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KFC-NEWS  2003.9.17  No.56


■■■ 北米の日系高齢者支援活動から感じたこと ■■■

 7月13日〜21日まで、ユニベール財団 の支援を受け、KFCの事務局と私で北米(アメリカ:シアトル、カナダ:バンクーバー)の マイノリティ支援活動視察に行ってきました。
この視察の調整段階で佐々木さん、日本語ボランティアの宗圓さん、兵庫県のシアトル 事務所の方々には大変お世話になりました。本当にありがとうございました。今回は、その視察から北米の日系人高齢者支援活動を見て感じたことについて、書きた いと思います。
 北米の西海岸地域は、1880年代後半か ら日本人の移住がはじまったこともあって、1990年のアメリカ国勢調査では、シアト ルがあるワシントン州在住の日系人口は3万4,366人、バンクーバーのあるカナダのB C(ブリティッシュ・コロンビア)州には、1996年のデータで2万9,810人の日系 人が暮らしています。

ちなみにカナダBC州の場合、先のデータによると
非移住者   1万7,435人(58.5%)
移住者      7,455人(25.0%) 
1961年以前   680人
1961-1970   1,055人
1971-1980   2,190人
1981-1990   1,420人
1991-1996   2,110人
非永住者 4,925人(16.5%)
となっています。
ただこの日系人と一括りにされている人た ちも内訳は、非移住者(北米生まれの2世、3世など)、移住者(主として新1世)、非永住 者(駐在員、学生)といったように住んでいる背景は異なっています。
 日系人の人たちも自分たちのことを日系 (非移住者)、移住者(それ以外?)と違った呼びかたをしていて共通の課題や同質性も 多々あり、一方深いところまではわかりませんでしたが各々固有の課題もあるようでした。今回の研修は、多文化主義を実践しているという北米において、歴史が古い日系社会の 高齢者に対してNGOやコミュニティがどのように支援活動を行っているかについての調 査がテーマのひとつということで以下の団体を視察させてもらいました。シアトルでは、Asian Counseling and Referrel Serviceという医療・介護のカウンセリングやケアプラン作成などのプログラムを実施して いるNPO事業体とNikkei CoucernsというNPOが運営する「Nikkei Manor」という日本の「ケア付き有料老人ホーム」的なところ、バン クーバーでは「隣組」というNPOの実施している高齢者支援活動、日系プレースという 日系社会のために購入された大きな敷地にたつ日系ホームというケア付き住宅などです。
 シアトルのNikkei Manorは、チャイナタウンのはずれにあって近くには宇和島屋という日本食スーパー(中ではコリアやタイ等の食 材、フードコートもあるのでアジア食スーパー?)、少し先にはベトナムタウン?的な場 所もあってアジア人の住みやすそうなところにありました。
 ここの入居者は、日系人がほとんどで食事 も朝食はアメリカ的ですが、昼、夜は日本食中心、共有スペースでは、NHKの衛星放送を見 ていたり、廊下には日本語の本が借りられるように置いていたりと年をとった日系人が安 心して老いを暮らせる環境になっていました。
 一方、その前に訪問したACRSで聞いた ことですがこのような有料ケア付きホーム(月23万〜27万基本料+エクストラ(介護 費用など))に金銭的な面で入れない人もいるようでそのような人たちへの民族的サービス は、見えませんでした。
 バンクーバーで見た活動でKFCが実施し ているハナの会に一番似ていると思った活動は、隣組が実施しているボランティアとス タッフが一緒に運営している昼食会でしたが、先に書いたように参加者は、日系、移住者と混 在していて参加者の年齢も比較的若く日系人への支援活動は日系と移住者が連動している という感じをうけました。このあたりは日本の在日コリアンと少し違うところかもしれま せん。
 日系ホームがある日系プレースは、バン クーバーの郊外の少し不便なところにありましたが福祉国家としてのカナダの力を見るよ うで個室の広さや低所得者でも入居できるしくみなど感心させられることが多かったです。
 入居者にコリアンの高齢者がいるというこ とで紹介してもらい、下手な韓国語で話をさせてもらいましたが、カナダは住みやすいこ と、自分たちにとってもこのホームは、食事などが合うのでいいと言っていました。
 このような施設を含め日系プレースには、 立派なヘリテージセンターという文化会館と日系人関連事業所のオフィス貸し施設が合体 したような建物、シニア集合住宅など多くのコミュニティ施設が建てられていました。
 ヘリテージセンターの展示ブースには、第 2次大戦中に日系人が受けた強制収容の歴史を展示してあったり、日系人の資料販売ブー スがあったりと自分たちの歴史を後世にちゃんと伝えられる場があり、コミュニティに とって力になるだろうなという感じを受けました。
 日系プレースは敷地の広さ、建造物の立派 さも含め圧倒される感じがあってこれだけの費用をどうやって調達したのかについて尋ね たところ、土地の取得費にはカナダ政府が強制収容を謝罪して日系人に支払ったリドレス (補償)基金が当てられ、住宅やホーム建設は行政の補助予算を計算し借り入れをし、ヘリ テージセンターの償還には寄付活動で対応しているという社会のシステムを良く考えた方 式がとられていました。
 日系社会の団結や努力あってのこととは思 いますが、政府が日系人への差別を認め高齢者が安心して暮らせる場の土地の購入資金に 当てられる補償基金がある社会を少しうらやましく感じました。今回の視察を、KFCの活動にどれだけ参考にできるかわかりませんが、年をとった時 に、安心して地域で自分の文化や習慣を守りながら生活することの大切さは国が違っても 同じだということはわかりました。(金宣吉)


■■■不当な警察の捜査〜徹底究明を■■■

 ベトナム人が荒ごみを拾っているところへ パトカーが来て、尋問したうえ警察に連行・逮捕され、家宅捜索をしたうえ、2日後に釈放さ れるという事件がありました。
 警察に理由を質すと、「尋問途中で逃げたの で警察へ連行した。ドライバーと偽造テレホンカードを所持していたので逮捕した」との こと。本人に確認すると、「尋問が終ったと思ってその場を去ったところ、パトカーが 追ってきた。逃げた訳ではない。トライバーは拾ったもので、警察に連行され、出るときテレ ホンカードを警察が持ってきて、「これは君のと違うか」と尋ねられたが、全然心当たりがな かったので「違う」と答えたのにしつこく取り調べられた」とのこと。
私たちは(1)荒ごみを拾うということは一般的なことで、不審な行動をしていたわけで はなく、あえて職務質問をすることは人権侵害であること。(2)ドライバーを持っていた だけで逮捕するのは言語道断であること。(3)本人も覚えのない偽造テレホンカードを 本人のものとするのは罪を着せようとするものであること。(4)このような軽微な事件で 家宅捜査まですることは捜査の行き過ぎであること、として兵庫県弁護士会人権擁護委員 会に人権救済申立書を送りました。警察は外国人の犯罪が増加しているからとのことで しょうが、「外国人とみたら犯罪者」というような、このような捜査は人権侵害も甚だしい と思います。徹底究明しなければなりません。(中村通宏)


■■■在日ブラジル人のための日本語FM教室 [入門編・初級編] 販売停止のお知らせ■■■

日本語を学びたいブラジル人の方たちが、時間や場所に関係なく学習ができるようにと 作成した「在日ブラジル人のための日本語FM教室」入門編および初級編のテキストとC Dを販売停止することに致しました。
1999年に発刊、一部内容の訂正を行った改訂版を2001年にだしましたが、更に間違いが あるとの指摘が利用者の方からありました。正しい日本語を身につけてもらうことが目的 であるのに、間違いのある教材を販売し続けるのは問題があると考え、この度一旦販売を 停止し内容の見直しをすることになりました。なるべく早く内容を改めて再び利用していた だけるよう鋭意努力する所存です。現在ご購入希望のお問い合わせがあってもお断りしな ければならず、皆様にはご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。
尚、今年3月発行の「スペイン語圏の人のための日本語教材」[入門編・初級編]のテキス ト・CDは引続き販売致します。
以上、ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。
 ご不明な点などございましたら、事務局までご連絡ください。


■■■日本語プロジェクト■■■

ステップアップ講座

 日本語学習支援者のためのステップアップ 講座を5月17日〜7月29日の8回開催し、24名が受講しました。
 今回の講座の特色は受講生すべてが神戸Y MCA学院専門学校日本語学科の留学生に授業をしたことである。教案を作成し、実際に授 業をし、それをビデオ撮影し、自分の授業を映して、尾崎美千代講師から講評を受けました。
 また神田裕氏より「外国人とともに生きる 社会をめざして」、日比野純一氏より「多文化多民族社会とコミュニケーション」永保澄雄 氏より「日本語の音声の特色とその指導法」をテーマにそれぞれ実り豊かな講座を受講しま した。

「日本語学習支援者のためのステップアップ講座」を受講して

 「講座」ということで、初級と同様、日本語 教育の方法を教わる所だと思い、申し込んだのですが、1人10分実習。授業をするのは私達受講生でした。
 講座が土曜日なので主人と2人で受講していましたが、実習日は偶然同じ回に当たり、一 緒に準備する事ができました。2人でKFCへ行った日はちょうどコーディネーターの方 がお休みの日で、資料だけ探して帰りました。よく分からないままに、主人が表を作ったり 文字カードを書く横で、何とか分かるだろう絵カードを作成。教案の書き方も理解できない間に当日になりました。
 尾崎先生から教わった、授業での様々な注 意事項を忘れないようにと思いながら、長い10分間が終わりました。後日ビデオにはただ ただ右往左往しているだけの姿が。
 6日目の永保先生の講座では、実習も終わっていたので楽しく龍やトラの絵を描きま した。勿論本題の外国語と日本語のリズムの違いなども学びました。初日の神田先生、最終日の日比野先生のお話で、現実に外国人が異文化である日本社会 で生活していく大変さとそれに対して差しのべる手がもっともっと必要なのだということ も知りました。せっかく講座を受講したのですから、私もなんとか時間を合わせて、勉強しながら日本語学習支援をしていけるよう努力していこうと思っています。ありがとうございました。(清水タ重子)

日本語を教え始めて    

私は日本語文法は数十年前に学校で少し学んだ記憶があるだけでしたが、そういう古い 文法知識が日本語支援に役立たないことを教わったのは、「KFC日本語学習支援者のための 初級講座」ででした。外国人に日本語を教えるには、外国人が覚えやすい用語を使って組み 立てた新しい日本語文法を使うべきだったのです。
三ヶ月前に日本語を教え始めるとき私はその意味で自分の能力が不足していることを自 覚していましたが、当の学習者は一通りの日本語勉強は既に完了しており、会話練習を望んでいるとのことでしたので、普通の教科書でレッスンを始めました。
すぐに判ったことは学習者の発音が母語風のなまりが強いことでした。注意を与え、本人も努力しますが、なかなか直りません。清音と濁音の区別・促音・撥音などに難点がありま す。私も口真似をさせること以外に指導方法がわかりません。
ちょうどその頃、受講していた「KFC日本語学習支援者のためのステップアップ講座」の なかで「日本語の音声の特色とその指導法」という講義を聞く機会があり、発音練習の素材 の資料も入手することができました。早速その素材を導入してレッスンをしてみました。 まだ少ない時間ですが、良い感じです。今後もこの教材を大いに使わせていただけば前途は 暗くないと思いはじめました。KFC主催の日本語講座の有用性を再認識し、講座内容のますますの充実を期待する次第です。(操田誠)

夏休み小・中学生のための勉強会

 丸山中学校教頭の渡部寛之先生の指導で夏 休み教科勉強会を8月4日〜8日開きました。KFCで勉強している小学生2名、中学生2名 が休まず熱心に勉強しました。支援者の小城さんも手伝ってくださいました。

保育つき日本語学習支援の開始〜保育ボランティア募集!

 小さい子どもがいてなかなか日本語の勉強 できないと思っている人を対象に、保育つきの日本語学習支援を11月より実施することに なりました。日本語学習の場を提供するとともに、子育てに関する悩みやストレスの解消 などができるような場にしたいと考えています。
 実施にあたって、保育ボランティアを募集 しております。毎週金曜日10:00〜16:00のうち1時間半程度お手伝いいただける方は、ぜ ひ事務局までご連絡ください。保育ボランティアには、下記の日時に研修を受けていただきた いと思っておりますが、どうしても無理な場合はお申し出ください。
保育ボランティア研修:
◆10月21日(火)13:30〜16:40
「保育について」
 金本悦子(国際派保育士、エンジェルワールド代表)
「多様な背景を持つ子どもの子育てについて〜『多文化子育て調査報告書』から」
 谷口正子(大阪国際大学)
◆10月24日(金)13:30〜16:40
「けがや病気について」
 松田宣子(神戸大学医学部保健学科地域看護学講座助教授)
「外国人の子育てについて」
 ハ・ティ・タン・ガ(NGOベトナムinKOBE)


■■■KOBEハナの会■■■

 

金錦淑さんのワークショップに参加して

在日韓国・朝鮮人(以下、在日と書きます)高齢者の介護事業をしている金錦淑さんをお 招きしてワークショップが開かれました。その中での感想を述べたいと思います。
金錦淑さんは在日高齢者介護施設がもう少し増えることを希望されていました。利用す る在日高齢者にとってどういうタイプの施設が良いのかをケアマネージャーが選べるくら いの選択肢があればとのお話でした。在日高齢者介護施設は関西で最も在日の多い地域で ある大阪市生野周辺でも数箇所で、神戸の多住地域である長田区には真野地域に一箇所あ るだけというのが現実です。施設の増加とともに、その種類の選択ができるのも大切です。 「元気老人向け」、「要介護・障害者・痴呆老人向け」「その両方可能なミックス型」、「在日高齢者のみ」、「日本人と一緒」というような施設の種類です。
 在日高齢者は外国に住む民族的マイノリ ティであり、持っている文化・風習も日本人とは異なり、厳しい歴史の中を生きてきた方た ちです。そんな方たちが安心して身を任すことができる介護施設が地元に増えることを望みます。
 尚、10月30日のハナの会参加者への介護保 険説明会にも金錦淑さんに来ていただくことになっています。(金周司)

ごあいさつ

 KFCハナの会のスタッフの金周司です。 このたび、9月25日を最後にKFCハナの会を引退することになりました。個人的な理由 により私が継続して参加できなくなったのが理由ですが、KFCハナの会はこれからも ずっと活動を続けてまいりますのでご心配なく。
 1999年9月9日に第1回を開いてから、はや 4年が過ぎました。今年度からは食事会に加えて、在日高齢者に向けてのレクレーションの 開発と、高齢者の生きてきた歴史と現在の健康状態の2点についての聞き取り調査も行っ ています。このような活動で日々高齢者に接してきて、自分が在日3世として学んだことは たくさんあったように思います。
  ハナの会は在日高齢者の居場所づくりとい う事業ですが、同時に在日3・4世の若年世代が1世と交流を持ち、自分達のアイデンティ ティの確立・成長の場という意味を持っています。たいへん極論のように聞こえますが、 「在日1世のことを知らずして、在日の歴史を語るなかれ」というのが、今の私の気持ちとし てあります。4年間の高齢者との会話や聞き取り調査の活動の中で、「在日1世が今どんな生 活をしているのか、今までどんな生活をしてきたのか」という生活史が、非常にリアルに感 じられました。
 私の祖母は昨年に他界しましたが、親族な のでそういうことを聞くのが何か小恥ずかしく、深く聞くことはできませんでした。在日3 世以降、4世・5世と代が引き続くにつれ、在日1世のリアルな生活史の認識は欠落してい くだろうと思います。その部分が欠落したまま在日の歴史は語れないと思うのです。
 そのような1世の生活史を感じ取れる場所 がハナの会だと思います。ハナの会には毎週20〜25人ほどの在日1世の高齢者がコンスタ ントにいらっしゃいます。それも四年間、毎週です。私はこの事実だけでも誇りに思います。
ハナの会は来年あるいは再来年で在日高齢者 の介護事業の方向に進む予定です。これからもハナの会にご協力、ご支援をお願いいたします。
 最後になりましたが、一緒にハナの会を 作ってきたボランティアの方達とKFC事務局の方達にこの場を借りて感謝をいたします。 ありがとうございました。(金周司)


■■■ 今後の予定■■■

■運営事務局会議 
9月26日(金)10:15〜  KFC事務所にて

■日本語プロジェクト学習支援者のための研修会・連絡会

●10月11日(土)13:30〜16:00
●11月8日(土)13:30〜16:00

■日本語プロジェクト 秋祭り
●10月26日(日)11:00〜15:00  鷹取教会にて

■地域国際化を考える研修会
●10月2日(木)13:30〜15:00
中国帰国者の問題について考える
 鍛治致(京都大学大学院生)

●10月2日(木)15:10〜16:40
外国人住民の抱える労働問題
 間野静雄(NGO外国人救援ネット)

●11月6日(木)13:30〜15:00
外国人住民の抱える住宅問題
 稲葉佳子(まち居住研究会)

●11月6日(木)15:10〜16:40
外国人住民の抱える教育問題
 中島智子(プール学院大学教授)

●12月3日(水)13:30〜15:00
外国人住民の抱える医療問題
 中萩エルザ(Disque-Saude)

●12月3日(水)15:10〜16:40
外国人住民の抱えるDV問題
 もりきかずみ(アジア女性自立プロジェクト代表)

■KFCハナの会遠足
●10月16日(木) 

■KFCハナの会 福祉制度説明会
●10月30日(木)13:00〜

■保育ボランティア研修
●10月21日(火)13:30〜16:40
保育について
  金本悦子(国際派保育士、エンジェルワールド代表)
多様な背景を持つ子どもの子育てについて〜『多文化子育て調査報告書』から
 谷口正子(大阪国際大学)

●10月24日(金)13:30〜16:40
病気やけがについて
 松田宣子(神戸大学医学部保健学科地域看護学講座助教授)
外国人の子育てについて
 ハ・ティ・タン・ガ(NGOベトナムinKOBE)

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