育ち、日本語を母語として生活している(いわゆる「日本人」の)私がハナの会を知ったのは、活動を紹介した日経新聞の記事を目にしたことがきっかけです。私はこれまで、年金、医療や保育・介護サービスなどの社会保障制度について、ジェンダー(社会的につくられた性別)の視点から研究をしています。社会保障制度は、一見すべての「国民」あるいは「住民」に中立に機能するように見えますが、暗黙裡に女性が排除されたり、女性と男性の間に格差が生じるような仕組みをも内包しています。そうした問題点について日本や他国の制度を比較しながら検討し、問題提起をしています。もちろん、日本の社会保障制度において、女性だけでなく、パートやアルバイトで働く人、住居をもたない路上生活者、性的少数者、そして、在日韓国朝鮮人や外国籍の人々など、社会的な少数者の多くが不利な立場におかれているのが現状です。KFCが刊行した書籍(在日マイノリティスタディーズV
『在日マイノリティ高齢者の生活権〜主として在日コリアン高齢者の実態から考える』2005年)の「在日コリアン女性高齢者の生活−「KFCハナの会」聞き取り調査(2003,神戸)より−」という論文の中で、在日韓国朝鮮人の高齢女性たちが、女であるがために、あるいは貧困のために勉強の機会を逃したことによって満足な識字教育を受けられずに現在に至っても困難を抱えていること、在日韓国朝鮮人であることから日本の社会保障制度から排除されていることなど、複合的な差別を受けた存在であることを学びました。おひとりおひとりにとってそのような経験は、語りたくない、あるいは語ることはできない経験かもしれません。しかしながら、そうした経験は、今を生きている私たちが、在日韓国朝鮮人も含め、現在も存在している社会的少数者への差別を考える上で、重要な問題提起を含んだものであると考えます。わずかな時間ですがボランティアを通じて、ハナの会に参加されているおひとりおひとりが経験されてきたこと、現在の生活、これからの生活について語られることから、上述のような問題について考えていきたいと思っています。(田宮遊子)
■■■ 今後の予定■■■
■スタッフ・ボランティア・会員対象講座
8月5日(土)10:00〜12:00
「イスラム文化を知ろう! 〜子どもの教育を中心に」
新枝ジーナ
於 デイサービスセンターハナの会
■日本語研修会・連絡会
9月9日(土)13:30〜16:00
「外国人の法的地位の変遷」 金宣吉(KFC理事長)
於 デイサービスセンターハナの会
■地域国際化を考える研修会2006
8月18日(金)、8月23日(水)、8月26日(土)、8月28日(月)、8月30日(水)
■ハンメたちとのビアパーティ
8月5日(土) 於 デイサービスセンターハナの会
■事務所お盆休み 8月12日(土)〜8月15日(火)