■■■ 新体制発足にあたって■■■
KFCは、新しい運営方式、体制で新年度を迎えることとなりました。会員制という枠組みづくりは少し窮屈に感じる人もいるかもしれませんが、KFCで担っていることを多くの人たちと共有できるしくみづくりと理解してもらえればと思います。そのためにKFCにかかわるひとりひとりがいきいきできる時間と空間づくりを、代表というよりは団体の一員として担っていければと思います。
少し前の新聞に日本人の「外国人」に対する人権意識が下がってきているというものがありました。きれいな言葉が飛び交うのとは逆によくない状況がすすんでいるのではないかと心配です。
マスメディアが大きな影響をもつ社会では、情報を出す側とそれを受け取る側の力が試されます。昨年の秋からはじまった朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)をめぐる加熱報道を見るたび、人は物事をステレオタイプ化して伝え、また受け止めるものだと思い知らされます。
社会のマジョリティ(多数者)、メインスト
リームとの違いは、意識的に追いかけられ、デフォルメされ、マジョリティとの摩擦や事件が起きると悪意や敵意を伴って拡大、伝達されます。うずまきのように成長していく敵意が、なんの罪もない民族学校の子どもたちに向かうことからもわかるようにパターン化された認識は、近ければ同じ(実は近いということ自体の多くが幻想)と考え、個々の違いを無視
し、異質な者を排除することを正当化させています。
そこには、個人の存在は希薄になり、「イラ
ク人」、「北朝鮮」といった何々人や国名といった表現がほとんど記号に近い形で他者を
認識するために使われていきます。そこには、産声をあげたり、日々の食卓を囲んだり、
笑ったり泣いたりという人としてのあたりまえの暮らしは無視され、異常さや危険さのみ
が強調されるのです。そんな悲しい考えが生んでいる問題が、いま私たちの身近でもおきています。
新聞やTVの報道で見た人もいるかもしれませんが、姫路の県営住宅に当選したベトナム人たちが、長い間入居を拒否されているこ
とがわかりました。この決定をした兵庫県の住宅供給公社の人間たちは、現在入居しているベトナム人のなかに住民とのトラブルを起こす者がいるので仕方なく入居を待っても
らったと反省することもなく話しています。
排除した側にとって理由となったトラブルへの対応は一見、正当なように感じます。しかし、よく考えてみれば県営住宅で問題を起こ
しているベトナム人と入居を心待ちにしているベトナム人とを一緒に考えることの整合性
は何もないはずです。
昔、アメリカでは日本が真珠湾を攻撃した時、日系というだけで砂漠に隔離された人がいました。その歴史をアメリカは恥じて謝罪
しました。それから50年たってもこの社会は、同じ過ちを克服できていないようです。県営住宅の入居差別問題は、日本の醜い外国人に対するステレオタイプ視が生んでいる問題であることに多くの人に気づいて欲しいと
思います。
「ベトナム人」としてひとくくりに見るので
なく、「〜さん」という見方をすることが「ともに生きる」社会の前提です。KFCとしてこ
の当たり前のことを広めていきたいと思います。(金宣吉)
■■■ 臨時総会報告 ■■■
去る4月12日(土)に神戸協同病院においてKFC の臨時総会を開きました。14名の出席者のもと、2003年度の事業計画および予算の説明のほか に、前号KFC-NEWSでもお知らせしましたように、新たに設置することになった会員制と理事 会について提議し承認を得ました。理事および監事は以下のとおりとなります。
理事長 金宣吉(前代表・団体役員)
副理事長 中村通宏(前副代表・団体役員)
理事 森崎清登(会社役員)
同上 吉井正明(弁護士)
同上 野崎志帆(大学教員)
同上・事務局長 横山雅子(団体職員)
監事 大賀重太郎(団体職員)
同上 李圭燮(団体役員)
会員制の会期、種類、会費、特典は次のとおりです。
会期:毎年4月〜翌年3月
正会員 1口12,000円/年
賛助団体会員 1口10,000円/年
賛助個人会員 1口3,000円/年
賛助学生ユース会員 1口2,000円/年
尚、初年度10月以降に入会された場合は、半期分の納入となります。
会員の方々には、「KFC-NEWS」の送付、セン
ター主催の各種講座の割引、センター発行物の割引などがあります。
今後は、この新しい体制のもとにKFCの運営
を進めていくことになります。皆様の更なるご理解とご協力をお願い申し上げます。
■■■総会のお知らせ ■■■
5月10日(土)に開かれた理事会において、20
03年度総会を6月5日(木)の午後6時半から、KFC事務所にて開催することになりました。
会員の方々には是非ご出席いただきますよう、お願い致します。
■■■理事就任のご挨拶 ■■■
多文化共生の旗を高くかかげ
震災から8年が経過し、神戸の表通りはず
いぶんきれいになりました。しかし新長田の山側や御蔵菅原には、まだ多くの更地が残さ
れたままです。また、震災であぶり出された外国人問題もボランティアの活動によって、多文化共生というかたちでずいぶん改善されました。しかしこれも不況の嵐の中で就職難、生活苦、生活保護世帯の増加となって表れてきています。
KFCはこの現状を打開するため、組織を強化します。地道にきめ細かく、そして大胆に多文化共生の旗を高くかかげて前進しましょ
う。
(中村通宏)
この度、理事としてKFCの活動に微力なが ら協力させていただくことになりました。私はもともと神戸が地元の人間ですが、学生時代(やたらと長い)を神戸から離れたところで過ごして参りました。甲南女子大学で仕事を
するようになり、KFCの活動に出会えたことによってようやく神戸の定住外国人と日本社
会が抱える課題について考え活動する機会を与えていただいたことに、喜びを感じると同時に身の引き締まる思いです。私は日本に暮
らす「日本人」であり、そのような観点からすれば明らかに権力的多数派の立場にいます。立場性に距離があるのは事実としても、誰もが自尊心をもって生きることが可能な社会を
望む市民のひとりとして、私はその立場を利用しない手はないとも思っています。これまで以上に、自分の感性や想像力を試されることになるでしょうが、KFCの活動を通していろいろな立場の方と議論をやめずに‘つづけていくこと’ができればと思っております。ど
うぞよろしくお願い致します。
(野崎志帆)
暮らしの支線をつくりたい。
「あなたの会社がめざすものは?」と問われて、こう答えました。交通事業として大動脈の航空や鉄道がつくる基幹の本線に対してタク
シーの役割は支線です。駅からおうちの玄関までご乗車できるサービスをこの街で50年続けています。
震災後、もう一つの支線に気づきました。ライフラインのような地域を支える線です。この支線づくりは従来のタクシー会社から次世代のタクシー会社をつくりたいという思いと重なりました。それは、地域の暮らしが心地よくなる便利メニューをいっぱいもっている「地域サービス会社」になるはずです。
このたび、KFCに参加させていただきまし た。
今までのKFCの成果をもっと目に見える形 にして、地域とさらに結びつけてゆく。こんな抱負も、実は「わたしの会社がめざすもの」の布石だ!というしたたかな企業戦略!?から発しています。
(森崎清登)
この度理事に就任しました弁護士の吉井と申します。1975年に弁護士になって以来、外国人の人権問題に取り組んできました。現
在は11月28日和歌山で行われる近畿弁護士連合会主催の人権大会のシンポジューム
「外国人の人権の確立に向けて」の実行委員長をしております。また、日本弁護士連合会(日
弁連)も来年10月頃に人権大会を宮崎県で開催する予定で、そのシンポジュームのテー
マは「多民族・多文化共生社会への創造」で外国人の人権問題を扱う予定で、そのシンポの実行委員会にも入って準備を進めています。神戸ではペルー人一家5人の退去強制命令取
り消し訴訟に取り組んでいます。
定住外国人の方達が日本で生活する上での
言葉の障害に加え、入居、入店差別が各地で発生している現状もあり、少しでも差別解消のお手伝いができればと思います。
(吉井正明)
事務局長という立場からKFCの現場の声を理
事会にしっかり伝えて反映させるため、理事に就任することになりました。まだまだ少ないス
タッフで切り盛りしているKFCではありますが、実際には多くのボランティアの方々に支え
られており、決して小さな所帯ではありません。KFCに関わるいろんな方たちの思いと、KFCが
行っていこうとしている事業の必要性を、できる限り正確に他の理事に理解してもらわなけれ
ばなりません。逆に、事業遂行について各分野で活躍されている理事の方々から、私たちでは思
いつかない発想と視点からのアドバイスやご意見をいただいて力にしていきたいと思っています。外国人住民も含む地域社会が、住みやすく誇りをもてるようなところとなるよう、理事会の役員もボランティアやスタッフと一体感をもってKFCに関わっていければと願っています。
(横山雅子)
■■■地域国際化を考える研修会ト■■■
KFCが事務局を務めるKOBE外国人支援 ネットワークでは、2年前より、兵庫県と(財)兵庫県国際交流協会と共催で、甲南女子大学
多文化共生学科のご協力を得て、相談窓口やケースワーカーなどの行政職員や学校関係者、
日本語教育に携わるボランティアなどを対象に「地域国際化を考える研修会」を開催してい
ます。
歴史・社会背景、置かれている状況、抱えて
いる様々な問題などを研究者や当事者などからお話を聞き、外国人住民のことを系統的に
学べる研修会です。
今年度は7月3日(木)から始まります。(別
紙参照)外国人住民と関わる活動をされている方はぜひご参加ください。
■■■日本語プロジェクト■■■
■現況報告
現在の学習者の人数
マンツーマンレッスン 24名
グループレッスン
グループA(初級)月・金 8名
グループB(入門)火・木 7名
グループC(中級)金 8名
新年度になり、グループレッスン(4月第
2週開講)、日本語学習支援者のためのステップアップ講座(5月17日開講)と気持ち新たに皆勉強に励んでいます。
■連絡事項
賛助会員の方で日本語ボランティア支援で登録されている方には、研修会に参加していただけます。どしどしご参加ください。
今後の予定:
6月14日(土)13:00〜15:00 KFC日本語プロジェクト支援者勉強会より
7月12日(土)13:30〜15:00 「子どもへの日本語教育」A 講師 村山勇氏(本山第二小学校国際教室教 諭)
9月13日(土)13:30〜15:00 「日本語の文法」講師 森久 国雄氏(神戸市外国語大学講師)
場所はKFC事務所にて。
研修会の後、連絡会を行います。
*事務所のカギをお持ちの方へ
KFCの事務所の鍵をお持ちの方で学習支援が終られている方は、お手数ですがお早めに事務所へご返却頂きますようお願い致します。
■きょうしつからこんにちはNO.4
昨年の夏からKFCで日本語支援を始めて
8ヶ月が過ぎました。専門学校の日本語教師養成講座を修了してから、勉強したことをどうやって生かしていくか悩んだ時期もありま
したが、縁あってKFCで日本語支援をさせていただくことになり、今はいろんな方に助
けていただきながら続けています。
学習者は、韓国からご主人のお仕事の都合
で来られているIさん。来日して5年目で、以前に日本語を習ったこともあり、日常会話は
ある程度できますが、家での会話はすべて韓国語、また日本人と接する機会も少ないとい
うことで、少しでも多く日本語を話す機会を持ちたい、という理由からKFCに来られま
した。授業は、基本的にはテキストを使って進めているのですが、時には、つい夢中で話して
しまい、今日は雑談のほうが長かったかな…という日もあります。1週間に起こった出来
事や家族のこと、韓国と日本の文化や価値観の違いなど、電子辞書を使ったり、漢字での筆
談を交えながら、Iさんはいつも一生懸命になって伝えようとしてくれます。また授業時
間内にとどまらず、食事に誘ってくださったことも何度かあります。当然のことながら、そ
の間ずっと日本語で会話し続けるのですから、Iさんにとってはかなりのエネルギーを要す
ることだと思うのですが、それでも熱心に日本語を話そうとする姿を見ていると、本当に
いつも頭が下がる思いがします。いつの日か韓国に帰られるIさんに、少しでも多く日本でのいい思い出を持って帰ってもらえたら…と願わずにはいられません。日本語支援を通
じてそのお手伝いができていればいいのですが…。
この4月からクラス授業も担当させていた
だくことになりました。学習者の方たちの「日本語が上手になりたい!」という熱い思いに
応えられるような授業をしなければ…と少しばかり意気込んではいますが、それが空回り
しないように、これからも周りの方々に助けていただきながら頑張っていきたいと思います。 (熊野久美)
■■■ 今後の予定■■■
■運営事務局会議
5月23日(金)10:00〜KFC事務所
■総会
6月5日(土)18:30〜 KFC事務所
■日本語学習支援者のステップアップ講座
新長田勤労市民センター
●5月17日(土)13:30〜16:00 オリエンテーション
KFC日本語プロジェクトリーダー会
外国人とともに生きる社会をめざして 神田裕(たかとりコミュニティセンター代表)
●5月31日(土)、6月7日(土)、6月21日(土)、6月28日(土)、7月5日(土)13:30〜16:00
日本語の教授法 尾崎美千代(神戸YMCA学院専門学校講師
■日本語研修会
6月14日(土)13:00〜15:00 KFC日本語プロジェクト支援者勉強会より
7月12日(土)13:30〜15:00 「子どもへの日本語教育」A 村山勇(本山第二小学校国際教室教諭)
■地域国際化を考える研修会
●7月3日(木)13:30〜15:00
外国人住民の歴史・社会背景を学ぶ
富野暉一郎(龍谷大学法学部教授、前逗子市長)
●7月3日(木)15:10〜16:40
外国人住民の問題について考える(1)〜在日コリアン
朴実(音楽家、東九条マダン実行委員長)