■■■リレーエッセイA「私の外国人問題」■■■
中学校一年の時、入学して初めて親友になった友人が、たまたま在日韓国人でした。私は当時、日本において「在日コリアンであるということ」が差別の対象となりうるのだということを何となく知っている程度でした。私達は同じ高校に進学しました。卒業を間近に控えた高校三年の時、彼女は自分が韓国人であること、これからは本名を名乗っていくことを皆の前ではじめて伝える決意をしました。彼女のその「宣言」のために、同級生全員が集まり、ホームルームの時間が使われた「特別な時間」でした。その「特別さ」は、そもそもなぜ、彼女は「自分の本名をわざわざ宣言」しなければならなかったのか?ということを私に考えさせるきっかけとなりました。
その後大学に進学してから、私はあることがきっかけで「自尊感情」というものについて考える機会がありました。普段は意識せずとも人は誰でもありのままの自分を好きでいたい(嫌いになりたくはない)という思いをもち、それは希望をもって生きるための基礎でもあり、疎外されてはならない当然の自己主張なのだということを、「自分のこと」として痛切に知る事になりました。そんな私が、日本語が話せないというだけで、日本人と異なる文化的背景をもっているというだけで、そうとは知らず日本の学校文化の中で不当な劣等感を背負わされているニューカマーの子どもたちの問題を、卒業研究のテーマに選んだのは必然だったのかもしれません。私は、テーマに選んだ「外国人問題」を通して次から次に垣間見える社会の不条理について、前述の中学で出会った在日韓国人の親友と深夜まで何度も電話で話をしました。この時初めて、私は在日コリアンの問題と再び出会いなおすと同時に、本当の意味で「私の外国人問題」に直面したのかもしれません。
それ以来、私にとっての外国人問題とはまずもって、「外国人であるというだけで、当事者の自尊感情を不当に低める社会構造の問題」です。どんなに過酷な状況におかれても、子どもたちはありのままの自分を認めて欲しいと願い、人とつながりたいという思いをもっています。そんな子どもたちの力に励まされ、すべての子どもたちが、夢を描きその実現のために努力できる環境づくりに、これからもあきらめ悪く取り組んでいきたいと思っています。
(理事 野崎志帆)
■■■日本語プロジェクト■■■
◆日本語学習支援者座談会
10月8日(土)にデイサービスセンターハナの会にて日本語学習支援者の方たちの座談会を行いました。支援する上で、みなさんどんな悩みを抱えているのでしょうか。
X: 今日は日本語ボランティア活動(個人レッスン)における苦心談などをお話ください。
K: 学習者が日本語を勉強する目的が、最初は私には判らなくて戸惑いますね。日本語検定試験に合格したいのか、それとも日本語コミュニケーション能力を向上させたいのか。
C、U:最初に学習者ごとにそのニーズ分析をし、記録しておくことが望まれますね。他団体には、その記録のための定型シートがあると聞きます。KFCにはありませんね。
A: 私の学習者(男性)の使う日本語は神戸の下町言葉です。職場で標準語も使えるようになるのが目標です。しかし、気をつけて話すというように本人の意識を変えさせなければならないと思うのですが、その点が難しいです。
−無断欠席もお国柄?−
X: 話は変わりますが、学習者が約束の時間に来なかったような経験はありますか。
C: 私は2度あります。
K: 私はありません。事前に電話連絡を貰ったことは3度あります。
A: 1時間遅れで携帯メールで欠席通知を受けたことが1度あります。
U: 私もありません。事前に連絡を貰ったことは何度かあります。
C: 出身国によっては、日本語個人レッスンを無断欠席しても問題意識を持たない人もいます。約束を守ることに厳しい日本文化を伝えることはもちろんしなければなりませんが、日本のやり方を押し付けるだけでなく、相手側の文化を理解して接していくことも必要ですよね。
X: 雨が降ってきたからという理由で欠席したという話を聞きました。この学習者の国は道路事情が悪くて雨が降ったら危険なので外出はしないものなのだそうです。
−支援する立場として− X: もう一つ別の話ですが、次回の日程を確認する電話をしたところ「当日忘れるかもしれないからKFCへ来たらまた電話してください」と言われ、その人の支援はできないと支援者が思ったという例があります。
U: 私も破局に至った苦い経験があります。学習者と一緒にあるイベント(市内で)に参加することにし、詳細はEメールを貰う約束をしたにもかかわらず、実際には一切連絡が来なかったのが原因です。次の個人レッスンの場で、家族の健康問題が発生してイベントに行けなくなったのだとの言い訳を私は苦々しく聞きました。ではEメールをなぜくれなかったのかと聞くと学習者のインターネット環境が壊れたからだと言います。最後に、私の電話番号を持っているではないかと言うと私の名刺を失くしたと言います。私は学習者が不誠実であると感じて支援を辞める旨発言して解散しました。
K: これらは文化の違いに起因するんでしょうか、、。
−では日本語支援って−
X: では、個人レッスンで工夫されているこ
となどありますか。
C: 同音異義語を面白く導入しています。スイッチの「つまみ」の説明時にビールの「おつまみ」も取り上げます。季節ごとに「節句」「丑の日」などスーパーのチラシを見せながら日本文化を伝えています。
A: 学習者に興味を抱かせることは何より大切ですね。私の学習者はビデオの話題を好みます。未習語に対する気配りよりも、興味ある話題を提供することの方が重要かもしれませんね。
C: 私が個人レッスンをして良かったと思うのは、日本語の学習を通して学習者の国の文化を知ることが出来たときです。次回の座談会では、そういう前向きの話題を取り上げたいですね。
(記録:操田誠)
◆イギリスからのお便り
3月までグループレッスンの講師をして下さっていた大場さんがご結婚され、今はイギリスで日本語を教えていらっしゃいます。その様子を少し教えていただきました。
ロンドン、バーミンガムに続く、イギリス第三の都市、ブリストル。ロンドンから西へ西へ車で3時間。すぐ向こうには、ウェールズが見える。そのブリストルへ移り住んで、早4ヶ月。10月に入って、急に気温が下がり、厳しい冬の訪れを感じるようになった。
生活にも何とか慣れ、プライベートで日本語も教え始めた。ロンドンのような大都市に比べて、やはり日本語の需要は少なく、「ここで日本語教師ができるのか」と不安だったが、地道にインターネットや近くのお店に宣伝し、今3人の生徒さんと楽しく日本語を勉強している。居合の講師、旅行で日本語を使いたい、アニメが好きと目的は様々だが、日本に対する憧れや思い入れは皆共通してとても強い。これからも、日本語を通じてもっと色んな人と出会い、イギリス生活を楽しみたい。
2005年10月25日ブリストルより。 (大場麻美)
大場さんのブログ: 「イギリス生活ウォッチング」
http://blog.livedoor.jp/ukwatching
◆秋祭りのご報告
今年の秋祭りは10月30日(日)にデイサービスセンターハナの会で行われました。ここ数年は鷹取教会で開いていたので、ここでの秋祭りは初めてでした。
秋祭りの趣旨は、例年通り、みんなで料理して、食べて、しゃべって遊んで親睦をということでした。
今年は37人が参加し、学習者は自国の自慢料理を紹介しようと意欲的でした。中には当日は来られないので、事前に作ってくれたブラジル人の学習者-彼女たちは小豆のようなブラジルの豆をブラジル製のソーセージとで煮込んだスープをごはんにかけるフェジョアーダという料理を作ってくれました。やはり又、フィリピン人の学習者は前日の雨の中を材料を買いに行って、当日、学習者である小学生の子どもと一緒に豚ミンチに干しぶどう、チーズ、人参などをいれて蒸したフィリピンのソーセージを作ってくれました。ベトナム料理のグループはうまく包むこつを話し合いながら揚げ春巻きをたくさん、たくさん作ってくれました。学習者である中国人の中学生は、父親を連れてきて冷麺を、インド人の男性は食後のインドのチャイを作ってくれました。
一方、支援者側はうどんを作りましたが、この時は学習者についてきた幼い子ども達が目を輝かせて参加。ボールの中で小麦粉をこねたり、それをビニールの袋にいれてこしを出すのに、足で踏んでこしを出し、のし棒で伸ばすのに幼い力を貸してくれました。うどんは数カ国の人の合作となりました。
お腹が一杯になったあと、韓国語を学んでいるグループが「アリラン」の歌を披露、他のシルバーグループの女性が賛助出演してくれました。
次は参加者全員で伝言ゲーム。これはベトナム語、中国語、韓国語、日本語の短文を聞いた通り、次の人に伝えるゲームでした。
そして最後はビンゴゲーム。今回は幼い参加者達が輪投げをしていれた数字がビンゴの数となるやり方で全員が湧きました。
はじめて参加した支援者はこのような場で他の支援者に会い、経験など話し合えてよかったと言っていました。学習者達の感想はいろいろな国の料理を食べられたことが嬉しかったということでした。
(ニュース係 気賀倭文子)
◆研修会より(2005.9.10)
私達が支援するときには日本らしい名前の方が言いやすく覚えやすいので深く考えないで気軽に使ってしまいがちですが、呼ばれる方の気持ちとしては、、?
今回は身近すぎてか敢えて触れられない在日コリアンの問題について当事者の立場から申点粉(シンチョンブン)さん(兵庫県在日外国人保護者の会代表)を講師としてお招きし、お話を伺いました。
申点粉さんは7人兄弟の末っ子、日本名は12歳で日本の中学校へ行くことになった時にお姉さんが考えました。
「可愛らしい名前だなあと思いました。でもその裏には本当の名前は言わないようにという暗黙の認識がありました。日本社会で生きていくには選択肢のない時代でした。就職時、民族名の履歴書では面接もしてくれませんが日本名ではすぐ採用になりました。結婚し二児の母親になりました。不自然なんですが、自然なこととして日本名で生活していました。
2000年代、子どもの時代には就職も本名で支障はなかったようです。今、私達は本名です。本名で、と言い出したのは子どもです。4年生の担任の先生と出会い、勧められ、励まされ、私とも何度も話し合い、子どもが決めました。同時に私も可愛らしい名前を辞めました。
在日コリアン、それぞれ事情があり考え方があります。通名、本名、帰化など家族、親戚、同胞を巻き込む話になったりします。在日コリアンは感性も日本人に限りなく近いです。娘は成人式の時、チマチョゴリ(コリアン女性の正装)も着ましたが振袖も着ました。私に似てとても綺麗!在日コリアンは朝鮮と日本と両方の文化を身につけています。お互い信頼し合い共に生きていけます。
法的には義務はありますが権利はないことが多いです。法的にも心理的にも人としての権利を民族・国籍に関係なく考えてほしいと思います。」
おすすめビデオ紹介
申点粉さんもご出演されている国際理解教育のビデオ教材「在日外国人問題の原点を考えるシリーズ」がKFCにあります。
ご興味のある方は、KFC事務局までお問い合わせ下さい。
シリーズ 在日外国人問題の原点を考える
@歴史編 「ハルモニたちは踊る 〜在日一世が歩んだ道」
B現状編 「オモニの想い 〜在日コリアンの戦後、そして今」
※申点粉さん出演
A展望編 「出会い 〜在日コリアン三世と日本の若者たち」
■■■KFCハナの会■■■
◆「在日マイノリティスタディーズV〜在日マイノリティの生活権」出版記念シンポジウム
「在日コリアンの歴史と課題を世代で紡ぐつどい」開催
9月23日に出版記念シンポジウム「在日コリアンの歴史と課題を世代で紡ぐつどい」を開催しました。参加者はハルモニ(おばあちゃん)7名、ハラボジ(おじいちゃん)1名を含む39名でした。
最初は緊張していたハルモニたちも話し始めるとすぐに緊張が解け、いつもの調子で話をされていました。シンポジウム終了後の交流会では、ハルモニ達に負けじと、二世、三世、日本人の参加者達も次々に韓国民謡を披露し、大いに盛り上がりました。
●シンポジウムに参加して
KFCより新しく出版された「在日マイノリティ高齢者の生活権」を記念してデイサービスセンターにてシンポジウムが行われました。このシンポジウムは、ハルモニの今までの人生の聞き取り調査をもとに本を作成されたということで、「ハルモニたちのいろいろな話を生で聞く」というものでした。当日5名のハルモニが前にでて、司会者の金永子さんの進行で色々な話を聞くことができました。
「子どもの時にした遊びは、何ですか?」の質問に「クネ(ブランコ)」や「歌をよく歌った」という回答。「もう昔すぎて忘れてしもうた。(笑い)」「遊ぶ時間なんかなかった。家の仕事をずーっとせなあかんかった。」など。
「一番きつかったことはなんですか?」との質問に、話しながら涙声になっていくハルモニ。大変な思いをしながら過ごしてきた幼いころ、若かったころ、子どもを産んだころ、だんなさんを亡くしたころ、いろんな時期を思い出して言葉にならないのだと思います。そうすると、「もうしゃべられへん!」投げるようにマイクを机の上に置いてしまいました。
そして、シンポジウムが一旦終了し、準備したむし豚肉とキムチ、チャプチェなどの朝鮮の食べ物を食べたあと、「いつも」の歌と踊りの時間になりました。そうすると、先ほど涙ぐんでいたハルモニもマイクの取り合いです。そしてミリャンアリラン(蜜陽アリラン・朝鮮の民謡)を歌い、鮮やかに踊りだしました。とっても元気でいらっしゃいます。そんな姿を見て本当にいい場所だなあ、と思いました。そして、ハルモニたちもハナの会のことを「楽しい。今はこれが楽しみじゃ」と言ってくださいました。そんなところで働いていることを心の底から誇りに思います。
シンポジウムでは、若い人々からハルモニまでいろんな世代が集まり、楽しい時間を過ごすことができました。
私は、普段「ハナの会」では、食事を担当していますが、ハルモニたちから「今日のおかず、美味しかったよ〜」と一言いわれると、その言葉が私の栄養になり、また明日は、また喜んでもらえるような料理を作ろうという気持ちになります。(韓容子)
ハナの会では、 下記を募集しています!
★ ボランティアの方!
平日(月曜〜金曜)の10時から17時までのうち、空いている時間にボランティアとしていらっしゃいませんか?
ボランティア内容は、ハルモニたちと一緒に過ごすレクレーションや入浴介助・調理の補助、送迎の同行です!
是非いらしゃってください!
★ おうちで使っていないものを分けてください!
・ 手芸道具(毛糸やししゅうに使うもの・フェルト・ビーズなど)→レクレーションで使います!
・ 固形石鹸 →お風呂で使います!
・ タオル・ふきん・いらなくなった布など
・ 色鉛筆・クレヨン→新品でなくて結構です!
※ そのほか、レクレーションで使うことができそうなものがあれば、ハナの会(078-612-2408)まで、お問い合わせください!
■■■ 今後の予定■■■
■日本語ボランティア養成講座(初級コース)
11月19日(土)〜12月17日(土)毎週土曜日
13:30〜16:00
於 新長田勤労市民センター別館ピフレホール(予定)
■クリスマス会
12月16日(金)18:30〜20:30
於 デイサービスセンターハナの会
■KFC外国人児童を見守る人たちの交流会
11月27日(日)14:00〜17:00 於 デイサービスセンターハナの会
■外国人の親子学習教室
毎週木曜日16時〜21時
■ベトナム難民の「今」、30年を迎えて
11月26日(土)13:15〜16:45
於 センタープラザ西館6階
■年末大掃除大会&忘年会
12月28日15:00〜20:00
■年末年始のお休み
12月29日〜1月3日