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KFC-NEWS  2001.9.17  No.43


■■■特別永住者等の国籍取得の特例に 関する法律案について■■■

今回は、はじめにKFCの日常的な活動と は少し離れて次の国会で取り上げられようとしている「特別永住者等の国籍取得の特例に 関する法律案」という法律のことについて書きたいと思います。
 この「特別永住者等の国籍取得の特例に関する法律案」(以下簡易帰化法案という)は、自 民、公明、保守の与党3党の「国籍等に関するプロジェクトチーム」が4月にとりまとめ、先 の国会で成立させる方針を決め発表された法律です。
 法律の中身は「特別永住者について、その歴史的経緯及び日本社会における定住性にかん がみ、日本の国籍取得に関し国籍法の特例を定める」(第1条)とあり、「特別永住者等で日 本に住所を有するものは、法務省令で定めるところにより法務大臣に届けでることによっ て、日本の国籍を取得することができる」(第3条:届出による国籍取得)というように旧植 民地から日本の国民として来た者とその子孫である在日コリアンたちにだけは、届ければ 日本の国籍をあげましょうというものです。
 いままでの厳しい審査基準の中で運営されてきた外国人の日本国籍を取得するための帰 化制度に比べて、この簡易帰化法案は条件が緩和された新しい日本国籍取得制度の創設と いう一見進歩的な制度のように見えるところがあります。
 しかしこの簡易帰化法案が出てきた経緯、背景には、従前から取り組まれてきた「永住外 国人に対して地方自治体議員の選挙権を付与する法案(外国人地方選挙法案)」を廃案にしたいという思惑がはっきりと見られます。
 「日本の国籍をもたない者にはこの社会へ の参加の権利を保障しない」。一見進歩的に見える簡易帰化法案も結局この論理を守るため (外国人地方選挙法案をつぶすため)に出てきた対案でしかないのです。
 その証拠にこの法案には、過去の歴史を直 視する視点も未来の社会へのビジョンもありません。
 第1条にある「その歴史的経緯」とは何をさ すのでしょうか。またなぜ届け出による日本国籍の 取得はこれから増えることのない「特 別永住者」にかぎられるのでしょうか。 
 それでもなお、日本の国籍がとりたい人には、今回の法案の意義はあるのかもしれませ ん。
 ただこの間、KFCとNGOベトナムin KOBEが取り組んでいるダイエーOMCカードという会社のカード発給差別のことな どを考えるとはたして日本の社会は日本国籍があれば「外国人」への不当な扱いをやめるの だろうかと考えてしまいます。
 ダイエーのカードは、神戸に住む同じベト ナム人がベトナムの名前で申し込むと断り、日本の名前(通称名)で申し込むと発給しまし た。店頭で皆が入れるような入会キャンペーンをはりながら申し込むと「外国人だからダメ」と多くのベトナム人が断られています。
 理由を聞くと「日本語ができないからカー ドは発給できない」と答える社員までいました。
 話し合いで差別の実態を指摘しても、ダイ エー側からは、明確な謝罪さえありません。
 いくらベトナム人が、自分たちの気持ちを説 明しても受け入れる力がダイエーOMCカードという会社にはないのです。
 日本に在日韓国・朝鮮人や在日ベトナム人が なぜ住むに至ったのかという正しい歴史認識と何故、彼(女)らに権利が保障されていないの かをもっと考えるプロセスが今の日本には大切ではないかなと思います。
 そうすれば国籍について考えるときにも無 分別に「権利が欲しければ日本国籍をとれ」と見下 すような感覚ではなしに、在日韓国・朝鮮 人から過去〔1952年〕に日本の国籍を剥奪したことや国際的には無国籍でしかない「ベト ナム国籍」という名前だけの国籍を難民として受け入れた在日ベトナム人に強いていること も含め、どんな対応が必要なのかも見えてくるのではないで しょうか。
 外国人住民の参政権問題で一番大きな声を あげてきた在日コリアンら特別永住者の運動をつぶすために姑息な法案を考える前に、立法 府にはこの社会で理屈なき差別に苦しんでいる少数者を守る法律を作る義務があると思う のですが・・・。
 日本の国会も民間企業であるダイエーも外 国人への不当な扱いを「その歴史的経緯」とか「なぜそんなことになったかわからない」とい うような無責任で第3者のような表現でかたづけようとしていますが、正確な事実の認識を 持った上で、ただすことただし明確なビジョンを持って対応することでしか正義が実現しな いことを何故わからないのでしょう。
 このことを認識しない限り多数者と少数者 の溝は決して埋まることはないと思います。(金宣吉)


■■■KOBEハナの会■■■
 KOBEハナの会が2周年を迎えました。1999年9月9日にスタートし、ボランティア スタッフのみなさん、KFC関係者の方々、その他数多くの方々に支えられてきた2年間 です。本当にありがとうございます。
 先日9月6日は、会場の料理教室に花を飾り、2周年記念特別メニューでお祝いをしま した。ピビンパ、チヂミ、わかめのスープ、ケーキ、ジュースというメニューで、ハルモ ニ(韓国・朝鮮語で「おばあさん」という意味です。)19人、スタッフ7人の総勢26人で楽 しい時間を過ごしました。
 2周年記念の乾杯はオレンジジュース。実は、昨年の1周年記念の日はビールで乾杯 だったのですが、乾杯の量を超えているハルモニもちらほらいたので、帰りの心配もあり 今年はオレンジジュースにしました。乾杯のあとみんなでおいしく昼食をいただき、昼食 後は、2周年記念ケーキとコーヒーです。ケーキはハルモニ達に好評で、「おいしかっ たわ。1万円したんちゃうん。」という声もあったりで、ケーキ店で買ったのでおいしい のは当然なのですが、笑顔でおいしいと言ってくれるとやはりうれしいものです。この日 の様子をビデオで撮っているので、またハルモニ達と一緒に見たいなと思っています。
 地域に住む在日韓国・朝鮮人高齢者の週1回の出会いの場、楽しく時を過ごせる場とし て、また在日同胞若者世代と高齢者との交流の場としてKOBEハナの会があります。 やっと2年を迎え、存在は認知されつつありますが、まだ2年です。
 「笑顔でおいしく楽しい」KOBEハナの会はまだまだありつづけます。


■■■日本語プロジェクト■■■

■グループレッスンのお知らせ
下記の日程で10月からグループレッスンを 開催いたします。ご希望される方がいらっしゃいましたらぜひご紹介下さい。
Aグループ(入 門) 月・金 19:00〜20:30
Bグループ(初中級) 火・木 19:00〜20:30
Cグループ(中 級) 金  19:00〜20:30
Dグループ(初中級) 木 14:00〜15:30

お問い合わせ・お申し込みは事務所まで

■学習者・支援者の数
学習者数 42名(男25名 女17名)
学習者の国籍
ブラジル・ベトナム・ペルー・中国・韓国・チェコ共和国・カナダ・イギリス・エジプト・タンザニア
支援者数 48名(男6名 女42名)

初級講座のお知らせ
9月5日より日本語学習支援者のための初級講座を開講しています。支援者登録をして頂 いている方には、希望の回だけの受講も可能です。出席希望の回がありましたら、ぜひご連 絡下さい。

「秋の山に遠足に行きませんか。」
日 時 : 10 月14日(日)9:30(時間厳守)
集合場所: 新幹線「新神戸駅」改札
☆各自お弁当持参
☆雨天中止(雲行きがあやしいときは午前7時の時点で判断し、連絡網を回します。)
☆布引ハーブ園近くの公園まで山登りをしま す。動きやすい服装・運動靴でご参加下さい。防寒具もぜひお持ち下さい。
☆参加ご希望の方はKFC事務所 松本までご連絡下さい。

■ダンボポストについて
 支援者の方から、ポルトガル語・ベトナム 語・中国語の日常使う言葉のカードを作ってみてはどうかという意見をいただきました。 そして、実際に支援者の一人がポルトガル語と日本語のカードを作ってくださいました。 (「休みましょう」や「来週はお休みです」「こんにちは」「さようなら」「ありがとう」「どう いたしまして」などのカードを作ってくださいました。)カードを作って下さった支援者の 方が毎月1回午後に勉強会をされていますので、みなさんぜひご参加下さい。勉強会の日に ちは決まり次第お知らせ致します。
 学習を支援する際、皆さんは新出単語をど のように教えていますか。日本語だけで教えていますか。各国語訳を使っていますか。もち ろん、人によって違いますし、学習する内容によって使い分ける人もいると思います。Case by caseだとは思いますが、もし、各国語訳が必要になったときは「しんにほんごのきそ」や 「みんなのにほんご」の各国語訳がKFCの事務所にあるので、参考にして下さい。
☆このように、ダンボポストに入れられた意 見は研修会で取り上げ、話し合ったり、紹介したりします。ここから勉強会につながること もありますので、とにかくダンボポストに意見を入れて下さい。日本語学習支援での悩み や困ったことだけではなく、日常の生活の中であった新しい発見やうれしかったことなど なんでもけっこうです。みなさん、どんどんダンボポストを利用して下さい。ご意見待って ます!!!(ダンボポストはKFCの事務所にあります。 事務所のファックスやメールでもご意見を受け付けております。)

■ボランティアをしてきて
毎回研修会で支援者の方に体験発表をしていただいております。8月と9月に発表してい ただいた方々に発表内容をまとめていただきました。

-グループレッスンより-
 私が今アシスタントをしているグループBは、ほとんどが去年の10月から始まったグ ループA(初心者コース)からそのままクラスが上がってきた人たちが来ています。
 現在レッスンに来ているのは計3名、中国 の張さん、ペルーのセイキ君という15才の男の子とそして、アメリカのデンさんです。デ ンさんは仕事の都合で金曜日にしかレッスンに来られないということです。その他に、グ ループAの時にはセイキ君のお父さんのエドガルドさんという方も来ていたのですが、グ ループBの途中から来られなくなりました。そして、ラムさん、チャンさん、ユンさんとい うベトナムの方たちも来られなくなりました。
 あとで理由を聞くと仕事が忙しいからとい うのと、レベルが合わなかったということがあるようです。ユンさんは初心者コースのグ ループAに移ったそうです。
 現在のグループBは『みんなのにほんごU』 30課から始まりました。去年のグループAが始まったころにも感じていたのですが、学 習者の方達は積極的に日本語をはなそうとするし、とても勉強熱心です。講師の平田さんの 説明も真剣に聞いています。特に中国の張さんは、分からないことがあればすぐに質問し ています。そういう事もあり、比較的スムーズに学習が進んでいると思います。
 『みんなのにほんごU』をつかって学習して いるのですが、大体が2時間に1課のペースで進んでいます。この調子で課がすすんで いっているのですが、その中で暑中見舞いを書く授業をしたり、日本語の音楽を聞いてバ ラバラになっている歌詞を並べさせる授業を行ったりしていました。日本語の音楽を聞く 授業では、スピードについていけるかな?と心配でしたが、思った以上によく聞き取れて いたように思います。最初に聞いたときには、慣れないことにちょっと戸惑っていた様子で したが、要領が分かると歌詞で聞き取られたところを頼りにどんどんと並べ変えていまし た。授業の反応も良かったし、私も今度から参考にさせてもらおうかと思いました。
 グループBはすでに『みんなのにほんごU』 の後半部分を勉強しています。それに伴って、多くのにほんごを習ってきたと思います。そ のなかには、使い方は微妙に違うけれども意味はとても似ている、というものもあります。
 例えば、「〜ので」と「〜から」などは区別 がつきにくいようです。あとは、「かむ+すぎる」→「かみすぎる」などは「かむすぎる」と してしまうなどです。
 それだけ学習が進んだというこということ だし、既習済みの学習内容をよく理解しているということだと思います。
 このレッスンも残りわずかとなりましたが、 発言の多いクラスですので私もアシスタントとして、たのしく参加させてもらおうと思っ ています。(冨永 良子)

-異文化交流で学んだこと-
 私は、神戸定住外国人支援センターに来る前から、大阪の日本語学校で週に一度、2時 間程度外国人に日本語で話し相手になるというボランティアを初めて10年目になります。 この間に出会った外国の人から多くのことを考える機会が与えられました。ある時、大阪 の学校を卒業して大学に進学した中国の学生とこんな話をしました。大学の授業で南京大 虐殺のことについて話し合ったとき、戦後生まれの日本の学生にとってそれは歴史の中の 一つの出来事であって、直接今の自分には関係の無いことといった意見が多かった。それ を聞いて自分はとてもショックを受けたと言うものでした。そして、私に「日本人は南京 大虐殺のことを何とも思わないのですか。」と聞かれました。「私も含めて学生は、南京 大虐殺のことは教科書に載っていても、それがいつ起こった事だとか、暗記してテストに 備えることはあっても、その事が両国間に与える影響などについて今まで深く話し合う機 会など与えられなかったように思う。とても残念なことだけれど・・・。そして、日本人 がしたことについては、知るべきだと思うし、中国人の痛みについて理解し、今後絶対 このようなことがないようにしっかりと事実を伝えていかなければいけないと思う。中国 では、日本人が中国でどのようなことをしたか、しっかりと伝えているというに・・・。 これでは、話し合いにならないし、お互いに理解することは難しくなる」と思うといった ことをしどろもどろで答えました。 彼等からこのような日本社会に対する質問や日本の文化について聞かれる度に、日本と 中国、日本と外国、日本人の自分について考えさせられ、とても大切なことに気付かせて もらえるこんな時間が持てることを楽しみに続けてきたように思います。
 また、この2月から、神戸定住外国人支援センターで日本語学習支援をするようになっ て、日本に暮らす外国の人たちが日本語を学んで、日本の生活に慣れてよりよく暮らして いけたらと思っていましたが、それはより日本人らしくではなく、中国からの留学生のよ うに一人一人が背負っている自分の国を大切にしながら、自分の考えを話せ、より自分ら しく生きていけることではないかと考えるようになりました。 これからも続けていこうと思っています。よろしくお願いします。(中川 伊都子)

-KFCでの支援から-       
 マンツーマン・グループレッスンで学習者 と共に勉強していくにあたって、私がいつも考えていることがある。新しい言葉・文法を導入していく際に、自然な 形でそれぞれが理解していって欲しい・・・
それぞれの普段の生活の中から状況を理解し ていって欲しい・・・。
 私は導入にあたって、自作の絵・ジェス チャーを使っている。授業の度にとはいかないが、日本の文化を感じる一つとして「茶道」 を体験させる事もある。
 学習者のレベルによってはテキストで茶道 の事を取り上げているものもあるので、併用する事もある。茶室などの雰囲気などはやは り目で見るべきなので、教室ではカラー写真を使う。そのような資料は雑誌・インターネッ トで普段から集めている。
 学習者のそれぞれの国の文化についても、 話をふくらませていく事ができる。
 テキストにそった授業だけでなく、学習者 のニーズにあわせて日常的に使う言葉も少しずつ授業に加えていく。擬音語や擬態語など である。 学習者のニーズについては、常に変化して いくため定期的に簡単におこなっている。
これからも、学習者の方々といっしょになっ て楽しく日本語とかかわっていきたいと思っています。いろいろな事を吸収していけるよう、がん ばりたいのでこれからもご指導のほどよろしくお願いいたします。(武藤 智子)


■■■今後の予定■■■

■やさしい日本語によるIT講習会 (外国人対象)
@10月7、14、21、28(日)14:00〜17:00 全4回 12時間
A11月4、11、18、25(日)14:00〜17:00 全4回 12時間
神戸アジア交流プラザにて

■地域に共存する外国人住民と接するケースワーカーのための研修会
 10月12日(金)、11月14日(水)、12月12日(水) 13:00〜16:10  兵庫県自治研修所

■秋祭り
11月11日(日) 鷹取教会にて(詳細は未定)

■日本語学習支援者のための初級講座
毎週水曜日 10:00〜12:00 新長田勤労市民センター

■日本語学習支援者のためのステップアップ講座
11月17日〜2月23日(隔週土曜日) 13:30〜15:30 新長田勤労市民センター(予定)

■日本語学習支援者の研修会
10月13日(土)13:30〜  神戸アジア交流プラザ
11月10日(土)13:30〜  神戸アジア交流プラザ

■運営会議
9月21日(金)10:00〜 KFC事務所
10月26日(金)10:00〜 KFC事務所

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