前のページに戻る

KFC-NEWS  2005.5.17  No.66


■■■ベトナム戦争終結30周年を考える■■■

1975年4月30日、南ベトナム政府の 大統領官邸へ戦車が突入し、解放戦線兵士が階段を駆け上がり、解放戦線の旗を屋上に 高々と掲げる様子がテレビ画面に映し出されました。あれから30年。当時私はベトナム 反戦運動に一生懸命でした。独立と自由を願うベトナム人に対し、75万人もの兵力を送 り込んでベトナムを焼き尽くし、殺しつくし、環境を破壊し続けるアメリカ政府のジェノサ イド、バイオサイド、エコサイド政策を一日も早く辞めさせたいとの思いからでした。デ モや集会を開いたり、カンパを集めて医薬品をベトナムへ送ったり、アメリカ領事館へ抗 議に行ったりと色々なことをやりました。最初は資本主義陣営と社会主義陣営との対立と 見られていたこの戦争もアメリカのあまりにもひどいやり方に日本の大多数の世論もベト ナム反戦に傾いていました。フランスでもイギリスでもイタリアでもアメリカでも大きな デモが繰り広げられ、世界中の世論がベトナム反戦、ベトナム人民支援に塗り替えられる といった事態でした。「アリが象に勝った」という表現にふさわしく、世界一の強大な軍事 力を誇るアメリカが「自由と独立ほど尊いものはない」と立ち上がったベトナム人民に敗 北したのでした。これでベトナムに平和がよみがえり、民生も安定するものと世界中の 人々は期待しました。

 しかし、その後、戦争による大きな後遺症、 天災、それにカンボジア問題と中越戦争が勃発し、ベトナムが世界からの経済封鎖など 色々の問題が発生した上に、社会主義化を急ぐあまり、経済政策の誤りなどがあって、ベ トナム経済は瀕死の事態に陥りました。そうした中で南ベトナム政権を支持していた人々 の国外脱出に続いて、75、76年12万人、77年5万人、78年15万人と難民の脱出 が続き、79年2月に中越戦争が勃発して、中国系住民の脱出が増え、79年39万人、 80年16万人、81年10万人と続きます。88年には6万人、89年には8万人と 75年から95年までの間に約150万にも及ぶ人々が国外に脱出しました。脱出した 人々の理由は、社会主義を嫌う人、前政権の経歴で差別されることに我慢ができない人、 経済的に困窮し見通しが立たなくなった人、現政権の施策に希望が持てなくなった人、家 族が海外に行ってしまった人、カンボジアへ戦争に行くのが嫌な人、特に理由がないが周 囲の人に誘われた人‥‥と様々でした。

一方、現政権は86年これまでの政策を修正し、ドイモイ(刷新)政策を打ち出し、市 場経済の導入、全方位外交を中心に大改革に乗り出しました。そして、近年では年7〜8 %の経済成長を続け、ほとんどすべての国々と国交を持つようになり、アセアン(東南ア ジア諸国連合)の中核としての地位を占めるに至っています。そして、昨年政治局は海外 に在住するベトナム人との協調政策を打ち出し、過去を問わず、大団結しようと呼びかけ ました。他国との紛争に武力を用いず、話し合いで解決するという日本も批准している東 南アジア友好協力条約の下に、平和を享受しながら経済の発展に一歩一歩前進して行くこ とが期待されます。農産物や地下資源と人的資源が豊富なために長い間外国の侵略や支配 に悩まされ続けたベトナムはいまようやく安心して、祖国の建設にまい進することが出来 るようになったといえます。

 30年を振り返るとき、一番に思うことは アメリカが民族自決権の尊重という大義を教訓として引き出すことができないまま、いま またアフガニスタンやイラクで同じ誤りを犯しているということです。勝っても負けても 戦争は多くの国民を犠牲にします。その国のことはその国の国民に任せ、他国が介入すべ きでないこと。そして、紛争の解決は力ではなく、あくまで平和的に、話し合いで解決す る。日本国憲法の精神が大切ではないでしょうか。また、ベトナムについては民主主義の 徹底が大切です。ドイモイでかなりの改革がされていますが、さらに一層の改革が求めら れています。「国民こそ主人公」の精神で、世界中の模範となるような国になってほしいと 願わずにはいられません。

 神戸に在住するベトナム人は先に述べたよ うな経過の中でベトナムを出国してきた人々で、「難民法」にもとづいて日本人と同等に扱 われることになっています。しかし、安住の地を求めて日本に辿り着いたものの外国人排 除の気風が強い日本で生活することは大変です。ことばの問題に始まって、住宅、仕事、医 療、教育、老後など問題が山積しています。私たちは同じ市民としてこれらの人々が日本人 と同等の権利を持ち、義務も果たすことが出来るよう支援して行きたいと思います。

中村 通宏(副理事長)


■■■コミュニケーションサポーター制度(仮称)実現に向けた要望交渉■■■

 前回のニュースでも掲載しましたが、 外国人や聴覚障害者などのマイノリティ高齢者が介護保険などを利用する際の困難を克服する ため、通訳(母語、手話)などのサポートをするコミュニケーションサポーターの派遣制 度実現を求める要望書を3月に提出し、神戸市との要望交渉を4月27日に行いました。
 要望交渉の中で、NGOベトナムinKOBEや関 西ブラジル人コミュニティのスタッフがまず介護保険についてちゃんと知る必要があると いう話になり、介護保険課に事業説明会を開いてもらうことになりました。
 5月26日(木)18:00から、デイサービスセ ンターハナの会にて行いますので、ご興味ある方はぜひご参加下さい。


■■■日本語プロジェクト■■■
◆個人レッスン支援者インタビュー
 個人レッスンをしているベトナム人のファ ム ティ ミィ ウェンさんにお話を伺いました。(聞き手 KFCニュース係 気賀倭文子)

−日本へいつ来ましたか?

ウェン 2002年7月、ベトナムのホーチミン から来ました。夫が日本に来ていました。ベトナムで結婚式を挙げてから来ました。親類 のニュンさんと一緒に来たので不安はなかったですが、日本語は少しも話せませんでした。

−KFCの日本語教室について。

ウェン おばさんの友人がKFCを勧めてくれ ました。日本語を早くしゃべれるようになりたかったので、グループレッスンとマンツー マンの両方をやりました。久保さん、福田さん、渡辺さん、植野さん、三宅さんに習いま した。今は山本さんと勉強しています。どの先生も優しく楽しく、言葉の他に色々な事を 教えてくださいました。おかげで日本語が随分上手になりました。KFCの日本語教室については不満はありませ ん。秋祭りでは揚げ春巻きを作ったりしました。

−日本での生活について。

ウェン おじさん、おばさん、夫、いとこと 一緒に住んでいます。一年以上靴の製造の仕事をしています。関西弁で言われると分から ず、早口で話されると困ります。忙しいときは残業もあり9時頃迄働くこともあります。 KFCへ来る日は遅れないように、休まないようにしています。日本語が上手になって、郵便局、病院、役所へ一人で行けるようになりた いです。日本の食物はにぎり寿司が好きです。ベトナムのカレー、フォーも好きです。作り たいのですが時間がなかなかありません。先月ベトナムへ帰り両親や知り合いに久し振り に会って楽しみました。でも日本へ戻るのは嫌になりませんでした。

−これからの目的。

ウェン 私はベトナムで洋裁をやって店も 持っていました。服を色々縫ってボタンホールも時間はかかるけど手でやっていました。 できれば日本でも服を縫いたいです。結婚式の服を縫いたいと思っています。

○インタビュアーより

 ウェンさんは背が高くスタイルも良く大き い目と長い髪が印象に残る美人です。一寸シャイで控えめで、自分でもやさしい性格と 言っていますが、授業の後いつも片付けを自然体で手伝ってくれます。仕事を終えてから の勉強は疲れているでしょうが、一生懸命聞いてしっかりノートをとっている姿は教える 者に喜びを与えてくれると、支援者は口を揃えて言っています。


◆個人レッスン支援者インタビュー
 今回は、マンツーマンで支援を行っている、 藤田瑠美さんにお聞きしました。(聞き手 KFCニュース係 宗圓由佳)

−藤田さんは、現在、どんな方を支援されてい るんですか?

藤田 韓国から来られた女性、李永蘭さんの 支援です。昨年7月にスタートしました。

−授業はどんな風に進めているのですか?

藤田 彼女の日本語は上級レベルで、日本に ついてもよく知っているんです。ですから、決まった教材は使わず、新聞や雑誌などを読ん で、ディスカッションというかたちですね。その合間に、よく使う表現などをピックアップ し、ホワイトボードに書いて説明をしています。

−面白そうですね。記事はどんなものを?

藤田 著名人のコラムや投稿記事、詩などで すね。クロスワード・パズルをすることもあります。彼女も私も、人間の生き方に興味がある ので、そんな内容の記事を選ぶことが多いです。また李永蘭さんからは、時事問題をやりた いというリクエストがあるので、今、考えているところです。

−李永蘭さんの日本語レベルはかなり高いよ うですね。授業の進め方で、戸惑うことなどはありませんでしたか?

藤田 そうですね。これほど上級レベルの方 を教えるのは初めてでしたので、手探りしながらという感じでした。

−ほかに授業で取り組んでいることはありま すか?

藤田 "超〜"などといった、口語で使う言葉 も取り上げています。言葉が生きているということを感じてもらえればと思っているんで す。

レベルアップ目指して資格取得

−藤田さんは、日本語教育の経験が長いとお 聞きしています。

藤田 10年以上前に、ある国際交流団体で、日 本語を教えたのが最初です。でも、やっているうちに、「日本語が話せるだけではダメなんだ な」と思いはじめて。そこで通信講座を利用して勉強し、日本語教師の資格を取得しました。

−すごいですね。そもそも藤田さんが、日本語 教師を目指したきっかけは、何だったんでしょうか?

藤田 我が家にホームステイとして、留学生 を受け入れたのが、ひとつのきっかけです。家で"国際交流"するうちに、言葉の大切さを感 じるようになりました。

−なるほど。それでは、ほかの支援者へのメッ セージを聞かせてください。

藤田 学習者のみなさんと接するなかで、改 めて日本について気づくことって多いですよね。日本語の良さや日本人の考え方、生活など …。日本語を媒介として、異なる考え方や視点を学んでいくことが、支援の楽しいところで はと思います。

◆お知らせ   
 日本語P ティーパーティー  7月31日(日)13時半〜 
デイサービスセンター「ハナの会」にて
 KFC関係者の有無を問わずご参加ください。参加費なし!ティーとお菓子無料!
盛り上げるため?の催し物・者募集、突然参加歓迎!

◆グループレッスン 
 日本語グループレッスンの学習者の定員が空いています。学習者大募集中!

◆外国人の子どもの学習支援のボランティアの研修会開催
 下記の日程で行いますので、ボランティアご希望の方はご参加下さい。詳細はチラシをご覧ください。
・6月23日(木)18:40〜20:10
 「はじめに」
 野崎志帆(KFC理事)
 「外国人の子どもの状況」    
リリアン・テルミ・ハタノ(甲南女子大学多文化共生学科助教授)
・6月30日(木)18:40〜20:10
 「子どもの心理」 大澤智子(兵庫県こころのケアセンター)
・7月7日(木)18:00〜20:00 「学習支援のポイント〜教え方の秘訣、役立つ参考資料の紹介など」
村山勇(こうべにこにこ会、本山第2小学校国際教室)
「KFCで活動していただくにあたって」 KFCスタッフ
・7月2日(土)現場見学(予定)

◆図書の閲覧・貸出を始めます。
以前から日本語に関する書籍の貸出を支援者の方にはさせていただいていましたが、日本 語に関する書籍以外も貸出・閲覧させていただくことが可能になりました。
図書の貸出には図書カードが必要になりますので、スタッフにお申し付け下さい。

[ご利用頂ける方]  
 当センター会員及び兵庫県内の外国人・学校教育関係者

[貸出期間・冊数]  
 1名様あたり図書3冊を2週間借りることができます。(原則として継続貸出は出来ません)

[利用手続き]  
 貸出には、「図書貸出カード」が必要となり ます。「図書貸出カード」は、身分証明証(学生証、免許証、保険証等)をご持参いただけれ ば、その場で発行します。会員以外の方からは、保証金として1000円/回お預かりさせ ていただきます。

[貸出方法]  
 貸出を希望する図書と「図書貸出カード」と 共にスタッフまでお持ちください。
 なお、「禁帯出」のシールが貼ってある図書 は貸出できません。閲覧のみのご利用となりますのでご了承ください。
その他貸出についての詳細や図書一覧につきましてはKFCのホームページをご覧下さ い。(http://www.social-b.net/kfc)
*今、本を借りていらっしゃる方は、書棚に直 接返さずに一旦事務局にご返却下さい。
*本の寄贈も受付中です。
 また図書一覧はこうしたら見やすいのでは? とか、こんな本があったらいいのでは?といったご意見をどしどしお寄せ下さい。


■■■KFCハナの会■■■
◆ハナの会に通っています
4月12日にデイサービスに通って来られる金善伊ハルモニにお話を伺いました。(聞き手 KFCニュース係 操田誠)

−今日は前触れも無くインタビューを申し入 れたにもかかわらず、快くお引き受け頂きありがとうございます。最初にお名前などをお 聞かせください。

金善伊 金善伊(キム・ソニ)といいます。 1919年生まれ。出身地は韓国・慶尚北道・テグです。20歳のときに日本に来ました。

−私(インタビュアー)は実は1984年から 1987年まで4年間、韓国・慶尚北道・ポハンで生活していたんですよ。同じ慶尚北道とは 偶然ですね。なんだかお懐かしいという感じです。

金善伊 まあ、そうでしたか。私はテグへは 最近3年間毎年帰っています。有名な達城公園のすぐ近くに家があるんです。

−ところで、日本での最近の暮らしぶりはど のようですか。

金善伊 忙しくしています。週3回は医者通 いです。先日事故で骨折して、まだ完全には復帰できていないんです。マッサージ・温熱 療法・点滴を受け、週1回は診察を受けるので時間がかかります。日曜日は教会へ行きま す。そして、ここ(ハナの会)へは週2回通っています。

−(インタビュアーの独り言)86歳とは思えな いお元気さだ。

−ここ(ハナの会)へは歩いていらっしゃるん ですか。

金善伊 いいえ。ハナの会のスタッフの方に 車で送り迎えしてもらっています。ハナの会へ行く日はね、とても楽しみで、朝6時に起き て迎えの車が来てくれるのを鶴首して待ちます。 私はこの地区で何しろ60年以上も生活して きていますから、この地区のお仲間は全部存じ上げているんです。ですから、ハナの会は とても大切な場です。ハナの会には医療の先生もいらっしゃって安心です。そして、なに より良いのは、ここにはお仲間が多いことです。全部友達です。

−ハナの会に改善するべき点はありませんか。

金善伊 ありませんね。先生方やスタッフの 皆さんに感謝しています。

◆在日コリアンのハンメ(おばあちゃん)たちの 元気の秘訣
私は長い間、在日コリアンの人たちを含め た人たちの通院されている病院での看護、主に外来で診療の介助や病状の観察や処置に携 わってきました。
 今回、私は在日コリアンの人たちの通所さ れるデイサービスのスタッフとして参加することで、在日コリアンのハンメの人たちの生 活の一部を知ることができました。
 いままでは日本にいる高齢者の食習慣が和 食にしかないと思っていました。その食卓には生野菜は少なく、醤油や砂糖で味付けした 煮物や塩分の多い魚や漬け物、味噌汁が日常の食生活です。
 私の見た在日の人たちの食習慣は生野菜が いっぱいでびっくりしました。ほとんどのメニューには生野菜が使ってあり、味付けでは 塩分が押さえられスパイスが程よく使われているように思われます。
日本の高齢者は在日コリアンの人たちに比 べ頭痛や便秘、不眠の訴えが多く見られます。これが少ないことは、日常の良い食習慣の積 み重ねが健康に繋がっているものと思われます。
 また在日の人を見て感じることは、人が集 まれば、歌や踊りの大好きな人たちが多い事です。この楽しい歌や踊りも在日コリアンの ハンメたちの健康に大きく関与しているものと思います。 (筧しげみ)


■■■ 今後の予定■■■
■通常総会

 6月11日(日)15:00〜16:00 於 デイサービスセンターハナの会

■日本語プロジェクト支援者のための研修会・連絡会

 6月11日(土)13:30〜15:00 研修会・連絡会
  「KFCと在日ベトナム人の関わり」  講師:中村通宏(KFC副理事長)

 7月9日(土)13:30〜16:00 研修会・連絡会
於 デイサービスセンターハナの会

■KFCハナの会昼食会
 5月21日(土)、6月18日(土)、7月16日(土)
 11:00〜14:00(10時から開けています)於 デイサービスセンターハナの会

■外国人の子どものための学習支援ボランティア研修会

・6月23日(木)18:40〜20:10
 「はじめに」 野崎志帆(KFC理事)
 「外国人の子どもの状況」 
   リリアン・テルミ・ハタノ(甲南女子大学多文化共生学科助教授)

・6月30日(木)18:40〜20:10 「子どもの心理」 
大澤智子(兵庫県こころのケアセンター)

・7月7日(木)18:00〜20:00
 「学習支援のポイント〜教え方の秘訣、役立つ参考資料の紹介など 」
村山勇(こうべにこにこ会、本山第2小学校国際教室)

 「KFCで活動していただくにあたって」
KFCスタッフ

・7月2日(土)現場見学(予定)

■事務所引越
 6月19日(日)10:00〜

前のページに戻る