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KFC-NEWS 1999.11.17 No.29


■■■近況報告■■■

11月になってようやく秋を感じる気候になってきましたが、急な気候の変化で体調の調整も難しいと思いますので、KFC の支援者のみなさんも風邪などひかないようしていただければと思います。
世間は来年度にむけて慌ただしくなってきましたが、KFC も人並みに来年度の準備をはじめなければと考えています。まずはじめに日本語教室を中心に事業を実施してきた新長田のナンコービルの事務所が、新長田駅南の再開発の影響で今年末でなくなることになります。KFC として今後、新長田での日本語教室を続けるために移転先をさがしていますが、急に決まった話なので時間が少なく困っています。
もし新長田周辺でいい物件の情報があれば KFC までお知らせいただければと思います。
KFC が継続的に行ってきた定住外国人の生活相談のなかで在日ベトナム人に関わる相談は、他の在日ベトナム人の文化・教育活動などとともに全国的に設立が準備されている「在日ベトナム人連絡協議会」へ移行していけるよう準備を進めています。在日ベトナム人自身が主体的に自分たちのコミュニティーの問題の解決にあたることが、KFC の設立理念にある自立活動支援の延長だと思いますので、今後も当事者の動きと連携しながら準備を進めていきたいと思います。
この間、寄せられてくる相談の中で入居差別に関するものは、当事者の話と不動産屋の話が全く食い違うことが多く、県の指導もすんなりいきません。この社会は大人が自己保身のために平気で嘘をつくことが日常化していますが、子どもたちへの影響を考えると将来が暗澹たるものになるのではないかと思ってしまいます。
当事者の自立と社会の平等は、社会の裏表だと思います。KFC は裏表のどちらにも対応できるよう来年の準備を進めていきたいと思います。
もう1つ10月より、アメリカのセントルイスにあるワシントン大学の大学院生である、香港人のアイバン・クォックさんが KFC のインターンとして、週2回ぐらいの割合で仕事を手伝ってくれています。火曜日はスケジュールにも書いていますが、英会話のレッスンもしてくれていますので、顔をみかけたら声をかけてあげてください(英語?日本語?)。
(金宜吉)


■■■地域国際化に対応した幼児教育を考えるセミナーを終えて■■■

日本に住んでいる外国人は現在、約150万人。でもその子どもたちに、教育の場、生活の場は保障されているだろうか。これからを担い、築いていく子どもたちが、日本の国に失望しながら、育っていくことのないようにと願う。すべての子どもがいきいきと生活できるために私たちができることを共に考えていこうと、10月8日〜29日の毎金曜日、フェニックス活動助成を受け、『地域国際化に対応した幼児教育を考えるセミナー』全4回を開催した。主な参加者は、保育所の先生・幼児教育を勉強している学生だった。
中国人・ベトナム人・日系ブラジル人のパネラーを迎えた第1回目。周さんのお話によると「一人っ子政策」が20年も続く中国では、子どもは「小皇帝」といわれ、親は子どもに高学歴を望む傾向があり、幼児期から教育カリキュラムがあるという。庶民のほとんどが共働きのため、夕方まで預かる保育園・幼児園(3歳〜)が一般的で、会社に併設されている場合が多い。その多くが国営で、保育者の質・幼児の成績・設備・敷地面積などでランクづけされていることには驚いた。学力重視で、一人っ子のため、集団生活能力や自己管理能力の低下などが、課題になっている現状もあるようだ。12年前、日本に移ってきた日系ブラジルの松原さんは、自分が日本に移住し子育てをした経験から、ここ最近、本国の不況でどんどん日本にやってくる日系ブラジル人のために何かしたいと、保育所での通訳の手伝いをされている。その中で、昼寝の習慣のない日系ブラジル人の子どもが慣れない保育園で、周りの友達が突然ふとんを敷き始め、パジャマに着替えたことに動揺し、部屋を暗くされた意味がわからず、それが原因で保育園をやめてしまった、という話があった。子どもにも親にも、前もって保育園の生活について前もって伝えること、それが制度として保障されなくてはならないこと、受け入れる側の文化の違いに対する認識が大切だということを感じた。インドシナ難民として日本に来たべトナム人のガーさんは、自分の子育てを、日本のやり方にあわせてしてきて、子どもも日本の社会に入っていこうとしていると語られた。親としてはベトナムの文化や誇りを伝えたいと思っているがなかなかそのような機会はない、でもそれは、子どもが大きくなって自分で考え、理解していくだろう――その言葉に私はズシッした重みを感じた。
第2回目は、神戸アジア保育交流会の会長で保育園の園長でもある箕浦志保子先生のお話でした。アジア各国の保育研修生を受け入れた経験で得たこと、保育で使う言葉を8ヵ国で明記した8ヵ国の保育日常会話集を仲間と作成していく課程でどのような工夫をしたのかが、わかりにくかったので、もっと具体的に話されたらよかった。資金援助の面で、バングラディシュ・ミャンマーに幼稚園を建てられたとのことだった。資金援助は目に見え、形になる大事な援助であるが、そのことでの自己満足でおわるのではなく、一緒に歩む関係をつくるには…と考えさせられた回だった。
 3回目は、中国帰国者のこどもが約1割いる堺市にある保育園へフィールドワークに行った。5年前の入園前の説明会ではじめて中国帰国者がいることを知ったとのことだった。前もって社会福祉事務所から知らされることなく、名前も日本名だったため、この事態に驚き、戸惑ったが、とにかく対応していかなければという思いだったいろんな方のお手伝い(ボランティア)で必要なプリントの翻訳や面談の通訳をお願いしたとのことだった。今では、卒園児の親子の協力関係もでき、先生方も中国語を勉強したり、辞書片手に、また身振り手振りでコミュニケーションを図っているという。現在は、入学前説明会は日本語と中国語にわけてたっぷり時間をとっているそうだ。保育園を参観して、子どもの身丈に合ったコーナー作りや手作りのカーテン・おもちゃなど、とても家庭的な雰囲気があり、様々な国、人のポスター・大きな地球儀や世界地図など、世界を意識する環境作りもしていた。保育者の年齢層が幅広いことも魅力的だった。保育の内容全体が、中国帰国者だけに限らず子どもにとって、とても家庭的で、それでいて主体的に行動していく力を養っている場になっていると感じた。現実に対応してきただけという先生の言葉が印象的だった。だが、基本的な人権を守り、人間として平等な素地をつくっているここの保育園の継続的な取り組みは、なかなか見られないのではないだろうか。日本の中にこのような保育園があることは、とても心強く嬉しかった。
第4回目は聖和大学大学院の講師をしている植田都先生の講演だった。保育園・幼稚園をやめた日本に住む定住外国人の子どもとその親、保育者、他の保護者は、互いのコミュニケーション不足と文化の違いから生じる誤解、そこから生まれる偏見が問題だという。まず親にも子どもにも、違っていいという安心感をもってもらうこと、私たちも違いを認めていくことが必要である。子どもは、言葉だけでなくものや遊具を媒介にしてコミュニケーションをしている。(絵本やおもちゃなどなど)保育者とのかかわりもここからスタートしていくことになるだろうという話もされた。
スウェーデンの社会福祉制度を研修されたときの話をきき、日本とのあまりの制度の違いにため息がもれた。働く女性の保障が整っているスウェーデン。国全体が、どの国の子どももみんなの子ども、と積極的に受け入れ、保育園の園児の30%〜50%(多いところでは70%)が外国籍の子どもだという。朝食を食べられるサービスもあるそうだ。幼児教育を勉強するプログラムの中に異文化理解教育は5単位もある。5〜6人の子どもを一人の先生がみられ、保育者の数も保障されている。ただ、こういった制度は過去40年の運動で築きあげられたという。セミナーの最後はディスカッション形式になった。外国籍の子どものいる神戸市の保育所に勤めている方が、保育所はとくに子どもの教育よりも毎日の生活のために働くだけで精一杯の人も多いので、親とも話し合う機会がなくコミュニケーションがとりにくいのが現状。保育者の数も少ないので、スウェーデンの様にいき届いた保育ではない、現場にいる私たちは、現状をもっと行政に伝える必要があるとおっしゃった。保育者の異文化理解に対する教育プログラムや、親の教育も必要という意見も出た。外国籍の子どもも受け入れたことで、多様な見方ができるようになったと思うとおっしゃっている保育者もいた。
課題はたくさんだが、今回このセミナーでつながりがもてたこと、その関係を保ち、強めていくことで得ていくそれぞれの声、情報を大切にしていくこと、それを自治体や行政にも伝えていくことが、次へのステップになると思う。
―はじめて企画したセミナーで、司会進行や時間配分が適切ではなかった点もありましたが、企画準備でアドバイスしてくださった方々や講師の先生、参加者の皆さんのご協力に感謝しています。
(坂野亜子)


■■■日本語プロジェクト■■■

■近況報告

●後期グループレッスン開始から1ヵ月たちました。
A(入門)受講者 6人
講師 元村尚美さん、アシスタント 平田智子さん
B(初級)受講者 8人
講師 高橋博子さん、アシスタント 谷先晴代さん
●セミグループレッスン
三富さんクラス…受講者5人:入門コースから始まりましたが、個々のレベルが少し違うということで2組にわけてほしいとの学習者からの声も上がりました。三富さんと相談し、2つの組に分ける方法で考えています。
上野さんクラス…10月から日系ブラジル人の学習者3人をお願いしていましたが、そのうち2人から忙しくて続けられないという申し出があったのでマンツーマンになりました。
大石さんクラス…2人の学習者(日系ブラジル人)の姉妹を支援しています。
松本さんクラス学習者(2人)の都合により特別に訪問で学習者のお店で学習しています。
●マンツーマンレッスン
10月からの新しい学習者が3名、支援者が2名で、20組が学習しています。さらに新しい学習者の申し込みが増えており、待機している方がいます。もし、支援者の登録を現在していない方で時間のある方は、お申し出ください。


■今後の予定

●次回研修会11月13日(土)15:10〜
●秋まつり11月14日(日)12:00〜16:00
●おしゃべり広場11月28日(日)13:30〜14:20


■アンケートのお願い

このたび、ボランティアの有志の方が KFC 日本語プロジェクトのよりよい活動をすすめていくために、アンケートをつくりました。皆様ご協力ください。


■前期グループレッスン学習者から

●わたしは にほんごの、KISO I をならって しまいました。むずかしい でも おもしろかった です。 ですから わたしは にほんごを もうすこしがんばりたいと おもいます。
KFCとたかはしせんせいと ほんとに ありがとう ございました。
(藤田ロリタ)

●日本ごがっこうに いきだして はんとしが すぎました。はんとしかんで、日本ごを まなび せいかつに たいへん やくに たつように なりました。
とくに ほいくえんの おたよりが よめるように なりました。また がっこうで いろいろ なくにの人と ともだちに なれて よ かった です。これからも 日本ごの べんきょうを づつけて かんじも よめるように なりたいです。
(佐々木サリー)


■第1回おしゃべり広場

第1回おしゃべり広場が10月24日(日)に開かれました。7名の学習者と授業担当者以外に2名の支援者が参加しました。前半、後半の2部構成でおこないました。
前半は今回のテーマである「祭り」に関する短い文章を読み、その中から新しい語彙や文型、日本の典型的な祭りについて勉強しました。日本の祭りの中で庶民的なものと伝統的なものとを挙げて授業を進めていくと、学習者の皆さんは今まで行ったことのある日本の祭りを思い出しながら、授業をうけているようでした。とても熱心で興味深く授業に参加してくれました。
後半は、お菓子を食べながらのフリートーキングでした。このじかんでは、各国の祭りを紹介してもらいました。なごやかな雰囲気の中、いろいろ話してもらいました。初めは、話を聞いていただけの学習者たちも、途中からは積極的にいろんな質問をしていました。まだまだ日本語がわからないと言いながらも,知っている日本語を十分に使って話を楽しんでいたように思います。
後半で出したお菓子は、今回「どらやき」でした。今後も、学習者が自ら買うことがあまりないであろうお菓子を選んで、食べてもらいたいと思っています。
今回は、学習者及び支援者に対して十分呼びかけができていなかったことから、学習者の参加者は、現在グループレッスンを受けている人がほとんどでした。次回は11月28日ですが、今後は100時間修了者にもっと声をかけ、参加を呼びかけていきたいと思います。また、支援者の皆様にも是非ご参加していただき、多くの学習者と楽しい一時を過ごしていただけたらと思っております。
初めての試みで、学習者が集まるかどうか不安だった私達でしたが、無事終えることができほっとしています。また、私達自身楽しい時間を過ごすことができましたし、いい勉強になりました。
おしゃべり広場の参加者名簿や使用プリント等につきましては、ファイルしてありますので、ご覧ください。
(三富麻央/元村尚美)


■■■今後の予定■■■

●外国人高齢者のためのコミュニティステーション事業
毎週木曜日10:00〜15:00、ピフレホール

●アイバンさんの英会話教室
毎週火曜日18:00〜、KFC鷹取事務所

●日本語教室の秋まつり
11月14日(日)12:00〜16:00、たかとり救援基地

●日本語教室のおしゃべり広場
11月28日(日)13:30〜15:30、KFC日本語教室

●地域国際化ボランティアのための地域活動推進員講座
[第3回]
11月17日(水)18:30〜20:30、ピフレホール会議室A
テーマは「在日外国人の法的地位」
[第4回]
12月18日(土)15:00〜17:00、ピフレホール会議室A
テーマは「外国人住民と医療問題」

●日本語学習支援のための地域活動推進講座
[第3回]
11月13日(土)13:00〜15:00、新長田勤労市民センター講習1
[第4回]
12月11日(土)13:00〜15:00、新長田勤労市民センター講習1

●アメリカNPO研究会
[第11回] 11月13日(土)18:00〜、たかとり救援基地

●運営会議
11月12日(金)15:00〜、KFC事務所

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